Waraの『True Rise』

備忘録 ”鮎の友釣り”と”Flyfishing”と、時々、”映画”

「水中糸についての考察」または「複合メタルライン依存からの脱却」 その2

2011年04月24日 14時37分21秒 | 鮎釣り


「東北地方太平洋沖地震」以降は、blogを更新する気にもなれずにいたが、鮎シーズン開幕まで2ヶ月を切り、そろそろ「お目覚め」か・・・・。

2月21日の「水中についての考察」または「複合メタルライン依存からの脱却」の続きから始める。

前回は複合メタルライン(以後、複合メタル)とオールメタルライン(以後、メタル)の太さの違いについて記述したが、他の種類のラインはどうなのだろうか。前回同様 span style="font-weight: bold;">VARIVAS社HP を見てみると、ナイロンとフロロカーボンの線径も掲載されている。

VARIVAS グランドステージ あゆ (ナイロン、フロロカーボン)
号数     線径
0.1号    0.053mm ※ナイロンには0.1号はなし
0.125号  0.059mm
0.15号   0.064mm
0.175号  0.069mm
0.2号    0.074mm
0.25号   0.083mm
0.3号    0.090mm

0.1号で比較すると、2/1000mmほどの違いはあるが、メタルラインの「VARIVAS あゆメタル 」0.1号とほとんど同じ太さである。 つまり線径の太さだけで比較すると、
フロロ0.1号=メタル0.1号=複合メタル0.04号となる。
※ナイロン0.125号=フロロ0.125号=メタル0.125号=複合メタル0.05号ともいえる。

では、水中糸の素材と太さの相関関係を頭に入れたとして、実際の使い分けをどうするのか、ということになる。各種水中糸の状況による使い分けについては、 グローブライド社(ダイワ)HP に掲載されてるので、これを参考にして、もう少し掘り下げて考察してみる。




【PEライン】
・比重:0.98
・浅瀬、平瀬での泳がせ

水切れ=”○”、感度=”◎”であるところから、オバセをつけての泳がせ釣りも可能だが、「鮎2011(つり人社)」で特集されている”ゼロ・オバセ”や糸を張りぎみの泳がせが基本になると思われる。根ズレ=”△”なので、石の小さい手取川、庄川や各河川の下流部がメイン・ステージか。強度=”◎”なので不意な大物にも対処できそうだが、竿へのダメージがあるかも知れない。


【ナイロン】
・比重:1.14
・水深が浅く水量が少ない(押しが強くない)場所、渇水時期での泳がせ
・ゴミが多い時
・金属ラインで攻められた後

かつては、メインのラインだったが(て言うか これしかなかった)、ホント出番が少なくなってしまった。押しが強くない場所では、あまり釣らなくなったというのもある。もちろん、今でもベストのポケットには必ず入っているのだが・・・。
感度=”△”、水切れ=”△”なので、オバセをつけての泳がせ釣りが基本か。
「金属ラインで攻められた後」というは、金属ラインとは違った泳ぎを演出できるということだろう。また、「ゴミが多いときは複合メタルライン」ってのが、自分の中では確立されているのだが、再考の必要ありだろうか。


【フロロ(カーボン)ライン】
・比重:1.78
・ナイロンを使う状況で感度を求める時
・根ズレが気になる時

シュチエーションがかなり限定されるような感じだが、大岩が多い手取川上流域や放水量ゼロ・トンの宮川で、”群れ鮎崩し”に試してみたい。

~ 通常の経済活動は阻害したくはない・・・(じゃーまへのイイワケ) ~




【金属の単線(メタル)】
・比重5.5(エムステージ)、6.5(エムステージSP)
・かかるサイズが小さい時
・競技会など、ここ一番での勝負時
・釣り荒れの状態(困ったときのオトリ取り)

これまで、一度も使ったことがないライン。競技会云々は別にしても、近年爆発的に釣人が増加した北陸の河川においては、使いこなす必要性を節に痛感している。しかし、ここで問題なのは竿・・・手持ちの中硬、中硬々クラスは、もはや十五年選手。まさか、メガトルクや龍星☆竿では使えないし、悩ましいところだ。


【金属のヨリ糸(メタル)】
・比重:8.0(ハイパーエムステージ)、6.5(エムステージSP)

・水深が深い場所での泳がせ
・水量が多く、押しが強いところの泳がせ
・瀬で中~大型を狙う時

元々金属ラインといえばコレだった。仕掛け作りに気を遣うので、扱いやすい複合メタルに取って代わられてしまっているが、、今年は登場のチャンスを増やしたいところだ。


【複合メタル】
・比重:2.1
・立て竿泳がせも瀬釣りも楽しみたい時
・金属ラインを使いたいがゴミが多い時
・瀬で大鮎を狙う時

さて、問題の複合メタル。上記の”比重:2.1”は、グローブライド社(ダイワ)の「メタコンポⅡ」の比重であるが、フロロカーボンの水中糸の比重とあまり変わらない。この比重が水切れ抵抗に影響を与えているのは間違いのないところだろう。そして、複合メタルのベストセラーと言われてるこの「メタコンポⅡ」との差別化をはかるため、比重の重い複合メタルを各社が製品化しているのも興味深い。(唯一、今年のがまかつの新製品である「メタ・ブリッド」は比重:1.8と「メタコンポⅡ」よりも軽い)

~ 3月12日 ”島 啓吾 さんのトークショー” にて ~


ここで、・・・・・去る3月12日に フィッシャーズ金沢店 で催された、島 啓吾さんのトークショーで、複合メタルについての話を聞く機会があった。その中で、島さんが複合メタルを使用する理由は、まず第一に”強度があること”、そして”根ズレに強いこと”(大きな石の瀬ではラインが石で擦られることが多い)、”比重が重いのでオトリを潜らせやすいこと”の三点を挙げられていた。
つまり、複合メタルは、たとえ線径が太く水切れ抵抗があっても、重い比重で十分にカバーできるということなのだそうだ。

次回に続く・・・。