野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

アマゾン自然学校 群馬の森で

2023-02-25 | 野生生物を調査研究する会歴史

野生生物を調査研究する会の「アマゾン自然学校」とは 

2003年(平成15年)JICAにおいて「ブラジル国アマゾン自然学校プロジェクト」が採択された。

活動期間は2003年〜2006年。活動内容は①現地に即した環境教育テキストの制作②森林インストラクターの養成とその森林インストラクターによるアマゾン自然学校の開催③日本からのエコツアー④アマゾン自然学校の開催である。

これまでのテキストはインストラクターにむけてのテキストの一部を紹介している。

今回は実施した自然学校1日目の様子から紹介する。

「アマゾン自然学校 1日目 2005年1月21日(金)

 7時半、インストラクター達がパラ州立イルダ・ヴィエイラ学校に到着すると、校門には自然学校に参加する10人の子供とその保護者の皆さんが集まっていました。子供たちが簡単な自己紹介をした後、バスに乗り込みました。わくわく気分の子供たちとしばし子供とお別れで心配そうな保護者の皆さん。いよいよ出発です。

 今日は、他のJICAのプロジェクトをやっている「アマゾン群馬の森」を訪問です。ベレンから約1時間の道のりでした。北伯群馬県人会館を兼ねた宿泊施設の立派な建物にみんな驚いていました。ピラルクを飼っている池やランの展示を見ているうちに準備が整い、群馬の森の開会式を行いました。ここでの指導は北伯群馬県人会、群馬の森プロジェクトチーム、パラ州技術環境局の方々が担当してくださいました。まず、自己紹介を兼ねたゲームを行ったあと、昼食準備チームとテント準備チームに分かれて、それぞれ作業をしました。」

 

 

「アマゾン群馬の森」は、「アマゾンに群馬の森をつくる会」(群馬県で森林保護活動の必要性を世界に訴えることを目的としてつくられた会(会長:群馬県知事)と北伯群馬県人会(本部:パラ州ベレーン)が、募金活動を両国でおこない、1996 年に540haを取得した熱帯雨林の原生林である。

ここは、アマゾンの氾濫原になります。アマゾン群馬の森をつくる氾濫原は、 várzea (ヴァルゼア)と呼ばれるタイプの氾濫をつくる川 とigapó (イガポ)と呼ばれるタイプの川があり、水と土壌の質は異なります。アマゾン群馬の森では両方がみられる貴重な氾濫原です。また、氾濫に運ばれる植生栄養素と沈降の違いがあるので、構造と種の組成の違いが明らかに異なります。このような貴重な原生林の植物、動物、昆虫と多くの学者は調査で利用しています。

 

ベレンでは都市化により、森林面積は減少しています。1986年までに、ベレン市郊外では森林の597.5 km 2が伐採されました。それは市の面積の50%に相当します。1986年から2006年、つまり20年間、都市開発によってベレン市街でも211.2 km2の森林面積を失いました。この森林破壊は、年間平均21.13km2に相当します。現在、残っているのは369 km 2(31%)(Leão et al., 2007)になっています。

アマゾン群馬の森は数少ない比較的よく残っているベレンの大都市圏の森林の様子が保存され、それを構成するさまざまな環境での生態学的研究の場として期待されています。

 

これまで群馬県はアマゾン群馬の森に対して在北伯群馬県人会館兼ビジターセンターの建設費やその運営費を補助や、こども緑の大使を派遣し、県内の小学生が現地で植樹活動を行ってきました。

 その他①「東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト」(2004年(平成16)~2007(平成19)年度)国際協力機構(JICA)

②「草の根技術協力事業」2007(平成19)~2011(平成23)年度

③「アマゾン群馬の森における森林利用に係る覚書」2009(平成21)年度

この覚書に基づき「アマゾン群馬の森保全組織」が設立され、地元の方たちによる維持管理が行われることとなり、群馬県の支援は終了しています。

 

我々の活動と「東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト」が重なるところもありアマゾン群馬の森を利用させていただいた理由の一つでもあります。