スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

「デンジャー・パスの二つの十字架」 フランス版DVD

2010年02月16日 | Weblog
今日は、ちょっとV&M特集を一休みさせていただきます。

というのも、昨日、首を長~くして待っていた「Due croci a Danger pass」のDVDがフランスから届いた
からなのです。
もう、うれしくてうれしくて。

英語版のビデオを最初に買いまして、メインタイトルが黒地に白抜きの文字だけという簡素なクレジットに
がっかりした覚えがあります。
ラオールの歌が素晴らしいだけに、イヤイヤ、イタリア版はこんな味気ないクレジットタイトルではないはず、
そう確信しながら、ずっとイタリア版の発売を待っていました。

何年か前にスペインのTVで放映されたものを見ましたが、英語版に比べればかなりナイスなクレジットでしたが、
どこかモノ足りませんでした。



で、今回のイタリア版クレジット。

もう鳥肌モノでした。

まず、色彩の基本がイタリアならではの「トリコロール」であること。
(ちなみに私のバイクもトリコロール!)



そして、絵が動くこと。
十字架が回転して拳銃になり、ゴキゲンな銃声の効果音が入ります。



ちょっと音質に難がありますが、まあ仕方ないといたしましょう。
画質は若干暗いですが、再生機器やソフトで補正ができる範囲内です。

ただ、ちょっと残念なのは、スペイン版に比べてみると、少し天地が黒帯で狭まれていることです。
実際、見ている分には気にならない範囲ですが、このトリミングがロケ地ハンティングには影響して
しまうことがあるんですね。

こんな感じで天地が若干トリミングされています。


スペインTV放映版


フランス版DVD

幼い頃に土地を牛耳る権力者によって、目の前で両親を殺された姉と弟の物語です。
二つの十字架とは、両親の墓標を意味します。
姉は、そのまま土地の権力者のメイドとして育てられ、弟はクエーカー教徒に拾われて育てられたものの、
復讐心を捨てきれず、初志を貫徹するという物語ですが、ピーター・マーテルが暗い影を持つ男の生き様を
とてもうまく演じています。

スペインのラファエル・ロメロ・マルシェント監督ならではの、重いテーマです。
イタリア人監督作品と、やっぱり微妙に味付けが違うんですね。

全編に流れるデ・マージの音楽も絶品です。
ジュリー・レイによる歌は2曲も挿入されます。どちらも聞き応えのある素晴らしい歌です。

悲壮な物語の終焉を鳥瞰で見事にとらえたカメラに、ラオールの歌が重なるエンディングは何度見ても
感動します。(最後に歌が飛ぶのが残念!フィルムが切れたんでしょうねえ)

フランスのamazonで簡単に購入できますので、ぜひお見逃しなく。
こんなジャケットです。
よく見ると、物語に忠実なイラストではありますが、オジサンはちと許せんゾ(笑)。