野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

フキノトウ 春を告げる植物

2023-02-06 | 兵庫の自然

今年は1月20日から二十四節気の「大寒」。二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯。七十二候では「欵冬華(ふきのはなさく)」。欵冬(かんとう)は蕗(ふき)のこと。蕗の薹(とう)が出始める季節です。情報を見るとありました。

春の訪れを告げるフキノトウ=神戸市西区押部谷町木見(2023/2/4 19:05神戸新聞NEXT)

小さな春 フキノトウがひょっこり「春っぽい」 2月4日は「立春」=兵庫・丹波篠山市(2023/2/4 10:41丹波新聞社)

小石を押しのけて顔を出したフキノトウ=猪名川町広根(2023/2/3 05:30神戸新聞NEXT)

「ふきのとうの日」というのもあります。「ふきの(2)とう(10)」の語呂合せ。

「フキノトウ」は「フキ」の葉柄部分です。葉が出るよりも先に花茎が伸び、これを「ふきのとう」(蕗の薹)と呼んでいます。「フキ」は日本原産の野菜のひとつで、葉の柄も「きゃらぶき」などの料理として食用にされます。フキはフキノトウ、茎、葉の全てが活用できる植物で、平安時代には栽培が始まっていたといいます。

 

フキの名の由来については色々あります。

気に入っているのが国語学者、金田一春彦氏の話(「ことばの博物館」より)

「「蕗の葉」はかつてはおしりを「拭きの葉」だった」という説。

事実、愛知県では「おしりふきの葉は、軽く乾燥したものを沢山トイレの籠に入れておき使った。葉は採りたてより、少し乾燥したものが破れず目的に適っていた。(石黒の昔の暮らし)http://www.simoyokote.sakura.ne.jp/」のを見つけました。

フキが生活で身近な植物だったので、語源も多いようです。

 

 その愛知県。フキの栽培がおこなわれており、現在流通している品種の約7割が「愛知早生(わせ)ふき」といいます。明治時代、愛知県知多半島のある庄屋さんが自家栽培に成功してから、瞬く間に周辺地域に広まり、現在フキの出荷量は、全国シェアの約40%を占めているそうです。これは雌株だけで雄株ができないとか。

 フキは雌雄異株。雄株の雄花茎は雌株の雌花茎より低く、花が普通、黄色を帯び、雌花茎の花は白色~帯紫色。頭花に花粉を出さないと思われる両性花だけのものや、小数の雌小花が混じるだけのもあります。