goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

解体屋で観察する過大ネガキャン車

2020-06-20 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今日(6/20)のこと、部品を探しに訪れた自動車解体業で眺めた、セルシオ30の解体車後輪サスペンション付近の図だ。タイヤは付いていないが、ディスクの角度を見てもらえば、例の過大ネガキャン(ネガティブキャンバー)車だと判る。

 そこで、どの様にネガキャンにしているかと観察した次第なのだ。サスペンション形式としては、ダブルウィッシュボーン(もしくはマルチリンク)なのだろうが、基本はロワの前後のコントロールアームを延長加工して、ネガ化させているのが判る。なお、アッパー側にストラットが結合されるが、ナックルのネガ化で大幅に角度が食い違うのを吸収するためだろう、50mm厚はありそうなアルミブロック材を介在させて、角度差を補正している。それでもブッシュ部を見れば、相当にこじられムリしている様だ。

 強度的に問題だと感じるのは、ロワコントロールアームのリヤ側だ。たぶん、直線的に延長するとアームの角度などで、干渉するとかの問題があるのだろう。約50mm程もクランク状にオフセット結合を溶接結合で加工されている訳だ。コントロールアームの軸方向に伸縮する過重だけを考えた場合、直線形状とクランク形状の場合、大幅に強度が変わってくることは直感的に判るだろう。いわゆる応力を受けた時、まず座屈など破壊が起きるのは、俗にウィークポイントとも呼ばれる、断面形状の急激な変化部位であって、この加工部となろう。

 しかし、この様なクルマを乗っている比較的若い方を見掛ける訳だが、ここまでの改造を自ら行える例は希だろう。つまり、何処か自動車関係の業社が行っているのだろうと思わざるを得ない。しかし、指定とか認証を受けた工場が、この様な強度的にもムリが内在する加工を引き受けるとは思えない。こういうクルマを乗る運転者もアホだが、加工する業社も金になれば良いというモラルに欠けた者だろうと、改めて今回の改造実態を見ながら思う次第だ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。