vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

レトロな風景(その3)

2004-11-21 14:30:20 | 美術
イスラム風の美しいタイル。玄関に入っただけで,素敵な装飾品との出会いが予感できる。


穏やかな色のランプが照らす絢爛たる模様の壁紙。
今では失われつつある「金唐革紙(きんからかわかみ)」の技法を用いた眩暈さえ感じるような美しさ。
この空間だけ100年の時が止まっているように感じられる。



天上はひたすら高く,ところどころにある煖炉。
落ち着いた空間。



イオニア式の装飾の施された列柱の立ち並ぶベランダ。
差し込む緩やかな日差し。


広大な芝生と大きく開けた空。
都心に広がる美しくも贅沢な空間。

ここは,湯島の旧岩崎邸庭園。
1896年にジョサイア・コンドルの設計により,三菱を創設した岩崎家の邸宅として建てられ,外国人や賓客を招いてのパーティーに使われた華やかな舞台。
第二次世界大戦後にはGHQに接収され,秘密工作機関 キャノン機関の活動拠点としても用いられたという歴史を持つ。

洋館の全貌はこのとおり。
ため息が出るぐらい美しい建物。

隣には和館もあり,こちらも素晴らしい意匠の建物。
橋本雅邦作の障壁画が残る。ただし,美しかったであろう富士山は,色褪せてほとんど判別ができないのが残念。


金唐革紙の製作実演もやっていた。
木の枠に槌様の道具で革を打ち付け,錫,金等を用いて仕上げていく,ひたすらに労力を要する仕事。
この作業の積み重ねが,他では体験できない豪華絢爛な空間を生み出す。



旧岩崎邸は,建物自体が美術品。特に大規模な企画展等があるわけではないけれど,秋の1日気が向いたらフラリと出掛け,ゴージャスな雰囲気を味わうのもよいものです。

入園料400円。
ただし,はとバスのルートに入っているようで,時として大量にお客さんがやってくるので要注意。
この点を差し引いても足を運ぶ価値はあると思います。

★★★11月27日(土)には, 「二胡と揚琴の演奏会」も行われるようですよ★★★

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2 コメント

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ああ、 (Honey)
2004-11-22 01:58:45
ずっとずっと行ってみたいと思っていた場所です。

参考になりました。

ありがとうございました。
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豪華な空間 (vagabond67@管理人)
2004-11-24 07:23:32
日頃,ウサギ小屋で過ごしているだけに,こういった豪華な空間に入り込むと,「羨望」を通り越して,心が洗われる思いさえします。



やっと秋らしい天気になりましたね。是非,足をお運びくさい。
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