goo blog サービス終了のお知らせ 

和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

慶応がつぶれるか。

2015-05-07 | 書評欄拝見
雑誌のインタビューが
重なって読みごたえがありました。

永栄潔著「ブンヤ暮らし三十六年
 回想の朝日新聞」(草思社)

この新刊を出した永栄潔氏へと
WILLと正論の各雑誌がインタビュー
を試みておりました。



ここでは手ごたえ十分な
正論のインタビューから。
「妙な話を」してしまったという、
この箇所を引用。


――話をうかがえばうかがうほど、
永栄さんは朝日新聞より産経向きの方だと
思えてきます。・・全共闘世代の方には
珍しい。

永栄】 私は慶応大学の出身なのですが、
入学して半年後くらいでしたか、
『米軍資金導入粉砕闘争』というのが始まった。
慶応大学医学部が米軍から百万ドルの資金援助
を受けているという記事が『朝日ジャーナル』
に出たのがきっかけでした。学生運動の指導部
に知恵者がいたのか、それを『脳細胞破壊爆弾
の開発研究』だとビラや立て看で書きまくった。
日吉校舎の塾生大会が開かれ、二千人ぐらい
集まったのですが、中核派や社会同のリーダー
たちが次々に立って演説しても、野次り倒され
てしまって、討議にならない。議長が
『一般学生の方も意見を』と言うので、挙手して、
三十分ぐらい演説しました。初めは凄い野次で
したけれど、途中からは、一般学生からも、
学生運動支持グループからも大変な拍手で、
あれよあれよという間にスト突入が決まって
しまった。

――何を話されたのですか

永栄】 ごく平凡な常識論を話させてもらいました。
脳細胞だけ破壊する爆弾なんて、無理だと思うが、
朝日ジャーナルに報じられているのに、
事実関係を確かめもせず、問い合わせもしない
というのはおかしくないか。
ことは塾の名誉の問題だ。
事実なら、医学部長に経緯を話してもらおう。
場合によっては、当該医学部教室の閉鎖だ。
もし、朝日ジャーナルの報道が間違っているなら、
訂正してもらおう。間違いを認めながら、
訂正を拒否するならば、朝日ジャーナルを
廃刊に追い込もう。場合によっては、
朝日新聞にも潰れてもらわなくてはいけない。
そんな話を、福澤諭吉の『学問のすすめ』や
『福翁自伝』を適当に引きながら話しました。

――まだ一年生。驚きです。

永栄】 それからは格派のリーダーの
三年生や四年生が毎晩のように寮にオルグに来て、
全塾自治会の委員長選挙に立ってくれとか
何とか言われました。彼らの傀儡、
ロボット要員ですね。
『私はあなたたちとは考え方が正反対に近い
はずだ。ただ、これは慶応がつぶれるか、
朝日新聞をつぶすかくらいの大問題だ。
そこを考えて調べてほしい』と言いました。
選挙の話はもちろん断った。
なんか妙な話しをしてしまった。
(p98~99)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする