Wikipediaによると、「ノウゼンカズラ(凌霄花)」は平安時代にはすでに日本に渡来していたらしい。
名前のノウゼンは、古名の「ノウセウ(陵苕)」または「ノセウ」からで、つる性だからカズラ、合わせてノウゼンカズラとなった。
最近では夏になるとどこでも普通に見られるが、最初にこの花を見たのは、もう何十年も前、古い家を緑の葉が覆い、その中に鮮やかなオレンジ色の花がたくさん咲いているのを見て驚いた。
家が全く見えなくなるほど全体に覆いかぶさっていたから。
緑とオレンジのコントラストが夏らしくて気に入り、さっそくその花を買い求めた。
当時は小さな庭があったのでフェンスに巻き付ければいいと思い、植えてみた。
ところがすぐに大きくなってしまい、フェンスだけでは間に合わなくなり、隣家にはみ出したり、そばにあった庭木など、どこにでも巻き付いてしまった。
とても丈夫で、植えてある周りの地面からも新しい芽がどんどん出てきた。
小さな庭には似合わないほど大きくなってしまい、よほど引き抜こうと思ったのだが、花が咲くと嬉しくなってしまいそれも出来なかった。
その後、庭はそのままにして転居してしまった。
今はどうなっているのだろう。
夏になって「ノウゼンカズラ」を見ると、当時を思い浮かべてしまう。
学名: Campsis grandflora
英名 :Chinese trumpet vine
別名:ノウゼン、ノウゼンカツラ、ノウゼンノハナ
科名・属名: ノウゼンカズラ科 ノウゼンカズラ属
原産地: 中国
金沢に行った時、兼六園の近くにある玉泉園に入ってみた。
ここにはノウゼンカズラの古木があると聞いたから。
玉泉園は加賀藩の上級武士だった脇田家の庭園だったもので、その後は西田家が引き継いでいる。
しばらく素晴らしい庭を堪能した後、奥に進んだら目的のノウゼンカズラがあった。
朝鮮五葉松に寄り添うように絡みついている様子は、両方が同化したようにも見えた。
朝鮮五葉松は樹齢400年以上あるらしく、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に持ち帰ったものと伝えられていて、ノウゼンカズラの方は前田利家の正室お松の方にいただいた種を植えて実生した花と言われている。