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ドイツはEV全力投球だが勝算はあるのか

2021-09-27 | 問題提起
ドイツはEV全力投球だが勝算はあるのか
 EV化の政府声明としては、米欧日と目指す方向は同じながら、その強弱については、従前記した様に差異がある。欧州は、2035年までに純EV、FCVを100%にする。米国は、2030年までにPHVを純EVなどに含めて50%以上、日本は、HVも含めて2035年までに100%としている違いだ。

 そんな中、ベンツは全EV化を日本のホンダと同じく宣言している訳だ。ベンツは、既に従来のS、E、CというクラスラインナップをEQS、EQE、EQCというEQを頭に冠して発売を始めようとしている。

 しかし、ベンツ社というのは、高級乗用車が中心のメーカーだと思いがちだが、むしろ大型の商用車の製造が主力と考えても良いメーカーだろう。つまり、大型トラックのアクトロスとか、大型バスなどで、エンジン単体をMAN社だとかネオプラン社に供給するサプライヤーとしての面も持つ。これら、大型車でも、電車と同じ様にモーターで駆動することは、もちろんできるが、電車と異なり架線による電力供給ができない自動車の場合、乗用車以上にバッテリーの問題が生じてくる。

 しかも、ドイツは日本と同じく、自動車産業が国家GDPに占める率が高い。だから、EV化を推進することで、エンジン関係の開発が不要となったとすると、その傘下に位置する、大中小のサプライヤーには、ベンツ本体だけでなく重大な影響を与えるだろう。それは、ボッシュ(電装)、ZF(AT)、マーレ(ピストン、メタル)、ゲトラク(MT)などの有名どころの企業ブランドが思い浮かぶ。実際には、もっと多くの必ずしも有名でないメーカーだとか、その傘下の小さい企業があるのは、日本と同様だろう。このことは、エンジンが不要になることで、半減してしまう余剰人員を吸収する道があるのだろうか。

 このEV化は、その最大の目的がCO2の削減にある訳だが、電気というのはエネルギーというより、中間のある媒体と云えるべきもので、巨大な電気エネルギーを保管することは極めてむすかしい。つまり、石油とかなら、巨大な備蓄タンクで、まったく消耗なしに保管できるのだが、その様な膨大な電気エネルギーを備蓄できるバッテリーというのは考え難い。だから、太陽光などの昼と夜とだとか、天候により変化する発電量を、需要に応じて、供給経路を変えるスマートグリッドなる思想があるが、現実問題として広大な範囲を行おうとすれば、その導体の電気抵抗の問題もあるから損失も増え、難しさが生じてくるだろうことは素人ながら予想ができる。しかも、ドイツは既に原発廃炉については、福島原発事故の現実を見据え、全廃炉を宣言しているのだ。



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