bobble(ボブル) BOBBLE-BABY フィルター付きウォーターボトル 385ml ブルーラベル 2121 価格:¥ 1,150(税込) 発売日:2012-04-16 |
Neumann黄金期のカッティングデスク SP-79にRV75やOE DUOなどと共にインストールされていた、ハイ/ローパスフィルターのHT75です。
回路構成はディスクリートではなくMC1741SCまたはLF356Nを使用したステレオ構成のアンバラ回路で電源は±15Vで動作します。
HPFは Bypass / 40 / 63 / 80Hz、LPFは Bypass / 16 / 12.5 / 9 / 6.3KHzとマスタリングには非常に便利そうなカットオフポイントですが、Bypassは他のNeumannモジュール同様にトゥルーバイパスではなくアンプ2段を通過します。
このモジュールは某メジャーマスタリングスタジオの方からラッキング依頼を頂いたモジュールのうちのひとつで、内部にはLF356Nが使用されており、基本的な音色は「硬くない」滑らかな感じで、ディスクリート/トランスバランスで構成されたようなサウンドと比べると低域の充実感はややあっさりした感じはありますが、動作電圧が高い分ピークマージンにも余裕があり、何よりも貴重なタンタルや積層フィルムコンが多用されていて黄金期のNeumnnらしく非常に楽しく音楽を聴かせてくれます。
試しに、1st.チョイスであるMC1741SCに差し替えてみた所、絶妙なビンテージ感は更に増し現役時代を彷彿とさせるアナログサウンドが蘇ります。
ピークマージンの高さやHPFは、自宅DAWで録音され小口径モニターで野放しになった低域やレベル喰いを聴感上の低域ロスをさほど感じさせる事なく減衰させ、滑らかな印象のLPFは刺激的すぎる高域を巧みにコントロールして中域を浮かび上がらせ、アーティスティックな方向に傾き過ぎた作品でも上手くまとめ上げ、より高いレベルの商品価値を持つ作品に仕上げるプロセスに寄与するように思います。
次に、このモジュールやいくつかのSP-79用モジュールはアンバラなので、ノックダウンして使用する際にPe Stereo、W495stbやW491Aの出力のように「アンバラ接続禁止」のモジュールと混在させる場合は様々なコンフィギを想定して安心して結線出来るようトランスバランスにするのが適当だと思われます。
ダイアグラムを確認するとデスク内ではアンバラで使用されており特に入出力にトランスを抱かせるようにはなっておらず指定トランスもありません。
ポピュラーなICなので、適当な1:1のブリッジトランスで問題ないと思いますが念のためカッティングデスクに詳しいドイツ人テックに尋ねた所、RV75の入力トランスに指定されているT-1347がベストである。との結論に至りました。
T-1347はRV75をバランス化するために長年探し続けている汎用ブリッジトランスで、NeumannやTeldecコンソールの要所要所に使用され「隠れた音色の要」になっているものですが、未だかつて市場で見掛けた事がありませんが、何が出て来るか楽しみにしていて下さい。
ピンアウトはこちらになります。
余談ですが、シングル8ピンのICなのでRV75の回路のあっけなさにガッカリしたハイエンド系の方々などが"BB"等に差し替えておられるようですが、そういったサウンドを求めるのであれば、あえて古いモジュールなどを使用する必要はないのではないか?と思うのです。そもそも0.5dBステップのRV75なんぞ家庭でどのように有効利用するのか?皆目見当がつかない訳ですが、、、(笑)
古いNeumannモジュールに関しては設計時に指定されているオリジナルのICが音色も音楽も正しくバランスするような気がします。