私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ロールオーバー事故

2015-09-30 | 事故と事件
 ロールオーバー、日本語で云えば転覆だとか横転ということになる事故ですが、当然車体各所の変形は大きく、その修理費は高額となりがちです。

 道路運送車両法の保安基準では、左右の最大安定傾斜角として35°が設定され、実際に静止状態ですが35°まで傾けて、転覆しないかを新規検査(型式指定車を除く)においては実施しているはずです。ところが、現実の事故では35°までも傾かず、転覆してしまう事例は結構多いと感じます。もっとも、それは車体の高いクルマ、ワンボックスとかトラックのアルミバンとかコンテナトレーラーなど、重心位置がそれなりに高いクルマに多い傾向は顕著です。

 しかし、車高が低いスポーツカーが転覆事故を起こさないかといえば、そんなこともなく、ハードコーナーリング中に外側車輪が縁石に引っ掛かる様にして転覆したり、車体前下部の左右どちらかを何かに乗り上げる様に衝突して転覆する様な事例は何度も見て来ました。

 ところで衝突実験をして安全性を確認する試験(J-NCAP)が行われて久しい訳ですが、側面衝突テストがあります。静止したテスト車両の真横にムービング(移動式)バリヤを衝突させて行われます。通常、固定高速度カメラの画角から外れてしまうので見る機会は少ないのですが、軽、普通含め1BOX系は横転してしまっているケースは多いものです。

 それと経験上の話と想像ですが、雨の高速道を長距離走っていると、ところどころにロールオーバーした事故車の無残な姿を垣間見ます。それらに多いと感じるのは、RV(ランクル、ハイラックスなど)系のクルマと感じます。これらは1BOXより車高は低いですが、高い最低地上高と長いサスペンショントラベルを持つ訳です。タイヤも大径ワイドタイヤですが舗装路用というより悪路グリップ重視のものです。走行中、何らかの外乱を受け初期ドリフトを生じた際、その当て舵が一度で決まれば良い訳ですが、反転しての左右ジグザグにドリフトを繰り返しつつ、サスペンションストロークの上限までロールしつつロールオーバーしているののではないかと想像しているのですが・・・。

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