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野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

アマゾン自然学校 テキスト(11)

2023-02-24 | 市民講座

マモン (Mamão)(パパイヤ)

沖縄ではパパイヤを野菜として利用しているそうです。沖縄の収穫時期は7月から9月。

野菜と利用するというのは、熟す前の青い果実を収穫し、煮てたべます。大根のような食感があるそうです。沖縄には中国から台湾を経て、18世紀に伝わったといいます。今、熟す前の青パパイヤ、茨城県の水戸パパイヤ栽培研究会の農家が栽培して健康食品として注目されています。

 

さて 今回はパパイヤ ブラジル語ではマモン。

青いパパイヤは食べたことはありませんが、熟したパパイヤはおいしくいただきました。

パパイヤ ( Carica papaya L.) は、メキシコ南部からニカラグア北部の地域でスペイン人によって発見されました。

ブラジルには1587 年に入ってきたといわれています。

成長に適した気温は22°C から 26°C で、9 月から 2 月に収穫されます。世界には52種類以上のパパイヤの品種があるそうです。

パパイヤには、雌花、雄花、または雌雄同体の花があります。雌花と雌雄同体の花からできる実は、丸みを帯びたものと細長いものができ、どちらも食べることができます。一方、雄株のものは、形が変形し、食べてもおいしくありません。

 

パパイヤは、寿命は5年から10年ほどですが、農園では通常、寿命より早く植え替えられます。

現在ブラジルで作られているパパイヤの品種は、フォルモサパパイヤで、台湾が原産です。

ポルトガル帝国の入植者がこの国に到達したとき、現在の国が位置する領土は「フォルモサ島」と呼ばれていたため、その名前が由来しています。

パラ州のパパイヤがどのように入ってきたのか日本人かかかわるおもしろ伝説があります。

伝説によると、パラに住んでいた日本人宣教師が宗教的使命のためにハワイ(米国)に行き、そこで彼はブラジルの土地で知っていたものよりも小さくて甘いパパイヤがあったので、ポケットにいくつかの種を入れてブラジルに持って帰り、パラの農家の友人に配りました。その後、パパイヤは、北部へ北東部の他の州に広がったとか。

 

果実はカルシウム、プロビタミンA、およびビタミンC(アスコルビン酸)に富み、また消化酵素(パパイン)を多く含むので、重いブラジル料理のデザートには最適です。

 


アセビ 春先に咲くツツジの花

2023-02-24 | 兵庫の自然

アセビ

2月中旬、雪の降る日。すでにアセビの花が咲き始めていました。

アセビはツツジの仲間です。一年で一番最初に咲く花です。

漢字で書くと「馬酔木」、葉っぱを食べた馬が中毒してしまうことからこのように名付けられたそうです。

厚生労働省のサイトの「自然毒のリスクプロファイル」を見ると、「ツツジ科の植物には毒をもつものが多く、蜜にも毒性成分があることがあり、注意が必要」とあり、アセビ、ネジキ等のツツジ科の植物に含まれる植物毒はグラヤノトキシンとのことがわかります。

毒があるのはシカが食べないところからもわかります。奈良公園では有名な話です。

但馬の山では、春先アセビの花がめだってきたといいます。シカが増えすぎ、食べ残したのがアセビ。目立つようになったといいます。

アセビの毒を昔の人は害虫防除に利用しました。

慶長 5 年(1600) に書かれた「家伝殺虫散」に残されており、葉や茎を煎じて毒成分を抽出し、アセビ以外4 種類の成分を混合したもので害虫駆除しまた。

但馬地方では放牧地で草を食んでいる牛のダニ退治に使われました。乳器や外陰部など皮膚の薄い部分にダニが付着すれば、病気になるので、この液を使ったといいます。また昔のくみ取り式のトイレでは、ウジ虫を殺すのに使われました。

人間以外にもこの毒を利用するのがヒョウモンエダシャクです。この蛾は、アセビ、ハナヒリノキ、レンゲツツジなどのツツジ科の有毒植物を食草にして体に毒を蓄積します。毒は成虫になっても残ります。鳥はこの蛾を見ても食べません。毒があることを知っているのです。

ツツジのなかまですので、花びらがくっついて出来ている合弁花です。おしべは全部で10本あります。葯は5個ずつ上下2段になっていて、それぞれの葯の背面に2本ずつ棘状突起というのがあります。

アセビの花はつぼ型で下を向いて咲くため、マルハナバチのような小さな昆虫が受粉させることができます。花が下むきなので、花粉は葯(花粉袋)から出ると下へ落ちてしまいます。棘状突起があるのは、2本の棘に昆虫が触れた時だけに花粉が出るようになっており、蜜は花の一番奥なので、このレバーをおさないと蜜にたどりつけないのです。昆虫が触れると葯から花粉がこぼれて受粉することができます。

 

ツツジの仲間は,花弁が合着していますので双子葉植物の中では進化した植物として考えられています。最近のAPG系統分類体系では,ツツジの仲間にギンリョウソウやイチヤクソウまで入りました。