私の思いと技術的覚え書き

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隣に見るタンドラの塗膜品質から

2018-09-03 | 技術系情報
 写真は、つい先日のこと、昼飯食べに立ち寄った牛丼屋で隣に見たタンドラの側面とその拡大写真です。電線が映り込んでいる様子を見てもらって判る通り、塗膜肌(こういうのをラウンドと表現したりします)がちょっと粗いなぁと感じました。新しいクルマですし、補修なんかしていないでしょうから、新車の塗膜状態だろうと思います。

 従来から、市販高級車では4C4Bと云うのが最高級の塗装と云われていました。すなわち4コート(4層)4ベーク(焼き付け)ですね。一般車では、3C3Bで、軽自動車なんかでは1C1Bなんかもあったと思います。しかし、昨今伝え聞く一般車での塗装は3C1Bだそうです。乾燥なしで(適度なフラッシュオフタイムもしくはセッティングタイムは取っているでしょうが)、最後に1ベークして完成するという塗装です。そして、、一般車では基本的にノンポリッシュ(磨き仕上げなし)で塗膜の検査は行い出荷となります。これが、トヨタで云えば、センチュリーではほぼ全面ポリッシュ、レクサスでは部分ポリッシュで仕上げているということの様です。

 さて、最初述べた塗膜表面のラウンドが大きいと云うことですが、これが大きいと映り込む画像が歪むことでの鮮鋭性や艶感が低下してしまうという問題があります。そんなことから、メーカーでは塗装ラインの最終工程として、ボデーパネルの微少な歪みを含め行っています。その検査光景は、直管蛍光灯が多数付いた部屋で、その映り込みを目視で行うという検査が従来から行われて来ましたが、昨今は光源とカメラで反射光を読み取り、ある程度自動化されているのではないかと想像します。

 新車ラインでは、防塵環境も良好で高度な塗膜品質を得ることは容易ですが、補修作業においてはそもそも車両自体の汚れも多いし、なかなか難しい要素を含むのが補修としての塗装作業でしょう。色の濃淡や、含まれる顔料による難易度は異なります。今回の黒系の場合は、色差は淡色より目立ち難いですが、今回の様なラウンドだとか表面の僅かな凹凸が表出し易いという問題があるでしょう。それと、新車と異なり、何らかのブツやランドの荒れから、磨き作業がある程度必要になりますが、黒系の場合オーロラマークが生じ易いという問題があります。これは、磨きバフによる同一心の磨きキズが光に干渉し生じるというものです。しかし、昨今はギヤアクションバフ(バフが星形に偏心回転しつつ回転する)があるので、もし悩んでいる方があったら試して見る価値はあるものと思えます。


※参考までに10年程前にリリースされたGT-R(R35)での新車プラント(栃木工場でしょう)のYoutube画像で塗装工程の磨きの風景はちょっと参考になると思えます。ちなみに、この新色ボデーカラー「アルティメイトメタルシルバー」ですが、メーカーオプション価格315千円高となっています。どんな凄い塗装かと、後日見ましたが、それ程唸るものではなかったというのは私見です。


・Nissan GT-R Assembly(Youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=mIh0WwFvEuI&gl=JP&hl=ja

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