VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

MISAWA、センチュリーデザインオフィス

2008年06月05日 | 住宅業界
ミサワホームが、ミサワホーム総合研究所内に[センチュリーデザインオフィス]を4月に設立し
ミサワホーム商品ラインの中で最高級ブランドである『CENTURY』の提案、販売力を強化してゆくという事で
浜田山住宅公園にオープンしたモデルハウスで発表会が行われた。

今回のCENTURY外観は、陸屋根にキュービックの複層型。キャラクターのミッフィーちゃんがお出迎え。


モデルハウス内で広報グループ部長の中村氏(中)から[センチュリーデザインオフィス]設立の主旨説明。
(右端、デザイングループマネージャーでチーフデザイナーの中谷氏)
昨年10月に発売した『SMART STYLEO』が半年で2300棟と好調ということだが、企画型の商品で一次取得者向けの価格帯。
そこで二極化する顧客の他極、高価格帯(5千万円~)や建替向けに[センチュリーデザインオフィス]を中心に提案・販売体制を充実させる狙い。

『CENTURY』は工法も部材もMISAWAの規格に縛られず建築家と建てる‘手造り’の家。
それゆえ、プレハブ住宅の強みである性能の均一化などが担保されるには、個々のデザイナーの知識や技術が問われる。
その為の教育を推進してゆくのも[センチュリーデザインオフィス]の役割。
当初6名でスタート、グループに298名いるMG認定デザイナーの支援にもあたる。

お話を伺うと、現在販売が好調な浜田山展示場モデルでは、契約者の建替率は80%。年齢も40代以上、5-60代がメイン。
何と85歳の元気な施主さんもいらっしゃるという事で、景気に左右され難い都心特有の層が動いているようである。

延床面積70坪強のこのモデルハウスでは、家の中心にライトコートで光と風を取り込み‘微気候デザイン’を採用。

階段手すりには鉄製の特注品が使われ、ダイニングに面した和室は掘りごたつ式。

2WAY導線のキッチンは広めにとられ、ヌック的な食卓も。 
床材はオークの無垢突き板で幅広のフローリングがナチュラルな高級感を醸しだす。


2階に設けられたバスルームにはジャクソンのバスタブ。これ、キムタク邸に入ったモデルらしい! バスルームも2WAY導線。

右、バスルームに通じる寝室は‘熟年夫婦’用レイアウト。夫婦別寝室も増える中、同室で仕切りを設ける提案。

このようにインテリアでも、見学客との話題を沢山創出できるデザインこそ流石、企業建築家である。
建築作品であると共に販売現場であるモデルハウス、顧客との会話を意識したスマートなデザインだった。






インテリア産業協会、総会&懇親パーティ

2008年06月04日 | 住宅業界
インテリア産業協会の平成20年度の総会が行われ、
インテリア・コーディネーターとキッチンスペシャリストの資格試験が、今年度から実施日程を分離する事など発表された。

総会後のパーティでは、加藤知成会長(左)から「インテリアコーディネーターの活躍の場を、産業側でもっと盛上げが必要」と。
     
経済産業省住宅産業窯業建材課の喜多見課長からは、「インテリアコーディネーターの更なる技量Upを」と、
既に毎年5万人を超える資格を発行したインテリア・コーディネーターの本来の仕事、活躍が少なく問題視されている点に両者触れられた。

先般、フィンランド大統領から勲章が授与された北欧インテリアデザインの先駆け、島崎信武蔵野美大名誉教授(右から2人目)を囲んで。
隣の町田ひろ子先生も教え子、「私が学生時代の研究作品をまだ保存されていて驚かされたのよ!」と。
 
右はトヨタホームの森岡社長、今年度から協会の副会長に就任。

協会の神埼氏(左)と島村氏とご一緒に、お二人とも私同様テニス愛好者! 
中は、PCソフト[マイホームデザイン]を出しているメガソフト社の井町社長とリクルートの新人営業、山手さん。
  
  
東急ホームズ森社長はインテリア事業部の田中部長とご参加。中締めに和田副会長(三井デザインテック)からご挨拶があった。

ストック住宅市場でインテリア(内装業)は主役と言っても良い業種。他業種からの参入も多くなるであろう注目の業界である。

住団連、H20年度総会&懇親会

2008年06月02日 | 住宅業界
(社)住宅生産団体連合会(住団連)のH20年度総会後の記者会見。
役員が前に並び、右端の浅野専務理事は6/21付で佐々木新専務理事に交代予定。
   
和田会長(積水ハウス会長)から、今年度の事業計画などが発表された。 住宅に対する消費税の見直しを含めた税制対策はじめ
「ゆとりある豊かな住生活を実現する国民推進運動(仮)」の設立を予定していることなどが発表された。

また、政府の[骨太の方針]に織り込まれるべく、住宅業界からの提言を持ち込んだ所という事で
「持家の70%は老人で、その住宅資産を若年家族が活用しやすい仕組みづくりを政策として考えてもらう」と。
まずは老人が転居したいと思える住宅・暮らし環境を実現しなければ、それも始まらないと私は思う。

