私の思いと技術的覚え書き

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【再掲】疑義事案との闘い(その9)

2021-10-24 | 賠償交渉事例の記録
【再掲】疑義事案との闘い(その9)
初稿2008-09-26
 今回は、いわゆる作り事故による保険詐欺事案を支払い排除するに至った案件として紹介してみたい。

 新聞等のニュースで保険金詐欺として検挙される事案の多くは、この手の作り事故である場合が多い。この種の事故は、故意にせよ実際にクルマ同士を衝突させているので、合い口が整合するかと云う視点(いわゆる整合性という思考)では、なかなか排除が難しい点がある。しかし、この類の犯罪に手を染める輩は、単発で済ますことはなく、味を占め繰り返し行いますから、結局はボロが出て検挙されるに至る訳だ。

 さて、本件事故は駐車場内で駐車相手車両に衝突させた事故との届けだが以下の疑問を生じたのだった。

①駐車場内の事故として損傷程度が大きすぎること。

②相手車(ベンツ)は廃車処理(抹消登録)済みの車両であったこと。

③当事者双方間に人間関係が伺われたこと。

④契約者は保険会社窓口に来訪し、車両および対物保険含む保険契約がなされていたこと。

⑤関係する修理工場について、他社から多数の疑義情報を入手したこと。

 以上から保険金詐取を目的として故意に衝突させた事故との確信を持つに至り、モラルリスク事故として契約者と対決するに至った。その上で、保険金請求する意志を継続すのであれば、更に深い調査を継続するとの当方側の強い意志を示した。この翌日、保険金請求を取り下げるとの連絡を受けたのであった。






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