私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

RASH/プライドと友情を鑑賞して思う

2016-10-10 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 誰かも題材に取り上げていたが、所有のDVDを改めて見た。この映画は、約40年前の実話を元に、再構成され描かれたものだ。実話としての主役は、ニキ・ラウダとジェームス・ハントだが、メインイベントはニュル(北コース)でのラウダの大事故と瀕死の大火傷、そして6週間後のグランプリに奇跡というか執念の復帰をしたこと。当時、遠い話と聞くも、凄まじいファイティング・スピリットだと驚いたものだ。その後、ラウダをヨコハマタイヤのCMなどで見るに付け、凄いレーシングドライバーだと思い続けた。

 映画の方は、監督がアポロ13のロン・ハワードだし期待が持った。しかし、内容は、ラウダの事故シーン(ほぼCGだろうが)は良く作り込まれているなと感じたが、その他は期待を越えるものではなかった。マニアック過ぎるし、描写が難しいのかも知れないが、何時の時代でもF1が如何に限界を極めて走行しているのかと感じさせるシーンを期待していたのだが・・・。これでは、テレビ放送での予選タイムアタック映像の方が、より現実感を持って限界を極めているんだと感じられる。

追記
 ラウダが事故当事ドライブしていたのは、フェラーリ312T2というマシン。エンジンは180度V12という、外見は水平対向と変わらんが、クランクピンがV型特有の左右対向シリンダーで共有されているもの。振動面からはクランクピンは各シリンダー独立したボクサー方式が優れるが、属に云うカミソリクランク(クランクウェブが薄くなる)となるから、特に高回転での疲労強度の辛さを回避し故だろう。型式Tはトランスミッションをトラバース(横)にしたことから付されているとのこと。オーバーハング・マスをより少なくという指向なのだろう。
 映画の中でも描かれているが、ラウダを含め高次なドライバーはドライビングスキルは当然として、メカニカルなスキルを持ち、不具合をただ訴えるだけでなく、何処を直したらとか、こうすれば良くなるみたいな意見を的確に開発責任者に伝えられる者なのだろう。このことは修理屋さんの立場も同じで、ただ抽象的な問題を訴える顧客には戸惑うが、こういう時やああいう時に、こうなるみたいな、不具合の条件とか現象、発音などを的確に伝えてくれる顧客であれば、その対応はし易いものだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。