和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

たるはご在、樽やでご在、空樽はご在。

2022-10-25 | 本棚並べ
先週注文してあった2冊が、昨日届いておりました。
三谷一馬著「彩色江戸物売図絵」(中公文庫)
大村はま「新編教えるということ」(ちくま学芸文庫)

うん。ここは「彩色江戸物売図絵」を紹介。
見開きの左に彩色された物売りの絵。右ページにその解説。
カラーだと何とも花やか。
まるでファッションショーの会場へと紛れこんだよう。
あとがきも入れて312ページあり、開くのが勿体ない。
はい。男の物売りが多いのですが、色が鮮やかで姿態が粋で。

まるで、歌舞伎の花道を、次から次へ
物売りだけが通ってゆくような圧巻さ。

ここは、ひとつだけ解説を引用しましょう。
『樽買い』(p202)。

「樽買いのしている頬かぶりはすっとこかぶりで、
 どうけた三枚目のかぶり方です。

 『天秤の先へ縄を結びしは樽を買ひし時の準備なり。
  たるはご在、樽やでご在、空樽はご在、
  と醤油の空樽を買あるくなり。
  江戸の頃は醤油は樽の古きをよしとすれば、
  醤油樽にかぎり古樽を買歩きて生計の営みとなりしなり。
  されば随分多くありたる商人なりし』
    ( 江戸府内絵本風俗往来』 )

という解説の次のページに天秤の片方の樽を縄で結んでいる容姿。
はい。これが彩色されているので、もう参ってしまいます。
歌舞伎なら『ヨッ、○○や』とでも、掛け声を掛けたくなる。
まあ、こんな調子でページをめくってゆけます。
江戸時代の時代劇で、町人が行きかう何気ない一場面が好きだ。
という方には、ぜひにとお勧めいたします。

はい。もう一冊は、この次に。

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