レオロジーコントロールとは
この言葉の語源だが、レオロジーとは物質の変型および流動一般に関する学問分野のことだが、このレオロジーコントロールという言葉が自動車の主にプロダクションで聞かれる様になったのは、塗装上塗り工程で3C1Bが一般化してからだ。つまり、3C1Bとは塗膜を、中塗り、ベースカラー、クリアと3層塗って、1ベーク(昇温焼き付け硬化)という意味だ、これを旧来は3C2Bでやっていた。
旧来の3C2Bだと中塗りを塗り込んで1B後、ベースカラー+クリアーを塗り込んで1Bと云うことだが、現代車では最後の1Bで済ませるために3層を塗り重ねて1Bで済ませると云うことだ。
この塗り重ねについては、適宜セッティングタイムという数十秒から分程度の時間を与える。このセッティングタイムが短過ぎると、様々な塗膜欠陥を生じる場合が想定できる。一番は塗膜のタレであり、メタリックなどの戻りムラだろう。逆に長過ぎると層間密着の不良ではがれのトラブルを生じるという訳だ。新車塗膜でも希にあるが、クリアーが広範囲にはがれるという事例があるが、補修塗装でも後刻クリアがはがれを生じるのは、オンクリアまでの時間が長すぎることが理由の一つと考えられる。
それと、そもそも塗膜のタレは、目的の塗膜の1層を塗り込む場合において、色とまりの良い色と悪い色があるのだが、何れにせよ1コート吹きつけで必用膜厚を一気に乗せてしまうと、未だ溶剤分が多く、塗り込んでいる最中からタレが生じて来る。だがら、塗り重ねる場合は、適宜フラッシュオフタイムを与えながら、同一部位を連続して塗り重ねることを避けている。
この3C1Bの実現にしても、それぞれの1層の重ね塗り込みにしても、タレ防止と塗膜肌の間には、塗料と溶剤の適正粘度という問題だとか、スプレーガンの吐出量、空圧、移動速度の要素もありそうだ。そして、タレ難く高粘度とした場合には、塗膜肌が荒れやすいという問題もある。
また、吹き方として被塗物との距離を離す程、飛翔中の塗料粒子は乾いて付着するので、タレはないが塗膜肌が荒れるとかツヤが出ないという問題もある。
この辺りの乾燥硬化前の液体としての流動特性を適正に調整する技術をレオロジーコントロールと呼ぶ様だ。なお、余談となるが、古来の天然樹脂として漆(うるし)があるが、漆は乾燥時間が長いと云う難度があるのだが、その代わり肌の平滑性が良いと云う良点がある。高級漆器などは膜厚を上げて、艶やかな平滑面に仕上げるのだが、タレ防止に塗り後の乾燥中にゆっくり被塗物を回転させて、高膜厚漆のタレを防止する回転室(むろ)という仕組みを使うそうだ。これにヒントを得たのか定かではないが、バブル時代のマツダの高級車で、ハイレフコートという乾燥ブース内で塗布ボデーを軸線上で回転させる技法があった。
この言葉の語源だが、レオロジーとは物質の変型および流動一般に関する学問分野のことだが、このレオロジーコントロールという言葉が自動車の主にプロダクションで聞かれる様になったのは、塗装上塗り工程で3C1Bが一般化してからだ。つまり、3C1Bとは塗膜を、中塗り、ベースカラー、クリアと3層塗って、1ベーク(昇温焼き付け硬化)という意味だ、これを旧来は3C2Bでやっていた。
旧来の3C2Bだと中塗りを塗り込んで1B後、ベースカラー+クリアーを塗り込んで1Bと云うことだが、現代車では最後の1Bで済ませるために3層を塗り重ねて1Bで済ませると云うことだ。
この塗り重ねについては、適宜セッティングタイムという数十秒から分程度の時間を与える。このセッティングタイムが短過ぎると、様々な塗膜欠陥を生じる場合が想定できる。一番は塗膜のタレであり、メタリックなどの戻りムラだろう。逆に長過ぎると層間密着の不良ではがれのトラブルを生じるという訳だ。新車塗膜でも希にあるが、クリアーが広範囲にはがれるという事例があるが、補修塗装でも後刻クリアがはがれを生じるのは、オンクリアまでの時間が長すぎることが理由の一つと考えられる。
それと、そもそも塗膜のタレは、目的の塗膜の1層を塗り込む場合において、色とまりの良い色と悪い色があるのだが、何れにせよ1コート吹きつけで必用膜厚を一気に乗せてしまうと、未だ溶剤分が多く、塗り込んでいる最中からタレが生じて来る。だがら、塗り重ねる場合は、適宜フラッシュオフタイムを与えながら、同一部位を連続して塗り重ねることを避けている。
この3C1Bの実現にしても、それぞれの1層の重ね塗り込みにしても、タレ防止と塗膜肌の間には、塗料と溶剤の適正粘度という問題だとか、スプレーガンの吐出量、空圧、移動速度の要素もありそうだ。そして、タレ難く高粘度とした場合には、塗膜肌が荒れやすいという問題もある。
また、吹き方として被塗物との距離を離す程、飛翔中の塗料粒子は乾いて付着するので、タレはないが塗膜肌が荒れるとかツヤが出ないという問題もある。
この辺りの乾燥硬化前の液体としての流動特性を適正に調整する技術をレオロジーコントロールと呼ぶ様だ。なお、余談となるが、古来の天然樹脂として漆(うるし)があるが、漆は乾燥時間が長いと云う難度があるのだが、その代わり肌の平滑性が良いと云う良点がある。高級漆器などは膜厚を上げて、艶やかな平滑面に仕上げるのだが、タレ防止に塗り後の乾燥中にゆっくり被塗物を回転させて、高膜厚漆のタレを防止する回転室(むろ)という仕組みを使うそうだ。これにヒントを得たのか定かではないが、バブル時代のマツダの高級車で、ハイレフコートという乾燥ブース内で塗布ボデーを軸線上で回転させる技法があった。