German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

musikelectronic geithain RL-906

2018-11-28 18:00:45 | New Products

古くはEckmiller O15やSchulz TH-315等の流れを汲む同軸2wayのパワードSP musikelectronic geithain RL-906です。

 

ドイツ公共放送連盟の統一標準モニターでもあり、坂本龍一さんも好んで使用されている影響もあって自宅DAW環境ではお馴染みの機種です。

 

構成は130mmコーン/25mmドームを、それぞれ30W/15Wの内臓アンプで駆動する(ほぼ)同軸2way SPで、低域 / 高域、300Hzに加えレベルコントロールが無段階で調整可能となっているのでGenelec等のDIPスイッチで調整するタイプより細かな調整が可能です。

 

画像からはサイズ感が伝わりにくいのですが、かなりコンパクトで板材や加工精度から醸し出す高級感はただならぬ存在感を漂わせているのですが、価格もペアで45~50万に迫る高価格帯SPです。

 

そのサイズからは予想外の音場の広さとリアリティを兼ね備え、同軸ならではのピンポイントの定位感に加え、セッティング次第でモニター的にも観賞用としても価格以上のパフフォーマンスを発揮します。

 

良い録音は良い音で、悪い録音はそれなりに。

悪い録音でも良い演奏はしっかりと聴かす。

 

コンシュマー用SPのように偶然の産物で「悪い録音がよく聞こえてしまう」ような間違いは一切ありません。

 

 

(ほぼ)同軸に加え、他に特徴的なのは通常背面や前面に配置されているバスレフポートがこの機種は上面に配置されているので、狭い日本家屋では壁から離して設置するのが難しい場合でも比較的SP背面の距離には寛容です。

 

業務用のパワードSPで主目的はスタジオでのモニターなのですが、流石にコンソールに乗せて爆音でモニターする程の余裕はなく、Genelec1031やNS-10Mの代替としてならRL-904の方が適していると思います。

 

一方、自宅スタジオ等の爆音を出せない環境では適度のドライブ感も伴って気持ちよく鳴りますので人気の理由も納得出来ます。

 

ただ、大金をはたいてポンと置いて良い音がするかと聞かれれば、、、

 

部屋の状況に応じたセッティングと調整にはそれなりのスキルが要求されるので、目が醒めるような鳴り方をさせられるかどうかはオーナーの腕次第、これをメインSPとしてより蝶ダンパーやフィールドSP等を好んで使用されている方にサブシステムとして是非ともお試し頂きたいSPだと思います。

 

イメージとしては、サイドに吊り下げ用のスレッドがあるのでベッドルームのBGM用に見えないように設置する超高級「BOSE 101」的な感じで使えるようになりたい筆者です。

 


Active Relay Bypass Unit - ARBU

2014-09-26 14:08:25 | New Products
BypassunitAL RACK for 6 x Danner Modulesを納品させて頂いた方から、当該ラックに使用されているリレーバイパスを気に入って頂き、6 x Stereo + NTP 277-400のバイパスユニットをご注文頂き製作していました。

BypassunitinnerfrontDanner Rackの際にリレーPCBは最短配線でXLRに直付けでしたが、今回は2UでXLRも横に16個並ぶXLRパッチベイではお馴染みのユニバーサルピッチのためサイドのクリアランスも厳しいので4ch分のリレーを1枚のPCBに納め、2芯シールドで配線してあります。

操作性の向上のために8mmサイズのEAOスイッチをW482stなどで使用されている18mmタイプに変更して、空いたスペースにNTP 277-400 ピークメーターを配置しました。

Bypassunitinnerrearコンフィギはメイン入力から A-B-C-D-E-F Insertポイントを経てメイン出力されるタイプで、EAOは"OFF"Bypass="ON"Activeになっており、277-400はメイン出力を監視するようになっていますが、本線とアイソレート出来るように8mmタイプのEAOで「METER OFF」機能も備えています。

