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【映画評】七人の侍

2020-06-07 | 論評、書評、映画評など
 映画監督:黒澤明作品の「七人の侍」は、従前何度か見ていたのだが、暇を持て余し、DVD作品を図書館から借りてじっくり見直してみた。1954年(昭和29年)のモノクロ作品で、CG処理なんて一切ない映画だが、見事な脚本、構成、キャストキャラクターなど、この作品が、多くの外国映画監督に影響を与え、「荒野の七人」などリメイクや、モチーフの転用などなされていると聞くが、日本人としてこの様な偉大な監督が存したことを誇りに思う。

 DVDは全編と後編の2枚組みだが、前編が村人が侍を見つけ出す編で、七人のリーダー勘兵衛(志村喬)が決まるや、次々とメンバーを見いだすエピソードが面白いし、七人のキャラクター付けが、如何にもらしい感がマッチしている。後編は,野武士集団との決戦が中心となる。

 この作品で最も記憶に残るのは、戦略上村の離れ屋となる3軒を切り捨てることにしたことに反意を示す3軒の村人に向かって勘兵衛が「人を守ってこそ、自分も守れる。己のことばかり考える奴は、己をも滅ぼす奴だ!」と怒鳴るシーンだ。正に現代に通じる言葉で、自分さえ良ければということを諫める言葉で、これが、日本武士の心で、国が変わっても、共通する極めて大事なことなんだろうと思う。何処かの、すらすらと原稿を読み上げる首相の軽さとは、大違いの重い言葉だと唸る。




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