古くはEckmiller O15やSchulz TH-315等の流れを汲む同軸2wayのパワードSP musikelectronic geithain RL-906です。
ドイツ公共放送連盟の統一標準モニターでもあり、坂本龍一さんも好んで使用されている影響もあって自宅DAW環境ではお馴染みの機種です。
構成は130mmコーン/25mmドームを、それぞれ30W/15Wの内臓アンプで駆動する(ほぼ)同軸2way SPで、低域 / 高域、300Hzに加えレベルコントロールが無段階で調整可能となっているのでGenelec等のDIPスイッチで調整するタイプより細かな調整が可能です。
画像からはサイズ感が伝わりにくいのですが、かなりコンパクトで板材や加工精度から醸し出す高級感はただならぬ存在感を漂わせているのですが、価格もペアで45~50万に迫る高価格帯SPです。
そのサイズからは予想外の音場の広さとリアリティを兼ね備え、同軸ならではのピンポイントの定位感に加え、セッティング次第でモニター的にも観賞用としても価格以上のパフフォーマンスを発揮します。
良い録音は良い音で、悪い録音はそれなりに。
悪い録音でも良い演奏はしっかりと聴かす。
コンシュマー用SPのように偶然の産物で「悪い録音がよく聞こえてしまう」ような間違いは一切ありません。
(ほぼ)同軸に加え、他に特徴的なのは通常背面や前面に配置されているバスレフポートがこの機種は上面に配置されているので、狭い日本家屋では壁から離して設置するのが難しい場合でも比較的SP背面の距離には寛容です。
業務用のパワードSPで主目的はスタジオでのモニターなのですが、流石にコンソールに乗せて爆音でモニターする程の余裕はなく、Genelec1031やNS-10Mの代替としてならRL-904の方が適していると思います。
一方、自宅スタジオ等の爆音を出せない環境では適度のドライブ感も伴って気持ちよく鳴りますので人気の理由も納得出来ます。
ただ、大金をはたいてポンと置いて良い音がするかと聞かれれば、、、
部屋の状況に応じたセッティングと調整にはそれなりのスキルが要求されるので、目が醒めるような鳴り方をさせられるかどうかはオーナーの腕次第、これをメインSPとしてより蝶ダンパーやフィールドSP等を好んで使用されている方にサブシステムとして是非ともお試し頂きたいSPだと思います。
イメージとしては、サイドに吊り下げ用のスレッドがあるのでベッドルームのBGM用に見えないように設置する超高級「BOSE 101」的な感じで使えるようになりたい筆者です。