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国交省・整備士規則など一部改正のパブコメ募集について

2022-01-31 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
国交省・整備士規則など一部改正のパブコメ募集について
 このパブコメ(パブリックコメント)については、以下のリンクで募集されているが、開始日時は1/27から開始されているが終了は2/28までとされている。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155210925&Mode=0


パブコメ表題:自動車整備士技能検定規則等の一部を改正する省令案に関する意見の募集について募集中
 カテゴリー 陸運
 案件番号 155210925
 定めようとする命令などの題名 自動車整備士技能検定規則等の一部を改正する省令案
 根拠法令条項 道路運送車両法第五十五条
 行政手続法に基づく手続か 行政手続法に基づく手続
 案の公示日 2022年1月27日
 受付開始日時 2022年1月27日11時45分
 受付締切日時 2022年2月28日23時59分

 実はこのパブコメについては、従前の経緯をある程度ウォッチしており、昨年11/24付けの筆者ブログで記した通り、国交省・整備課に意見を伝えていたのだ。その趣旨は、国交省で省令変更案となる検討委員会(WG)での大きな変更要素として、自動車検査員を1級整備士に限定すると云うことに強い違和感を感じたことにあった。

 この違和感とは、国交省は比較的新しい最上級の整備士資格としての1級資格に、何らかのステータスたる与えたかったと云うことがあったのではないだろうか。それに対して、筆者の意見は、従前国交省で定義づけた1級資格者の意義付けとして「自動車全体に関する専門知識各種の整備用診断機器を用いて応用的な故障探求ができる水準(自動車整備士の最高位)」と記している。この1級者の意義付けと検査員は一致するのかと云うのが筆者の違和感の起点となった。

 こういう云い方は誤解を招く恐れもあるが、自動車検査員とは高度な整備知識を要すると云うより、国に与えられた検査の代行を担うというのが職務であり、そこに要求されるのは、主に車両法の保安基準など法令知識とそれを遵守すると云う使命感が主たるものだろう。つまり、必ずしも最上位の自動車整備資格(知識)が求められるものでもない。

 一方、1級整備士は高度な専門知識を持ち、日頃の工場での活動において、自ら高度な知識が要求される不具合車両の診断とか故障探求に携わったり、配下の整備士をOJT的に指導できる、いわば工場の実務担当者としてのリーダー像を想定していると思うところだ。ところが、検査員とは、当該被検査車両が前提だが、その車両の整備を自ら行い自ら検査する行為は法令で禁じられている。その様なことから、検査員は工場の直接作業員というより、検査業務とその付帯業務をもっぱらとするものの、兼務としてはフロント業務とかの間接要員となっている実情があることを知見している。もっとも、昨年やり玉に上がったトヨタ不正車検工場の検査員が、一部なのかもしれないが納車引き取りや洗車業務を行っていたということもあったと知り、驚愕の思いを感じたものだ。話しがそれたが、ここで結論付けたいことは、検査員を1級前提にすると、その整備知識は、いわゆる現場の整備知識向上に生かされない機会を生み出すのではないのかという思考を、国交省・整備課の担当者に昨年11/24に電話で伝えていたのだった。

 その後、この新しい省令は、本年4月公布となる予定だから、それ以前にパブコメでの最終確認意見の募集が形ばかりと云えどもあるはずであり、それがあったら、本意見をもっとガッチリと論理付けて書き記そうと考えていたところなのだ。つまり、このパブコメ待ってましたというものなのだ。

 ところが、パブコメの改訂案を見ると(添付参照)、従来の各級別で大型、小型、ガソリン、ジーゼルと別れていたものを統合する(二輪はそのまま)であることと、筆者が問題視していた検査員の1級限定については、従来とほぼ変更なく、2級者でも選任可能と明記されているではないか。こうなると、本件については、パブコメに意見を記する要はなくなってしまった。


 しかし、従前までの検討文書に明記されていた検査員は1級前提とするが何故なくなったのかだろうか。筆者の意見がまともに通ったとは思えないが、察するところ現在全整備資格者の中に占める1級者の比率は3%と極めて低い。これをまともに提要される(4月に省令公布で実施は令和9年)となると、困るなと思った全国各地の主にディーラー以外の指定工場主が、その地方整備振興会理事(多くが国交省関連団体の天下り)を通して、意見があったと推定するのが筆者の見方だがどうだろうか。

【参考記事】
国交省・自動車整備課に意見を申す
2021-11-24 | 問題提起
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/d14f21e7e760b4be34cab1e6b58bd837



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1 コメント

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強烈なパブリックコメント入れておきました (思いは同じ)
2022-02-15 19:41:49
自動車整備工場の経営者であり、自動車検査員の資格者になりますが、現場の事情がよくわかっていない方々の体裁的な論理で、業界が衰退しないことを切に願います。

改正省令案にあるように、昨今自動車技術の進歩とともに整備技術にも多様な知識と技術がもとめられ、自動車整備士資格の再編は必要と思います。
ただし、このパブリックコメントの内容に自動車検査員資格に関しては、(変更はなく)といった一文で、同資格取得の件に関しては記載すら無いというのは作為的に感じます。
なぜならば既に、【令和3年12月9日付、日刊自動車新聞5面】【今年度事業者責任者講習資料2-1】において、[自動車検査員の受験資格は1級のみ]と明記されているからです。

自動車整備士不足といわれ、自動車ディーラー、民間工場さらには自動車技術総合機構の各県の検査事務所ですら検査員の高齢化と資格者不足に陥る状況で、1級整備士のみが自動車検査員の受験資格となれば、さらに弱年齢層の自動車整備士離れを誘発し、業界自体が弱体化さらには成り立たなくなることは想像に難くありません。

以下続く・・
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