思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

2か月連続ホーボージュン

2009-05-24 02:00:04 | 他人の旅話

20日(水)に遡るが、その夜、東京都渋谷区のパタゴニア東京・渋谷店で行なわれた野外行動者の旅話を聴く「スピーカーシリーズ」の、ライター・ホーボージュン氏の「サスライのススメ2」を聴きに行ってきた。本ブログ2007年6月9日の投稿で触れた南米・パタゴニア話の続編のような感じの催しだった。

で、今回は「世界最南端のトレイルを歩く」というテーマで、前回同様に今年初め(の夏季)に再訪した南米・パタゴニアの、一般的には陸路で世界最南端と言われるフエゴ島のウシュアイアやプエルト・ウィリアムスよりもさらに南に位置するナバリノ島に、ほとんど貨物用のようなフェリーで渡って、南極以外では人類が最も南に行ける最果てのその島をみっちり歩いてきた、という旅のスライドショーだった。
ナバリノ島というと、関野吉晴氏が1993年に「グレートジャーニー」のスタート地点に設定したり、96年に新谷暁生氏がホーン岬を冬季にシーカヤックで回航したり、という世界レベルの探険的行為ではなんとなく聴いている島だが、そこに日本人が個人レベルで歩き目的で行った、その話を出す、というのはたしかに珍しいことだと思う。

ジュンさんが時折寄稿している雑誌『BE-PAL』の「OFF THE ROAD」で今月発売の09年6月号からこの旅の短期集中連載が始まり、この歩いた道を「fin del mundo(フィン・デル・ムンド)」とスペイン語読みで表記している。英語読みでは「END OF THE WORLD」となり、つまり「世界の終わり(終わるところ)」という意味になる。意訳すると、まさに最果ての地、ということか。

今回は80名弱(※)の聴衆を前に喋りはそこそこにとにかく写真をスライドショーで多く見せて、連載でも当然すでに使っている写真もあり、おそらく7月号以降でも出てくるかなり貴重な写真の数々を見た。まあ島の現況や(踏み跡がなかったり滑落の危険もある箇所もあって単独行では結構しびれる)踏破した道とその風景など旅の詳細は、今後の連載を読んで知ることにしよう。
スライドショーのなかで珍しくアルゼンチン・チリ国境の政治的な話のようなややお堅い話も出していたが、それも今後の連載に反映しているのだろうか。まあわざわざ飛行機乗り継ぎ乗り継ぎでパタゴニアに行くのが今回で4回目と、この地域にかなりはまって詳しいひとが書くのだから、内容に間違いはないだろう。
まあこれも連載で触れるだろうが、日本を経ってから飛行機・フェリー・徒歩でナバリノ島の南緯55度6分の最南の地点に達するまでに12日かかったのだそうだ。

今回もスライドショーの最初と最後に動画ではないが過去から現在のジュンさんが旅で撮り溜めてきた写真を多用してMacで作成した掴みのスライド集のようなものが秀逸で、ここ数か月は31日(日)の報告会主催の影響でこういった旅話を披露する報場の手法について少し気を付けて勉強している身としては、ああなるほどこういう見せ方もあるのか、キザだけど本心をストレートに出すにはこのくらいカッコイイ演出も必要なのかな? とまたもや唸った。
今回の「サスライのススメ2」は仙台・名古屋・神戸にも巡回するので、この画像にまずやられて刺激を受ける旅人はより増えると思う。

最近のジュンさんの人気によって定員80名の予約申込はすぐに埋まったそうで(僕も最後の1、2人のところに滑り込みセーフだったくらい)、実際の会場にも僕以上のジュンさんのファンや旅道具マニアもいたかな。
今回は国外の放浪旅やトレッキングが未体験の若者が多く聴いていたということもあり(僕のように一昨年の話も聴いたことがあるのは10名くらい)、旅で実際に使った道具の解説と展示も多かった。
衣類、靴、コッヘル、一眼レフの予備としてのコンパクトデジカメ、地図などいろいろ見て触れられたが、なかでも特に気になったのは、雑誌『モノ・マガジン』の最近の連載でも触れていたデジタル一眼レフカメラ(EOSkissデジタル)のシャッターに装着してリモコンによるセルフ撮影を、しかも50mくらいの長距離からでも無線でシャッターを切れるという機器で、せいぜい5~10m程度しか離れられないセルフタイマー撮影や有線のセルフポートレート以上にサマになる引きの画の撮影が実際にできている今回のジュンさんの写真に興味津々であった。上の写真がその「ワイヤレスシャッターレリーズ」。

そういえば、一昨年は初めてジュンさんと対面して、おぉ、ホンモノだ、と感動しきりだったのだが、今年は本ブログ2009年4月20日の投稿でも触れたように、代々木公園で行なわれた「アースデイ東京2009」のいちコーナーでもジュンさんを見かけていて、まさか野外業界内でも最近特に多忙なひとを2か月連続で間近で観られるとは。
そろそろジュンさんの言文一致ぶりにも慣れてきたので、今後は読み物とともに実際に何か旅関連の催しや、雑誌連載をまとめた単行本の出版などで直接かかわっていけたらいいなあ、と切望する。


※2009年5月27日の補足
ジュンさんのブログの27日分では、会場の定員は100名とあるが、実際の出席者は立ち見はあっても名簿上とは違ってそんなにはいなかったように思う。でも聴衆はそれぞれ、しっかり観て聴いて、ジュンさんの手法の何事かを盗んで自分の旅に生かしてやる、という静かな熱気はたしかにあった。


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2 コメント

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おお (わたる)
2009-05-29 07:57:21
さすがに神戸でも開催となると、多少無理してでも行きますか。

実際に観て、どういう反応があるのかを知りたいので(カッコイイとか、チャラいとか、いろいろ)、ブログでの報告も楽しみにしております。

僕はここで挙げるくらいだから、もちろん好きですよ。
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6月10日・神戸で (出がらし紋次郎)
2009-05-28 12:17:28
6月10日、patagonia神戸店でのトークショー、あっしも予約しやした。

休みとって行くつもり。楽しみです。
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