German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

渾身のre-cap - U48 / V76s

2014-02-16 01:49:47 | vintage gear
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価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2007-03



年明けから想定外のイベントに忙殺されたりで久しぶりの更新となってしまいました。


日頃から懇意にして頂いている方の所有するゴールデンコンビ(Neumann U48Tab V76s)が諸事情により長期間通電されなかったようで、U48は音が出なくなり、V76sは音は出るものの電解コンデンサが液漏れを起こしていて、その影響でいくつかのフィルムキャップが残念な状態になってしまっており、どちらも特別に愛着がある機材をお譲りしたので採算度外視で渾身のリキャップ作業に集中していました。


U47_528_4U48の故障原因は不明ですが、2つある0.01ufが全くの容量抜けしてしまったようでストックパーツに全く同一のNOSパーツがあったので交換した所、正常に動作して安心したのも束の間、音色の要の0.5uf電解コンデンサもリーク気味になってしまい予備用の同マイクから移植してみたり、NOSパーツで暫く通電して様子を伺っていましたが、最終的には秘蔵のPIOコンデンサをどうにか納めて完了となりました。


PIOコンデンサはシリアル#400以下のラージバッジU47にも使用されているだけあって電解コンデンサとは比べ物にならない程の滑らかさと深みがある音色です。


ラージバッジU47とはトランスが違うU48なので、前者の「渋さの塊」的な音色よりモダンな感じはしますが、ほぼ未使用のVF14をバーンインしてから納品したマイクなのでノイズフロアの秀逸さも際立ち納得の仕上がりとなりました。

1ufもPIOに変えたい衝動に駆られますが、スペースやレイアウトの関係でオリジナルの電解コンデンサのままになっています。


V76s_orgcaps2次にV76sですが、製造から50年余り経過しますが全てオリジナルのコンデンサ類で良くぞここまで問題なく稼働してくれたと言った印象でしたが、外してみると電解は全て液漏れが発生していてESRや容量もチェックしてみると音が出ていたのが奇跡のような状態です。


NOSではありませんが程度の良い中古パーツもストックしているため、それを使用してのリキャップも考えましたが使用状況を察すると日常的に通電される訳でもないようなので安全策の観点からも新品パーツで限りなくオリジナル版に近いトーンを再現するべく、他にもリキャップすべき時期に差し掛かっているV76sがあったのでパターンの違う2種類のチョイスとフルオリジナル版の3台を聴き比べながらの作業でしたが2種類のチョイスがそれぞれ甲乙付け難い良さもあって、正直な所、未だ迷っている箇所もあります。


V76s_recap12近年評判の高いASCなどは、クッキリ高解像度な印象で16KHzにLPFが設定されている"s"typeにはエンジニア的には使いやすい印象の高域感があり、オールドタイプNOS品のEROは高域の解像度は僅かに下がるもののクリーミーな印象で非常にV76sらしい音質に好感が持てます。


その一方、オリジナルと全く同じWIMAに付け替えると、前述の2つと比べると思っているV76sらしさとは全くかけ離れたようなサウンドで意外な印象、、、経年変化のなせる技と解釈するも再び50年エージングするのも余りにも気の長い話になってしまうので画像のパッケージで納品して使用感など伺いながら調整が必要なら可能な方向性であれば対応させて頂く事にして様子を見ようと現在ヒートラン中です。


 

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