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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ジンバルロックのこと

2009-02-21 | 技術系情報

 写真は魚雷用のジャイロ装置です。こ の回転体の慣性効果を利用するジャイロですが、その慣性効果は電気ドリルやディスGyroクグラインダーを動作中に手を動かす際に、抵抗感を生じることで判ります。

 写真の様な機械式ジャイロは、回転体を3重の自由に動けるジンバルという雲台に取り付けられており、XYZ各軸の動きを検出できる様になっています。但し、移動体が急激に大きく変位したりした場合、3軸のジンバルの内の2軸が揃ってしまうと以後の動きの検出ができなくなってしまうのです。これがジンバルロックという現象の様です。

 この様な機械式ジャイロが、魚雷に限らず、航空機やミサイル、そしてロケット等に搭載されていましたが、現在ではもっと高精度な光ファイバやレーザーを利用した光学式のジャイロ装置が利用されている様です。

 それと、幾ら高精度なジャイロ装置であっても、移動距離の増加によって、誤差は拡大して行かざるを得ないという宿命を持っています。ですから、固定衛星を使用したGPS等の他立的な手法により、一定間隔毎に位置の補正を行うことにより高精度な誘導が可能となるのでしょう。

 これは前にも記したことですが、クルマ用のナビゲーションシステムとして、ホンダがクルマ用ガスレートジャイロを実用化しましたが、その直後に民需公開されたGPSシステムによって、あっという間に消え去ってしまったことは記憶に残ることです。

 最初の魚雷の話に戻りますが、魚雷の場合は水面下を移動しますから、GPS衛星の電波は使用できませんので、現在でも何らかのジャイロ装置に頼らざるを得ないのでしょう。しかし、ミサイル等の様に何百、何千という長射程でなく、その射程は精々数キロ程度でしょうから問題はないのでしょう。


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