German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

RFT MV 810/2 - Mikrofonvorverstärker

2010-12-24 02:46:32 | vintage gear

顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2007-08


Mv81021945年9月に設立されたKölleda社は、当初無線機器やランプ等を製造していたが、1951年に東独のNeumannと言われる『RFT』Veb Funkwerl Kölledaとなり業務用音響機器や通信事業で一世を風靡する。1991年には冠のVebをHörmannと変え、2001年には現在の『funkwenk kölleda』となり今に至る。

『RFT』ブランドにはアンプの他に、Neumann U47 tubeと同じダイアフラム M7を使用したCMV 563、UM57やスモールダイヤフラムのMV691、692等のマイクがあるが、M 7やSM-23c等に使用されているニッケルダイヤフラムの基礎を開発したのはGeorg Neumann & Company Gefell社 in ベルリンで有名な西独Neumannは後に設立された会社なので傍流にあたる。

Mv8102_rearそのGeorg Neumann & Company Gefell社とRundfunk und Fernsehtechnisches Zentralamt RFZ" は1961~1981年の長きに渡り密接な協力関係で、そのRFZが特別にVeb Funkwerl Kölledaのために設計製造したアンプがこのMV 810シリーズで、後に改良が加えられMV810/2となる。

Mv8102_inner2このアンプの製造過程の丁寧さや音色等の秀逸さからみても、当時3社の協力関係は想像以上に緊密であった事が容易に判断出来る。

MV 810/2は、RFZ V740/1cyのシャーシを基に製作されているので外観は良く似ているが、内部の工作精度は東独の曖昧さは全くと言って良い程なく非常にキッチリ製作されている。

Mv8102_inner3その甲斐あってか、サウンドは非常に"Rich and Warm"で、高域の滑らかさも抜群で、東側独特の統制の取れた落ち着いたサウンドとは意外にも対極にあり、独特の質感を持つNEVE等に勝るとも劣らない輝きのある主役級アンプで、マイクプリとして設計されたMV 810シリーズは東独RFZ/RFT系の真打と言える。

Mv8102_innerフロントパネルには、-20 / -30 / -40 / -50dBのPADと20~60dBまでの5dBステップのGAINのみで、MICからLINEまで幅広い入力に対応しており、IN/OUTは共に大型のトランスが使用されたバランスアンプである。

Vvg829_rear動作は東側お約束の-24VDCで、NK830/2 (PSU)とVVG829 (RACK)と言う専用のシステムラックも用意されており、コネクターはV740/1cy同様、Tuchelに似た8-pinコネクター、PINOUTはこちらです。

 

 


TAB W390 - Aktiver Flachbahn Pegelesteller

2010-12-11 00:19:46 | vintage gear
And She Closed Her EyesAnd She Closed Her Eyes
価格:¥ 1,139(税込)
発売日:1994-03-23


W390_1"King of Tube Mic Pre V76"でお馴染みの独TAB社 アクティブ ステレオ フェーダー W390です。

アクティブ ステレオ フェーダーと言えば、優れた音質と測定器並みの工作精度で人気の独Neumann W444staが有名で、W444staも初期のディスクリートオペアンプ OA12を使用したタイプや中後期のMO6を使用したタイプまで様々なバージョンがありますが、音質は初期のOA12に若干ですが軍配が上がります。

Neumann製品の場合、完璧なまでに統制の取れた製造過程でモジュールの信頼性等は製造から30年以上経過した今でも抜群の安心感があり非常に頼もしいのですが、その極度の潔癖性とも感じられるポリシーが音質等にも多少反映されているようで『完璧過ぎて物足りない』と感じる事も稀にあります。

W390_bottomそこで、このTAB W390の登場となりますが、このモジュールは基本回路やHAUFE製のトランスはW444staほぼそのままに心臓部のOA12を超広帯域(30Mhz)を誇るNTP 179-120TAB W372S等で折り紙付きのディスクリート オペアンプ M100に置き換えることによりTAB / Telefunken等のサウンドイメージに近づけて、豊かな倍音や独特の中域を巧く再現しています。

W390_inner動作は+24VDC、コネクターはT-2701でピンアウトはW690st-DW444staと完全にコンパチブルで、W444staをお持ちの方も出力トランスセカンダリ側のジャンパー(2-23、10-16)を結線すれば、そのままご使用頂けるので、是非とも一度差し替えての試聴をお勧めします。2012/12/13 一部訂正、追記


2010/12/20 追記
W390aと言う良く似た型番がありますが、"a"が付くタイプはディスクリートではなくICベースのフェーダーです。
V672同様、類似の型番でもサウンドは別物ですので購入には充分ご注意下さい。

2012/12/14 追記
出力トランスのシリーズ接続のインピーダンスに関して、手持ちのモジュールでは<200Ω(実測)となりますが、別のご意見も頂きましたのでコメント欄もあわせてご覧下さい。


いつもご落札頂きありがとうございます。 出品中の機材はこちらです。


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