- 「フヨウ(芙蓉)」は朝開いて夕暮れになるとしぼんでしまう1日限りの花。
それでも毎日次から次へと新しい花がたくさん開いてくるので、目を楽しませてくれる。
フヨウの花ってムクゲと見た目がそっくりで、遠目には区別が難しい。
でも、その違いは近づいてみると一目瞭然。
雌しべが違う。
雌しべの先端が5つに分かれ、上向きにカーブしているのがフヨウ。
真っすぐなのがムクゲ。
[フヨウ]
雌しべの先端は上を向いている。
[ムクゲ]
雌しべの先端は真っすぐ前を向いている。
その他の違いは葉の大きさと形。
フヨウは大きな葉で手のひらのような形色。
ムクゲは小さな葉で鋸歯。
あと、ムクゲは7月ごろから咲いているが、フヨウは8月以降咲くので、7月に花が咲いていたらムクゲだと思えば間違いないと思う。
学名:Hibiscus mutabills
英名:Cotton rose hibiscus
別名:木芙蓉
- 科名・属名:アオイ科 フヨウ属
- 原産地:中国、台湾、日本
別名の「木芙蓉」は中国での呼び名。
かつて中国では「芙蓉」とは「蓮(ハス)」のことだった。
花がハスに似ていて木に咲いているということで「木芙蓉」になったのだが、今では中国でも「フヨウ」は「芙蓉」と表記されている。
どうしてそうなったのか分からない。
全くの余談で、中国・成都に行った時、泊まったホテルの名前が「芙蓉麗庭酒店」だった。
成都には芙蓉と名が付いたホテルや飲食店が多かった。
「芙蓉蟹(かに玉のこと)」などと料理にまでも使われていた。
これは四川省の省都である成都がかつては、「芙蓉城」や「蓉城」と呼ばれていたからで、芙蓉が四川省を代表する花だから様々なところで使われているということだった。
[アメリカフヨウ]
別名は「クサフヨウ」、花は一重の丸型で15cm以上になる。
[酔芙蓉(スイフヨウ)]
花色が白色からピンク色に変化していく。