277400dip1「METER OFF」機能の他にも「入出力」を切り替えて監視するタイプにも若干の配線変更で対応出来ます。

その他、277-400のスケール切替、パワーON時のFAST/SLOWプリセットを設定出来るようにDIPスイッチを配してあります。


マスタリング等で、いくつかのコンプやEQを切り替えたり、多くの機材を所有されている方にもケーブルを差し替える事なくスイッチひとつで使用する機材を選択出来ますので便利なラックだと思います。




private system - Reconciliationも未だ完成しない中、今回も久し振りの更新となってしまいましたが、ひとつ残念なお知らせがあります。

大手NTTのBLOGと言う事で、備忘録も兼ねて一番長持ちしそうなBlogzineで始めたGerman Vintage Moduuleブログですが10月末日でBlogサービスを休止するとの一報を受け取りました。

引っ越しツール等での引っ越しが上手く行けば、そちらで再開しようと思いますが試行錯誤の最中ですので、ひとまずこのURLにての更新はこれが最後となります。



2008年から長きに渡り多くの方々のご愛顧頂き誠にありがとうございました。





 


private system - Reconciliation

2014-06-30 03:58:01 | New Products
更新を2ヶ月もサボってしまったにもかかわらず毎日沢山のアクセスを頂き誠にありがとうございます。

今回はNS424の記事の終わりの方に登場したお客様から昨年8月にご注文頂いたprivate systemなのですが「いつまででも待ちます」と言われた事を良い事に、ほぼ1年が経過しそうにあります(汗)

コンセプトは

1)機械に詳しくない女性でも配線出来る。
2)CD + アンプ + スピーカーのみのコンパクトなシステム。
3)ハイエンドシステム嗜好のご主人も興味を持つような構成や拡張性を有して超高価なシステムを違った意味で凌駕する。

操作性を最優先とした業務用のレイアウトは機能面から追い込んで行くとなるべき形に落ち着くのですが、女性向けのデザインを意識すると妙な方向へ迷走してしまい思わぬ時間が経過してしまいました。

その間も数十パターンのレイアウトをご覧頂き貴重なご意見を賜った訳ですが、最終的には業務用のレイアウトに準じたパターンの方が好印象だったのは意外でした。

とは言え、、、

無骨なラックが「スタルク」の椅子やソファーと共存しても違和感のない佇まいになる訳もなく、まだまだ終わりそうにありません。

中身はW444staを入力バッファにしてADをCS5340、D級パワーアンプDDX-2160に加え、DSP DDX-8001で色々コントロール出来るようにした新旧融和のハイブリッドシステムにしようと考えていますが、日頃スピーカーと向きあって仕事しているので目の前に存在感のあるスピーカーが鎮座しているのは感心しないのでバーチ材の断面を活かすような積層型のエンクロージャーを考えたり却下したり、、、

「スタルク」の空間に「ロイド」が迷い込んだみたいで、それならいっその事B&Oで良いのではないかと(笑)


インテリア オーディオ


ホント難しいです。


Phantom Power Supply for V76 - THE RAMP 

2012-10-22 01:41:22 | New Products
新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2011-10-25



Slow_ramped_psuTAB / Telefunken V76シリーズの内蔵用に採用していたPhantom電源 PWS-04a/PHですが、Ver.2に刷新されてV76との相性が少々怪しくなってしまったのでP社アンドリューさんの回路を始めいくつかの定評のある回路を実際に検証してオリジナルPSUを製作しました。

Slowramp48_2LM317HVTベースの定電圧回路にPNPトランジスタを使用してON/OFF時に180sec以上のRamp Timeを持たせ、V76以外の+48V MIC用PSUとしてもMIC/PRE共に優しいPSUとなっており、生音のピークや持続的な音源にも柔軟に給電可能な設計となっています。


GVM PSMA-1 - Passive Monitor Control Unit

2010-04-16 01:29:52 | New Products
Passive AggressivePassive Aggressive
価格:¥ 1,866(税込)
発売日:2005-06-06


Psma1German Vintage Module 初の全て新品パーツを使用した、入力、モニターモード切替付きのMIXモニター用バランス回路ボリュームコントロールユニット PSMA-1です。

