私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

スイッチバックのこと

2012-07-02 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 クルマもですが、鉄道にもまあまあの関心を持つ私です。住まい地近郊の鉄道でJR御殿場線というのがあります。ここは、前にも記していますが、明治の東海道線開通時は大幹線本線だった路線です。その後、箱根山を貫く丹那トンネルが昭和初期に開通し、しがないローカル線になったという経緯があります。そんな御殿場線に沿って平行した旧国道を走っていますと、ちょうど岩波駅の手前に高さは優に10mは越えようかという盛り土(築堤)が目に付きます。これが、列車を蒸気機関車が牽引する時代に利用していた、スイッチバック用の支線なのだということを、今では知らぬまま通り過ぎている方が多いのではないでしょうか。

 このスイッチバックでは、急傾斜の駅に停車した列車が、発進困難(蒸気機関車の動輪空転による)となる事態を防止するため、駅を通り過ぎてから支線へのポイントを切り替え、後退してほぼ水平な駅ホームに停止するというものです。再発信は平坦路面ですから容易となる訳ですが、ポイントを切り替えたりバックしたりと、多大の手間を要した訳です。

 この様な機能を持ったスイッチバックによる駅停場ですが、あくまでも蒸気機関車時代のもので、電車となった現在では無用のものです。なお、JR御殿場線のスイッチバック跡ですが、私が子供の頃はこの岩波駅以外にも幾つか他にあったはずですが、何れも盛り土を撤去してしまったらしく、今となっては何処にあったか記憶も定かではありません。

追記
 その他のスイッチバックとして、急傾斜地を登坂する路線として、箱根登山鉄道などに採用されているものがあります。この方式は、通常ならぐねぐねとカーブを繰り返しながら登坂していく路線を、比較的直線的な登坂をし、末端部分の水平地にポイントを切り替えて停車し、やおら運転席を前後入れ替えて、次の登坂路線へ向けて発車することを繰り返すというものです。運転手さんは、ちょっと大変かもしれませんが、のどかでいいいなーと感じます。



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