プラダを着た悪魔 [Blu-ray] 価格:¥ 2,500(税込) 発売日:2010-07-02 |
すっかりお馴染みとなったNeumann W444staですが、入荷品の中にちょっと変わり種があったのでご紹介します。
一口にW444と言ってもmono/stereoを始め、製造時期によってアンプやトランスの仕様が違う様々なversionがありますが、このフェーダーは一見するとver.2としている中期メタルノブのFパネルを赤く塗装したものと思いきやアンプカードは初期型のOA12、それも初期型のものはアルミケースなのですが、OA12でも少々様子が違います。
PCBも通常の生産ラインで生産されたものはレジストがしっかり掛かっていますが、これはレジストもなく生基板でハンダの技量や配線の取り回しも一枚上手でただならぬ雰囲気が漂っています。
一旦気になると、どうしても知りたい性分で色々調べてみた所、W444の現行品がMO6アンプカードの時代に欧州のある有名スタジオがOA12指定でカスタムオーダーしたフェーダーだと言う事が判明しました。
初期型との違いは前述のレジスト、OA12の他に、TALLYスイッチがオリジナルはソレノイドスイッチでリレーを動作させているのに対して(コネクタの両脇にある基板がリレー基板です)、カスタム版は2個のマクロスイッチでパッシブ的にTALLYを出しています。その他、GNDの取り回しに若干の変更がなされているようです。
MO6版と比べるとOA12版の高域は特筆すべき音色ですが、その反面MO6版の充実した中低域に比べると太さや厚みの点で少々物足りなく感じる事も、、、その点カスタム版は製作スキルによるものか再生産されたOA12によるものかは定かではありませんがそのバランスは絶妙に思います。
Fパネルが赤いだけの通常生産品もあるようですが、赤いW444をお持ちの方はcustom madeの証であるシリアルの"930"と内部の構成を是非一度ご確認頂き該当するようであれば紛れもなくこれが最高のW444staです。
この機種は特に多くの個体を扱って来ましたが、これは悪魔に魅入られたように惚れ込んでしまいましたので、勝手に「Red Devil」と命名します。