記者発表後パーティ会場に移って、
右から和田会長・樋口副会長(大和ハウス工業)・矢野副会長(住友林業)・小川副会長(三井ホーム)がお出迎え。

CoolBizの冬柴国交大臣「昨年は基準法改定で大変なご迷惑をおかけし申し訳ありません・・」。 
甘利経産大臣は「2020年には太陽光発電の導入量を現状の10倍に・・」。 与党国会議員がいつもより大勢来場。

公明党太田代表も・・その他大勢の議員さん登壇には当然のように上野公成氏も。矢野住友林業社長は「200年住宅ビジョン」の功労者、宮沢洋一議員と。


国交省から和泉住宅局長(左)、坂本住宅生産課長など。 先日サブプライム問題について指南して頂いた住宅金融支援機構の島田理事長と。


左から、住宅産業新聞の池上社長は旭化成ホームズの岡本顧問と、政策通のお二人。
中、トヨタホームの立花会長(トヨタ自動車専務)は瑕疵担保責任保険の問題点を国交省中島政策企画課長にご意見されていた。

右、住友林業の塩崎住宅事業本部長は「組織を改変し軌道に乗ってきた」と。

住宅リフォーム推進協議会の畠事務局次長は積水ハウスの皆さん&三井ホームさんと。

右、東急ホームズの中田部長(左)はFC事業部長にご異動、後任の竹越経営統括部長。

スウェーデンハウス羽山会長を囲んで。中、設備業界からはTOTOの木瀬社長の顔が。年度末に手術をされたというお話だったが、スリム&お元気に。 

右、インテリア業界から町田ひろ子先生(右)とお嬢様の瑞穂さんが、日本建築センターの立石理事長を挟んで。

閉めには、樋口大和ハウス工業会長がご挨拶。
「国会議員の先生方は皆、帰って居てませんが・・・」と、樋口節で笑いを取りながらも
「住宅政策云々もありますが、何しろ経済を回復させる事がまず第一!」と、発破をかけられた。

確かに、若年層が購入し易い住宅政策より、シニア層に夢ある住まい方を提案できなければ
日本の住宅マーケットは回り出さないし、広がらない。それには株価の回復がベースに不可欠。

長期優良住宅の普及の促進に関する法律」も国会の混乱で可決遅れになっているが、政情不安が続くようでは何も始まらないのである。
今日お見えになられた先生方には、是非、国政運営に邁進して頂きたいものである。

景観の日、シンポジウム

2008年06月02日 | 住宅業界
6月1日「景観の日」に因んで、【美しく風格のある国づくり】と題したイベントが
日本の景観を良くする国民運動推進会議]全国大会として虎ノ門で開催された。

この推進会議は平成17年の景観法施行に合せて、経済同友会・経団連・商工会議所などから組織された。
リコー代表取締役会長・経済同友会代表幹事でもある桜井会長がご挨拶。

国土交通省・農林水産省・環境省が特別協力。冬柴国交大臣や農水・環境大臣政務官も参加。
冬柴大臣から「景観法に加えてこの度制定された『歴史まちづくり法』で更に、国民運動としての広がりが期待できる」と。

『歴史まちづくり法(略称)』では、古都保存法・文化財保護法と景観法・都市計画法などを融合し
歴史的風致を街や人の活動を含めて広く面で保全できるよう、文化庁・農水省・国交省共管の法律として制定されたのである。
市町村が歴史的風致維持向上計画を立て重点区域を設定し、その計画推進の支援を国が援助する形を取る。
重要文化財や史跡などが一つあれば、その周辺一帯を重点区域として計画認定を申請することができるようになった。
 
今回のイベントでは、3省からの各種コンクールの表彰も行われ、国交省の都市景観大賞「美しいまちなみ章」(右上)
農水省の「美の里づくりコンクール」、環境省の「自然公園写真コンクール」の受賞者が登壇し表彰された。

基調講演には林望さんが登場、「[環境としての歴史]と景観」と題して ‘歴史=時間と空間が環境’と
英国の都市の約200年前の写真と現在の変わらない景観を紹介。日本も江戸時代の大名屋敷は立派なガーデンシティだったが軍用地となり失われたと。

英国のナショナル・トラスト、ランドマーク・トラストの活動などにも触れ、「日本人も景観を論じられる大人になったということ」と。

後半のパネルディスカッションは、「歴史文化と景観」をテーマに、コーディネーターの陣内教授(法政大)によって進められた。

先進的なまちづくり行政で景観保全を行う平谷尾道市長、川越市でミニコミ誌を出しながら町興しに携わる藤井女史、京都市や沖縄で歴史的まちなみの保存を実践する三村教授(右、京都大)がパネラーとして発表。

歴史的風致地区となると、保存だけでなく観光資源として活用されることが多いが
そうするとどうも画一的なソフト運営になりがちで、折角の歴史建造物の良さが半減する雰囲気もある。
その中で、林望さんのお話にあった「一切何も手を入れず活用もせず、そのまま残すのみ」という事ができる英国の懐の深さには感動した。