跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

モノじゃなくてコト

2007-08-01 16:04:52 | メディア
モノからコトへ、(by 竹内 薫)じゃないですが、エクスペリエンスのデザインが大事なのはいまさら言うまでもありません。

物質をめぐる冒険―万有引力からホーキングまで (NHKブックス)
竹内 薫
日本放送出版協会

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が、

コミュニケーションという本来の目的を忘れるようなものにしたい。『街を育てたいから○○さんにメール打たなきゃ』というようになったら面白い

という猪子氏の企画は本末転倒というか、どこまでも内向きに落ち込んでいく倒錯美とでもいうものでしょう。

もともと2画面端末の企画はかなり前(跳箱が知る範囲でも5年以上)からありましたが、かの2画面特許裁判の影響やらなんやらで公開試作が発表された頃には、だからなに?な物体に成り下がっていた記憶があります。と、いうか画面が複数個あること自体は価値じゃないでしょ?ダブルカセットデッキ(高校生のころ持ってたなぁ)と同じでしょ。良い悪いは置いといて、当時、オリジナルテープ作ったり、友達同士でテープダビングしたりする習俗が広く見られたからこそ、カセットデッキをニコイチした企画は受け入れられたわけであって、ユースケースありきで機器をデザインしないと説得力は生まれないでしょう。せめてデナインジャーになぜ2画面が必要なのかきっちりプロを納得させる力のある説明つけないとねぇ。

KDDIの人にどうしたら商品化されるか聞いてみたがわからなかった

だろうねぇ。KDDIの人も相当困ったと思うよ。

要するに内輪受けは内輪でやってくれ、ということでしょう。事業性に関する考察が欠落したやってみたいからやってみる、系の思考とビジネスの接点は企業をタニマチとしたパトロン経済でしか成立し得ないでしょう。ところが、ネットワークの中立性に関する懇談会通信・放送の総合的な法体系に関する研究会の動きを見ても解るように、世界市場における事業存続と発展か、さもなければ死か?といったくらいの危機感をもってイノベーションを模索しているのが現在の日本のICT産業関係者の立ち位置であろうと思います。趣味に走っている状況じゃないんじゃないかと。

たとえば、ちょっと古い話だけどJeff Han氏がTED2006(ちなみに次のTEDは来年2月、すでにWait listだけど)で発表したマルチタッチ(iPhoneのマルチタッチとはやってることはほぼいっしょだけど別物)面白かったし、最近でも同じ系統でVNC on your iPhoneなんかイケていた。

ハードウェアを作る(もしくは作りたい)のであれば、ネットワーク外部性といった文化的、社会的制約に依存せず、ハードウェア自体が生み出すエクスペリエンスによって幅広い層の需要を喚起する企画を志向してはどうだろう?(まあリアルフリートみたいなスノッブ路線もありっちゃありだけど、オルタナティブでしかないんで、ここは一発、正統イノベーション系を所望したいんであります)

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