German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

NEVE 33115 AL 1U ラック

2021-05-10 23:42:00 | Metal work

今回は1x NEVE 33115を1Uにラッキングするご依頼を頂きました。

Neumann W444sta等のDannerモジュールも1Uに収めるリクエストが多いのですが、44mmのラックに40mmのモジュールを収めるには上下2mmの余白を残してフロントパネルを開口するため、既存の1Uラックでは撓みや歪みが出てしまいモジュール自体が構造体となって「曲げ負荷」が掛かるような結果になるため、オリジナルSUSラックの製作に至り、在庫があればNEVE33608用と同寸なので流用も可能なのですが、残念ながら完売で上記の理由から1Uのラッキングはお断りして来た次第です。

Neumann Summing Mixerのサブラック(6U)の際に使用したSchroff社製のラックですが、当時から気になっていた1Uバージョン(有効高35mmのためDannerには使用出来ません)を35mm幅のNEVE33115で採用させて頂きました。

カタログによるとF/Rパネル+サイドフレームassy.と天板・底板、内部の構造材等を個別に選択するシステムで、ラックとして完成させるには通常使用するアルミ汎用ラックの倍近くの価格になってしまいますが、さすが欧州の業務用ラックとして多くのメーカーに採用されて来たラックらしく痒い所に手が届きます。

V475V472等のユーロカードには専用のレール&コネクタープレートもあるようで、気に入ったので自己使用のV472ラックも新調しようと考えています。

 

肝心なNEVE33115ラックの仕様ですが、FET D/Iとフェーダー ポイントでのボリューム調整、+48V付きトロイダル+3端子の内蔵電源を搭載した実戦仕様のラックに仕上がりました。

 

内部配線はNeumannモジュールはBelden88761等のテフロン線を採用する事が多いのですが、NEVEの場合は中途半端に明るめ方向に傾きモジュールの本来の良さがスポイルされるような気がするので、超定番の8451を使用しています。その代わりと言っては何ですがハンダはこだわりの逸品で仕上げてあります。

その他のこだわりポイントは、ケーブルの方向性を揃えています。ケーブルに指定の方向性はありませんが、信号の流れを意識して同じ方向性に揃えると予想外の効果があるような気がします。短くなって外皮の印字がなくなった場合や、逆方向に印字されたケーブルも存在して意外と手間がかかりますが、初期の頃にお客様からリクエストされて予想以上に好印象だったので、それ以降は全てのラックに採用しています。

 

内部は現代の機材からするとスカスカに見えますが、バラック配線で測定しながら配置を調整すると、良いと納得出来るレイアウトは本当に限られていて、10mmずれると様々な事が影響・干渉して全く違うアンプになってしまうので、空きスペースも決して無駄なスペースではありません。

納品してからおよそ1ヶ月が経過しようとしていますが、気に入ってご愛用頂いているようですので、今後も末長く可愛がって頂ければ幸いです。