IRC (International Resistive Company) の0.1%抵抗 RC55LF-Dを使用していますので、MONOモードでLch - 位相反転スイッチをONにするとセンター定位させた楽器(歌)は全く聴こえなくなるような精度で、面白がって聴いているうちに今まで聴き慣れていた音源のエフェクト等も新たな発見があります。

ELMA 04 Typeロータリースイッチ

1)4系統までの入力切替
2)入力インピーダンス10KΩ(同04Type低トルクの24接点、入力インピーダンスは任意の値で製作可能)
3)STEREO、L-R SWAP、MONO、MUTE、L-MONO、R-MONOのモニターモード切替

C&K 7000トグルスイッチ

1)Lch - 位相反転(モーメンタリ)
2)DIM

Neumann W482stにあるファンクションはL-Rバランス調整とDIM時の音量調整を除いて全て装備しています。

Psma1ME Geithain RL-906用に特化したコントロールユニット製作の依頼から始まったプロジェクトですが、肝心なアッテネータはH型を始めL型からP型まで考えられる方法は全て試しました。抵抗は必要な抵抗値を揃えるのが結構大変で、お馴染みDALE RN60DとIRC RC55LF-Dの2種類となってしまいましたが、どちらも甲乙付け難い魅力があります。

ブラインドテストで最終的に採用となったのは、驚愕の精度 IRC RC55LF-Dを使用した、予想外のP型で、23本の抵抗を通過しても10Ωと違わない完全なバランス回路用アッテネーターです。(10KΩのステレオバランスアッテネータとして、ちょっとした録音にも、U373a前段のアッテネータ等にも使用出来ます。)



Elam3x04一般的に多くの抵抗を音声信号が通過するP型より、どのポジションでも2本の抵抗しか通過しないL型の方が音の鮮度が高いと言われていますが、果たしてそうでしょうか? 理論的にはその通りだと思いますが、実際に試聴してみると片側だけGNDに接続されている抵抗が10個、20個、、と増えて行くと不思議な事に音色や演奏のノリも次々に変化して行きます。P型の場合は減衰率が高くなる程に通過する抵抗の数も増えて行きますので確かに音の鮮度は多少濁って行きますが、音楽の表情やグルーヴは、ポジションによってL型程には変化しないような印象があります。(コンプレッションの量に関わらず音色が一定なコンプが不自然に感じるのと少々似ています。)

Psma1ampexH型は確かに出力インピーダンスが常に固定されるので動作的には理想ですが、ただでさえ高いパーツ原価が約2倍になってしまいますので、下手にケチってブリッジ型H-PADにするより、600Ωでもないし、10KΩハイ受けなので無理に出力インピーダンスを固定する事もないとの結論で見送りました。どうしても固定したい場合は最終段にトランスを経由するオプションもあります。その他、抵抗の足も表面の被膜を磨いてからハンダ付けしたり、全てのケーブルは方向性も揃えて使用する等、通常の作業より手間と時間を掛けて製作した作品です。


インピーダンスの問題のみではなく最終段にトランスを経由するオプションは音楽的にも好印象で、MONOポジションのレベルも固定出来るので個人的にはお勧めですが、組み合わせるアンプやSPとの相性、好み等でトランスレスの方が良好な場合もあるかと思います。


10数年前にLAの某スタジオで、そこでMIXしたCHICAGOの曲を聴かせてもらった事がありますが、説明を聞くためにボリュームを絞った際に単に音量が下がったのではなく、ラージモニターから再生されているにもかかわらず、あたかもNS-10Mで再生されているかと錯覚するようなスケール感も上手くコントロール出来るモニターを思い出しました。そんなモニター環境を実現させるPassive Monitor Control Unitです。

録音のための機材も重要ですが、どのような音質やバランスで録音されているか、また演奏の良否等が感覚的にわかりやすく判断出来るモニター環境はそれ以上に大切ですね。




いつもご落札頂きありがとうございます。 出品中の機材はこちらです。

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