私の思いと技術的覚え書き

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VCRエンジンを実用化・このメーカーのメカニカル技術力は凄い

2023-03-24 | コラム
VCRエンジンを実用化・このメーカーのメカニカル技術力は凄い
 VCRとはバリアブルコンプレッションレシオの略で可変圧縮エンジンのことだ。このアイデア事態は、かなり以前からあったのだが、エンジン稼働状態で連続的に可変できるエンジンで実用化されたものはなかったのだが、6年前にニッサンで実用市販化なされ、北米仕様のインフィニティQX50に搭載され始めていた。何故国内仕様に採用されなかったかと云えば、今や車両メーカーに取って、国内市場は二の次三の次で、その優先順位からして重視する要がなかったということなのだ。しかし、5年遅れとなったが、やっと22年7月より国内仕様の新型エクストレイルに搭載されている。
 ニッサンのVCRエンジンは圧縮比を8~14まで連続可変できる。ところで、現在のガソリンエンジンでは、レギュラーガス仕様でも、11程度まで圧縮比を上げられる様になってはいるが、一昔前までは9程度が限界であったのに比べ、その効率は向上して来た。しかし、ニッサンの方式は14まで高められ、しかも連続可変できることや、メカニカル動作的にシンプルでムリない設計で、その耐久性などにも大きな不安はないということに革新がある。
 この可変圧縮により、従来だとアンチノック解決に、ノックセンサーによるセンシングによる点火遅角というパラメーターしかなかったのだが、このVCRでは点火遅角も併用するのだろうが、VCRによりターボ加給との併用で広範囲に高効率化できる。
 ニッサンというとかつて「技術のニッサン」というスローガンがあったが、その面目躍如となる技術であろうと思える。この辺りの技術革新をトヨタと比べると、HVではトヨタは世界的に先行しているのだが、その肝はエネルギー回収域を拡大するため、EBS(電子制御ブレーキ)にあったと思えるが、これはメカトロと云うよりエレクトロニクスによるソフトウェア制御にあったと思える。このエレクトロニクスの分野では、デンソーを要するトヨタの強みだが、ニッサンのメカトロとは方向性が異なる。つまり、ニッサンの強みはたる技術力はメカトロにあるのだが、エレクトロニクスに弱いと云うことと、量産技術としてのコスト競争力で脆弱さを持つと思える。
 ただし、EVおよび自動運転(ASV)という今後の自動車の方向性を考える時、メカトロについてはあまり拡大の余地はないと想像でき、エレクトロニクスというか如何にコンピューター制御とかネットワーク化、もしくはリンクシステムを構築できるかという方向性が車両作りの中心になり、ボデーはひたすらコスト低減の方向性を追求できるかになると思える。こうなると、米テック企業とか、先行するテスラの方向性となるのだが、日本も含めドイツの既存車両メーカーにとっては、あまり立ち位置として良くない方向性が見えて来る。

★エンジン史上100年の夢を日本車が叶えた!【NISSAN】(25分)
Tiger-Juice-Garage / タイガージュースガレージ
Youtube 2023/03/18
https://www.youtube.com/watch?v=AWsPI1BeCjo


【過去記事】
とうとう実用化なったニッサンVCRエンジンについて
2021-01-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/80b490e1fce0f7734941f9da8afa136b



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