ナスにそっくりなこの花は「ワルナスビ」という名前。
なぜ? 何が悪いんだろう? 全体にあるトゲかな? それとも何か他のこと?
と思って調べてみたら、この花の名付け親はあの植物学の父、牧野富太郎博士。
博士の著書「植物一日一題」に書かれていた。
要するに、博士がこの花を庭に植えたらはびこりすぎて手に負えなくなってしまった。
地下茎で増え、除草剤も効かなく、ズタズタに切り裂いてもそこからまた芽が出てきてしまう。
しかも、実、葉や茎など全体に「ソラニン」「サポニン」といった有毒物質が含まれている。
だから「ワルナスビ」と名前を付けたらしい。
あまりにネガティブな名前だと思うけど・・・
他にも博士の付けた花の名前にヘクソカズラ、ハキダメギクなど、かわいそうに思えるものがたくさんある。
ちょっと変わった名前の植物を見つけた時、「なぜこんな名前を?」と、そのいきさつなど調べてみるとおもしろいかも。
よほど注意して触らないと、葉にも茎にもトゲだらけ。
花はかわいいのに!
紫の花もある。
学名:Solanum carolinense
英名:Carolina horse nettle、 horsenettle、Apple of Sodom、Devil's tomato
別名:オニナスビ(鬼茄子)
科名・属名:ナス科 ナス属
原産地:北米
ナス科ナス属と、本当にナスにそっくり。
北アメリカ原産、昭和初期に牧草に混じって渡来した帰化植物で、「要注意外来生物」に指定されている。
英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」や「Devil's tomato (悪魔のトマト)」と、まぁ散々な言われようですね~。
ちなみにソドムのリンゴとは旧約聖書からの言葉で、「ワルナスビ」だけでなく、有毒な実が生る、他のいくつかの植物にも使われている。