366日空の旅―かけがえのない地球 価格:¥ 3,990(税込) 発売日:2004-01 |
1960年代半ば、Telefunken U373aと同時期に製作された双子のSiemens U273bです。これの初期モデルにSiemens U273と言うのがありますが、これは1960年に世界で初めて『solid state compressor』として発売されました。それは、後にNEVE 2254の開発に多大な影響を与えたという事になっているようです。
さて、フロントパネルを見るとU373aと同じコントーロールノブで構成されていますが、こちらはゲインリダクションメーターがモジュール内に装備されています。
内部のパーツ構成を見るとU373aとほぼ同じなので基本設計は共有していると思われますが、サウンド面ではTelefunken と Siemens それぞれの目指す方向性と言うか主張が若干違う仕上がりとなっています。U373aが『派手』で『攻撃的』な印象に対して、U273bは『太く密度が高い』印象で若干高域は(意図的に?)ロールオフしている感じがしますが、より真空管寄りな印象があります。その印象はV676 vs V276 や W395 vs W295等のPre / EQでも似たような印象がありますので、真空管のシミュレートをトランジスタで極めようとしたSiemansに対して、より新しいトランジスターアンプの可能性を目指していたTelefunkenと言った印象を持ちます。
前回に紹介したフォーラムにもありますように、U373aのトランジスターは非常に壊れ易く、NTE等でも代替品の入手が困難なのでステレオペアでの使用を可能にするにはDIY Projectでは手に負えません。その一方U273bは割とトラブルフリーで最初に入手したペアがステレオで使用出来るような物であれば、それほど気にせず使用する事が出来ます。U373aの流通量はマイクプリやEQと比べると極端に少なくステレオペアで使用出来るような程度の良い物の入手は非常に困難ですが、それにも増してU273bはレアなので、もし見かけた際には迷わず『買い』です。この2機種よりも『音が良い』とされているオリジナルのU273は最近海外のオークション等で見かけますが、NOSパーツを大量に在庫するドイツのテックも修理には苦労しているようですので、購入の際は現状のコンディションに注意した方が良いと思います。
実際の結線は前回のU373aと同じくIP/OPライン / Stereo Link それにPSUをつなぐだけなので簡単に終了します。ピンアウトはこちらで、コネクターはTuhcel 13 pinです。 使用法はU373aと同じ方法をお勧めしますのでこちらを参考にして下さい。