私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

カーデザインの困窮(雑感)

2016-10-04 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 このところの日本車だが、1BOX車など、やたら前面大面積メーキパーツだらけにしたフロントエンド(リヤもだが)を持つクルマが増えつつある様に感じる。一見豪華に見えるのかも知れんが、悪趣味かつ安直な安デザインの代表例だと感じている。しかし、これが良いと思う方もいるのだろうが、悪いけどトラック屋さん好みの世界であり、私見としては否定せざるを得ない。既に複数以上のメーカーから似たような過剰メッキだらけのクルマが登場しており、デザイナーの発想は枯れ困窮しているものと想像するのだが・・・。

 また、プラットフォームを共通化したクルマで、大してボディーシルエットも変更していないにも関わらず、ヘッドやテールランプのデザインだけが違い、これら付加物ライトをやたらボデーラインから外方向に飛び出させたクルマも増えている様だ。もちろん、内装シートやインパネは旧型と共通で変化なし、部品の大幅な共通化で生産原価を低げ、安直に儲けようというのが見え透いた新型車だ。

 これらのクルマは存在は、まったく魅力を感じられない。今や単独車種で固有のプラットフォームを使うなんていう、贅沢クルマは、特定ジャンルの一部しかないだろう。しかし、例えプラットフォームは共通でも、優れたデザインセンスで、まったく違う個性ある魅力あるクルマというのも一部にはある。

 話はちょっと逸れるが、VWがディーゼルで大問題を生じた訳だが、このメーカーの1台当たりの利益はトヨタの1/5程しかないということだ。ということは開発費もしくは材料など原価が過大になってということなんだろう。生産設備の合理化が大きな理由となる訳だろうが、旧来のスポット溶接からレーザービームの連続ウェルディングもしくはブレージングも、他のメーカーでも極一部に取り入られているが、VW社ほど大幅なものではない。たぶんだが、タクト数およびタクトタイム(行程時間)も増える要素が想像できる。また、この工法はアフター修理に多くの工数を要することにもなる。そんあ、製造原価にリソースをつぎ込んだこともあるのだろうか、このところの主力車種となるゴルフのモデルチェンジに、新鮮さを感じる提案は少なく、魅力に乏しい。

 輸入車を分解していて、何でこんな構造するのだろう、クリップ類やビスのたぐいも種類も数も多く、もっと工夫すれば減らせるし、止めやすい構造できるのにと思うことは少なくない。また、経年したクルマに多いことだが、樹脂が脆く割損し易いということもある。これは試作段階にての検討と樹脂経時変化による脆性の悪化を改善すれば、幾らかでも改善はできることであろう。この辺りは、クルマ自体は面白くないが日本車の方が合理的(まあ、原価を下げようという一心からなんだろうが)なことは確かだ。しかし、幾ら個別欠点がある輸入車でも、国産車にないデザインや、その個性から生まれる魅力は別の問題の次元のことであり、国産車では得られないものでもある。国産でもアナログ旧車の魅力が増すのも、理解できるところだ。



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