Help [DVD] [Import] 価格:¥ 3,138(税込) 発売日:2007-11-06 |
以前のように加熱する事なくヒートランも完了して、納品日を迎えサウンドチェックや増設したMakeup Gainの事など一連の説明を済ませて帰宅したのですが、「片chにノイズがのる」との連絡を受けて急遽確認に向かいました。
現場で原因を探って行くと、どうやらU73b本体ではなくモニター系が高周波のPCノイズを拾っていたようで、モニターが拾うようなノイズはMakeup Gainで引き出したハイインピーラインに影響がないはずもなく気になって念のためお預かりで対応策を考える事となりました。
まず、元の状態に戻せる事を条件にMakeup Gainをoliverさんがモディファイしているようにモジュール内に設置するよう変更するため、リダクションメーターのzero調整をするinstr.を2軸2連のpotを使用してなるべく違和感のないノブを探し、ノブを外せばzero調整も可能なレイアウトに変更しました。
このラックにリダクションメーターは内蔵されておらず、使用するメーターは詳細不明なのですが「J-83」と呼ばれる専用のメーターで、現地テックから仕入れた情報でE99Fのシンメの調整(Bypassモードで調整します)に必要なためU373aで使用する1mAのメーターに抵抗を噛ませれば正確な表示ではありませんが、動作する事も判明したのでRパネルにメーター用のコネクターも増設してJ-83が見つかった際にも接続出来るようにしたのが幸いしてリダクションメーター回路も若干の修理を行いました。
上記の作業で、更にS/Nも向上して外的ノイズの心配も個人的にはかなり解消されました。
ラックに設置されていたトゥルーバイパススイッチは、既に除去してモジュールからXLRに直接結線していたので、スイッチだけ戻して作動しないのも何なので、Belden 1503で引かれていたオリジナルの配線は使用する事なくAPEMの4PDTスイッチとGOTHAMケーブルで新たに引き直しActive/Bypassスイッチも動作するようにしたのでオリジナルのBelden回線より音色も1グレード向上していると思います。
ラック内のACラインは見た目は「ゴツいシールド」がされているようで多少の変更で問題はないと思っていましたが、見えるシールドは見事に飾りで、スイッチまでのラインが220Vから100Vに変更されて電流量も増えた事もあり、頼りないオーディオ用の芯線だったので、Beldenの18AWGで引き直して念には念を入れました。
この2点の変更で大きな影響が懸念された外的スイッチング対策は万全となりましたが、後に判明した某プロショップに注文したXLRパッチベイ等の不具合で不正な負荷が掛かったのかTUBEや一部コンデンサの状態が怪しく補充のために輸入していたコンデンサも届いたので、最後にそれを交換してみたら音色の感じが見事にハマったので、2セット目のNOS TUBEに差し替えました。
これまで何十回と行って来たキャリブレーションも「これで最後」と、より念入りに行っていた所、長年同じ場所に留まっていたカーボンボリュームのワイプの所が凹んで微妙な調整をするとそこに戻ってしまうため、+6dB基準を+4dB基準にキャリブレーションし直して凹みを避けて多少の振動では戻らないように調整して、FパネルのThresholdでは約5dBの微調整、Makeup Gainは0~+12dB程調整が出来るようになっています。
この作業をもってU73bのオタク仕様ステレオマッチングプロジェクトは全て完了となりました。