私の思いと技術的覚え書き

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岳南鉄道に初めて乗る

2021-07-07 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
岳南鉄道に初めて乗る
 今日(7/6)のこと、東海道本線吉原駅から分岐している「岳南鉄道」というのに初めて乗車した。昔は乗客も多く多量連結して運行していたらしいが、近年は1両だけのレールバスともいう風情だ。

 かなり昔の車両らしく、運転席廻りの機器は、都度増設を繰り返して、およそ最新型の簡素なたたずまいとは一線を画すると云うべきゴチャゴチャ感満載で、これはこれでよろしい雰囲気を醸し出している。

 運転手が降車した無人状態の運転席は、タップ制御のレバーも無容易に動かされない様にロックが掛けられたり、ブレーキレバーが外されている、運転手が乗り込むと、最初に行ったのが、極短いスパナレンチ様のもので、タップ制御の駆動レバーのロックを解除することと、把持されたブレーキレバーを填め込み操作できる様にすることだった。

 無人状態の運転席を見て、足元のペダルは都合3本あるが、際左にある小さな足踏みペダルがデットマン装置のレバーだろうと察しができた。その遙か上部にはデットマンと手書きで書いた赤いインジケターランプがある。つまり、デットマンペダルを離すと一定のタイムラグ後に赤いランプが消えると共に、緊急ブレーキが作動して列車を止める装置がデットマン装置で、常に運転手は意識を持ってデットマンペダルを踏み続けていなければならない。これにより、運転手の病変などによる事故防止を図るのがデットマン装置だ。

 とここで、数ヶ月前に東海道新幹線で運転手が腹痛から急な用便を我慢しきれなくなり、運転資格のない者証を呼び出し、たぶん運転席に座らせ5分程度の客席側トイレで用便を済ませたという事件があった。新幹線のデットマン装置がどうなっているか無知だが、何れにしても同様の機能を持ったデットマン装置が装着されているのだろう。だから、報道ではその辺りは一切触れられていないが、身代わり車掌は、不本意ながらも運転手の指示でデットマン装置が働かない様に指示を受け、捜査していたと思われる。でないと、一定時間デットマン装置の賃号が途切れると、運転手の病変もしくは居眠りとして、車両は自動的に緊急停止するシステムになっているはずだからだ。後の報道によれば、該当新幹線は熱海から三島駅付近まで時速150km/h程で5分程度運転手不在で走らせたと報じられている。

 まあ、これが踏切もない、しかも熱海から三島間はほぼ直線で最高速度が出せる様な環境であることもあって、該当運転手も自己の緊急事態として踏み切った訳だが、重大な規則違反を犯したことに間違いはないだろう。また、万万が一、巨大地震でも起きて緊急停止を要求される事態は少ないだろうが、ゼロではない。たぶん該当運転手は、現在のところ自宅待機で処分待ちというと想像するが、最悪は懲戒解雇、良くて運転資格当面取り消しという辺りだと思うが、時刻ダイヤを見だしてはならぬと云うプロ意識というか、恥辱心と云うべきか見栄が、重大な規則違反を犯してしまうというところに、人間の綾が絡む事件だろうというのが私の思いだ。








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