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単なるピン抜き作業が悲劇を生む【整備の失敗】

2021-10-24 | 技術系情報
単なるピン抜き作業が悲劇を生む【整備の失敗】
 これはピン抜き作業に限らず、例えばエンジンブロックに直付けされたクーラーコンプレッサー部に直入力受けている事故車などで、ブロックのコンプレッサー取付ボス部が割損している事例というのを思い浮かべてもらいたい。

 これと同様に、トランスアクスルケースにつくクラッチレーズアームのシャフトを抜くために、ピン(ストッテッドピン)をある程度径に合わせたピンポンチをハンマーで打撃して抜く場面だが、固くて動かないからと大打撃を与えると、あれよとケースのボスが割損するというものだ。こういうことは、今での修理書には一切書かれていないので、けっこう失敗するケースもあろうかと、今回の題材に取り上げてみたい。

 似た様なピンでも、さほど嵌合がキツくなく、軽い打撃で抜ける場合もあるが、軽い打撃でビクともしない場合は、それなりの対応が必用になると云うことだろう。

 つまり、打撃の反力を確実に受け止め、シャフトを介してケース側に打撃の力が働かない様に、受け具を考慮する必用があるだろうということだ。もしくは、対応できるプーラーでもあれば、反力を受け止めつつピン部を押し込められれば良いのだが、なかなかこういう場面に適するプーラーというのも少ない様に思える。

 なお、アルミケースのボス部の割損を溶接修理ができないかと云うことだが、そもそも母体となるケースに対して、割損したボス部は小さく熱容量が大きく異なるので、あっと云う間に小片のボス部だけが溶けてしまうだろうから、なかなか難しい。




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