WSW社(Austria Siemens)のリミッター・コンプレッサーです。
ダイオードブリッジ方式のリミッター・コンプレッサーとしてはNEVE 33609が有名ですが、こちらも同じ方式のモジュールです。
33609は19インチの機材らしくPSUからMakeup gainまで一体型となっていますが、こちらはコンソール内蔵用モジュールなので動作には別途+24Vの電源と+50dB程のブリッジアンプが必要になります。
ブリッジアンプはWSW811403が推奨になっており、このアンプを抵抗またはトランスで分岐して設置する必要があります。
811403以外のアンプでも試しましたが、45dB程度のゲインがあれば問題なく動作するので、お客様の希望もあってインサートポイントを設置し差し替え可能にしてキャラクター設定を変更出来るようにしました。
同世代のU373aやU273bはキャリブレーション次第で+4dB環境でも使用可能ですが、こちらはコンソール内の基準レベルが-9dBになっており調整幅も少ないため通常の+4dB環境で使用するには-15dB程の入力PADとブリッジアンプとは別に+10〜20dB程度の出力用makeup gain ampも必要になります。
これらをまとめたアウトボード型AIOモデル(WSW601431A)も存在するようです。
ファンクションは、入出力が逆連動したゲイン設定、リリース(0.1/0.2/0.5/1/1.5sec)、Knee設定(K1ハード〜K4ソフト)のみで使いこなしには若干の慣れが必要となりますが、モジュール同士の相性が良ければStereo Linkにも対応しています。
音色傾向はWSWらしくマイルドな高域で野太いサウンドですが、コンプ感はなかなかマッシブで一言で表現すれば「ソフトに過激」です。