私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

スリップ率の話

2015-10-01 | 技術系情報
 今日の雨天下での話です。線路下をくぐるガードの上り坂でのこと、前の2トン平(ダンプだったかも)が後輪を空転させて動きません。たぶんイラついた運転車は、さらにアクセルを踏み込んだ様で、後輪をドリフトさせて斜めになりながら前方の交差点を右折して行きました。

 この例もそうでしょうが、当然に荷台は空でしょう。従って後輪荷重は小さいですから、今回の様に発進時に空転を感じるという機会は、車重の割に後輪荷重の小さいクルマを運転すると往々にして体験するものです。軽トラATの空荷でも無造作にアクセルを踏むと、ズルズルと後輪が空転してしまいます。

 以上は駆動力(トラクション)での空転でしたが、ブレーキング時はロックという問題が生じます。ロックさせると制動距離も伸びますが、それよりも怖いのはサイドフォースがゼロになることでしょう。ハンドルは切れないわ、スピン(ドリフト)するわと、方向安定性が極度に低下してしまうことでしょう。

 かといって、制動時のロックをゼロにし、駆動時の空転もゼロにすれば、最大の制動および駆動力が出るかと云えば、そうではない様です。実験の結果によれば、車体速度と車輪速度の差をスリップ率として、この値を20%程度とした場合に最大となるとのことです。ですから、ABSとかTRCなどの制動および駆動制御は、この値を基準に設定されているはずです。


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