私の思いと技術的覚え書き

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新車塗装のクレーム(塗膜の耐候性)

2018-09-07 | 技術系情報
 皆様も時々見掛けると思いますが、新車をキャリアカーで運送している風景のことです。これら新車は、多くの場合、水平面(ボンネット、ルーフなど)に紙を貼ってある場合が多いと思います。VW・アウディ系みたいに、カーカバー様にすっぽぽりカバーリングされている場合もあります。トヨタ系などは、今もそうなのか不知ですが、少なくとも昔は水平面を中心に、ワックス厚膜コートがなされていました。これらの新車塗装の保護ですが、何らかの外来飛来物などによるキズ付きもあるでしょうが、主に水平面に生じ易い雨水の水玉によるレンズ効果による雨染みが表出するのを防止するためであることは、ご存じのところと思います。

 そんな中、近年黒系(ブラックパールなど)の塗色の人気が増したこともあるのでしょう、新車ディーラーもしくは関係するボデー工場で、新車の塗装磨きの作業を見掛けることが多くあります。これは、主に水平面を紙でガードする場合に多いのですが、紙の端の塗装面が露出した部位に、雨染みが生じてこれを除去するための作業ですね。

 新車メーカーおよび新車納入塗料メーカーでは、これら塗膜の欠点(主に酸性雨の影響もあると云われる)を防御する意味も含んで、フッ素コート樹脂とか耐スリキズ塗料樹脂などを開発してきたのですが、完全に解消するには至っていない様です。なお、この雨染みの表出ですが、新車から新しい期間に出るというもので、数ヶ月以上経過すると、よほど条件が悪くない限り生じ難い様です。つまり、新車塗膜のトップコートは熱硬化型のアクリルだろうと思いますが、一応の完全硬化はしているのですが、未だ100%の性能を発揮するに至っていないのかと、これは想像ですが思っています。

 なお、2液ウレタン(特に主材と硬化剤が2:1比率のもの)では、塗装直後からこの様な欠点は、まずない様です。こういう点からは、熱硬化型よりウレタンの方が耐候性は良いとも思えますが、メーカーでの原価などから、一部の少量生産車を除き採用されることはないのでしょう。

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