鉄道に関する趣味もいろいろあり、自らは「乗り鉄」と思っていた。
でも、「乗り鉄」の中でも「運行されている旅客列車の路線にすべてに乗りたい」というのを「完鉄」と言うのだと知った。
もともと日本中の全路線を制覇したいと思っていたので、これからは「完鉄」と言うことにしようと思う。
何の目的や用事がないのに電車に乗るのはおかしいと思われるかもしれないが、電車に乗ること自体を目的だとすれば全く変ではなくなる。
そのような理由を勝手につけてあちこちの電車に乗ってきた。
そのおかげで今では東日本の路線はすべて乗りつくし、西日本もある程度は乗った。
その中でも好きな路線は何度でも乗る。
秋田内陸縦貫鉄道もその一つ。
このローカル線は名前の通り、秋田県の真ん中を縦に走り、北秋田市にある鷹巣駅から仙北市の角館駅までを結んでいる。
全長約95km、そして29の駅がある。
その沿線には田園地帯があったり、山深い場所だっり、川沿いを走ったりと、さまざまな風景が楽しめることから、「走る美術館」とも呼ばれているらしい。
そんなローカル列車の雪景色をまた見たくなった。
今回は北の鷹巣駅から南の角館駅に向かって乗った。
電車の本数は2時間に1本くらいの割合で、そのうち何本かは終点の角館直行、他は「阿仁合(あにあい)」で乗り換えになっている。
この電車も乗り換えの電車だった。
鷹巣駅はJRの駅と一緒になっていて、ホームの前方に「阿仁合行」の紫色の車両が待っていた。
[描かれているのは戦国武将戸沢氏にちなんだお祭りの絵]
トコトコ走るという表現がぴったりするような、たった1両のワンマン電車。
座席はボックス席と長椅子の席になっていた。
電車の中ではいつも何も考えなく、ただボーっとして外を見ているだけ、それで十分満足していた。
走り出してまもなくは民家の多い場所を走り、そのうちいくつかの駅を通り過ぎたころから周りの風景が変わってきた。
田んぼと雑木林ばかりになり、時々川に沿って走るようになった。
そして「阿仁前田温泉駅」に着いた。
この駅は少し大きくて、日帰り温泉施設が併設されている。
天気によってはここから森吉山も見えるのだけれど、あいにく曇っているし雪も少し降っているので見えずに残念。
雪のちらつく中を再び走り出し「阿仁合駅」に着いたので、ここで乗り換えた。
ちょうど中間地点にある阿仁合駅は内陸線の車両基地になっている。
だからさまざまな色の電車を見ることができた。
乗り換えた「角館行」の電車は青い色だった。
この電車は待ち時間もなく、すぐに出発した。
阿仁合駅を出たころから雪が強くなってきた。
この先「萱草駅」から「笑内(おかしない)駅」の途中には運転手さんのおすすめの場所がある。
そこは左に大又川橋梁が見えるところ。
その場所にさしかかるといつもサービスで電車をゆっくりと走らせてくれ、写真タイムを取ってくれる。
せっかく徐行運転してくれたのに、この時が一番雪が強くてはっきりと見えなかった。
これは2年前、雪が降っていない時の写真。
大又川橋梁が見える場所で運転席から見た様子。
この先、「奥阿仁駅」と「比立内駅」間の比立内川の渓谷も素晴らしく、ここでも徐行運転をしてくれた。
次に「阿仁マタギ駅」、ここには以前来た時に寄った「打当温泉 マタギの湯」があるが今回はパス。
内陸線沿線はマタギ文化の地。
マタギとは日本の山岳地帯で狩猟を専業にしている人のことで、秋田県の中でも山深い、特に森吉山の南麓はマタギの里として有名な場所。
だから土産物などは「マタギ○○」などと名前のついたものがたくさんあった。
これも2年前の晴れている時の沿線風景。
そのまま電車に乗り続け、「鷹巣駅」からおよそ2時間後に内陸線の南入り口に当たる「角館駅」に到着し、内陸線の縦断を終えた。
[内陸線・角館駅]
今年こそは秋田内陸縦貫鉄道に
乗りたい!と思っております
車で出かけちゃうと
なかなか乗る機会が無くて…
こんにちは!
そうなんです。車で移動するとなかなか電車に乗る機会がないんですよね。
でも、ここに限らず田舎の方にいくと、どこでも車がないと動きがとれなくて不便だから、車の方が楽なんですよね。
このようなローカル線には本当に乗るためだけの目的で行くしかないのかな、とも思っています。