今日お届けする写真も,奄美市笠利町の崎原海岸のもの。
澄んだ海,太陽を受けてキラキラと輝く波,そして,奄美特有の消えては浮かんでくる厚い雲。
素敵な情景。
【2006.3.11 奄美大島・笠利町(崎原海岸)Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
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さて,昨日の奄美関連ネタの続きを…
●奄美の人情がNHK朝ドラに新風をもたらす??
18年度後期(2006年10月)のNHK朝ドラは田辺聖子原作の『芋たこなんきん』だ。
以下,NHKのHPの番組案内から。
『芋たこなんきん』ここがみどころ!
船場の商店勤め、36歳の独身、楽天娘が、ある日恋に落ち、結婚へ。
しかし、なんと嫁ぎ先は11人の大家族だった!
作家の田辺聖子さんの半生と数々のエッセイ集をベースに、大阪の戦後復興期から現代へと明るくたくましく生きてきたヒロインと、その家族のてんやわんやを描く、笑いと涙のホームドラマ。
タイトルの「芋たこなんきん」は、田辺聖子さんのエッセイにもたびたび登場する言葉で、女性が好む食材の代名詞として引用される、大阪生まれのキャッチフレーズです。
ものがたり
物語は、36歳のトキコが戦後の大阪下町の金物店で働いている時期から始まる。
店員と、文筆活動の二足のワラジが原因となり、過労で倒れる。往診してもらった開業医、通称“かもかのオッチャン”(「噛もか」という口癖がある)と出会い、恋に落ち、やがて結婚。ところが、あろうことか、この“かもかのオッチャン”はバツイチで、しかも4人の子持ち。なおかつ、両親や兄弟とも同居する11人の大家族だった。しかも、オッチャンは開業医で、毎日のように近所の患者たちが押し寄せる。トキコは、想像もつかなかった大家族と、ひとつ屋根の下で、七転八倒しながらも、持ち前のパワーとエネルギーで、日常の家事、育児をこなしていく。やがて、子供たちが成長するにつれて、いろいろな難問も噴出。その一方、懸命に文筆活動を続けていく。あるときは風呂で、台所で、はたまた、トイレで…。そんな中で、他人同士が、いつか本当の家族になっていく。
(引用ここまで)
と,ここまで読んだだけなら,「奄美」とどのように関係があるのか?と思われるだろう。
上記のヒロインの夫の「かもかのオッチャン」とは,田辺さんの夫(先年亡くなられた)で,エッセイにもよく登場する名キャラクター。
私は,20数年前に田辺さんの作品をいくつか読んではいるのだが,すっかり忘れ去っていた重要な事実がある。
それは,この「かもかのオッチャン」の郷里が,奄美大島の名瀬市(現・奄美市)だということ!
しかも,田辺さん自身が,創作の過程で,どうやら奄美の文化の影響を大きく受けているようでもあるのだ(その他,田辺さんは,ケンムンの存在を信じて疑わないという未確認情報もある
)。
11人の大家族という物語の設定,戦後復興期から現代という時代設定,NHK朝ドラで大阪が舞台といえば濃いぃ「人情物」が定番,そして,ヒロインの夫のモデルが奄美大島出身と来れば,もうこれは,奄美人の熱いハートと深い情とがベースになった,現代人が忘れかけた人情味溢れるドラマに仕上がるんじゃないかと期待できます。
このドラマで,奄美の人情が,半年間,全国ネットでお茶の間に伝われば,それは素敵なことじゃないかな。
もちろん,奄美ロケなんかがあると,その効果も大きいと思うけれど,「奄美人気質」みたいな無形のものが伝わることも大切かな,と思う。
(「奄美人」というのは,雰囲気で書きましたが,気に障る方がいたらご容赦ください)
ところで,このエントリーを書くに当たって,久々に田辺作品を読み返してみた。
読んだのは,短編集『ジョゼと虎と魚たち』(角川文庫)
。
表題作は,妻夫木聡と池脇千鶴の共演で映画化もされ,評価が分かれるものの,比較的評判は良かった(私は未見)。
この短編集は,とても良かった。
山田詠美の解説も優れていて,解説自体が,田辺作品に対するオマージュを湛えた珠玉のエッセイになっている。
美しく無駄のない日本語,切ない気持ち,ちょっとドキドキするような男と女の愛の機微…何がどう良かったかをこれ以上十分に書き記す暇も能力もないので,若干の引用でご容赦頂きたい。
山田さんは,「私はいつも,苛立ったり,憂鬱な気分になったりした時に田辺さんの本を開く。そして,人生のいつくしみ方を教えてもらう。」と記している。
そしてもう一つ。田辺さんは,以前,敬愛するフランソワーズ・サガンの作品を「手に取らば消えそうな黄金色のスープのひと匙のような」味と評していたが(『楽天少女通ります』(ハルキ文庫)
),私は,短編集を読んで,この言葉,田辺さんの作品自体にぴったり当てはまると思った。
やっぱり中学生では理解不能な世界だな![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
大人のあなたにはお薦めできる短編集です。
澄んだ海,太陽を受けてキラキラと輝く波,そして,奄美特有の消えては浮かんでくる厚い雲。
素敵な情景。
【2006.3.11 奄美大島・笠利町(崎原海岸)Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
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さて,昨日の奄美関連ネタの続きを…
●奄美の人情がNHK朝ドラに新風をもたらす??
18年度後期(2006年10月)のNHK朝ドラは田辺聖子原作の『芋たこなんきん』だ。
以下,NHKのHPの番組案内から。
『芋たこなんきん』ここがみどころ!
船場の商店勤め、36歳の独身、楽天娘が、ある日恋に落ち、結婚へ。
しかし、なんと嫁ぎ先は11人の大家族だった!
作家の田辺聖子さんの半生と数々のエッセイ集をベースに、大阪の戦後復興期から現代へと明るくたくましく生きてきたヒロインと、その家族のてんやわんやを描く、笑いと涙のホームドラマ。
タイトルの「芋たこなんきん」は、田辺聖子さんのエッセイにもたびたび登場する言葉で、女性が好む食材の代名詞として引用される、大阪生まれのキャッチフレーズです。
ものがたり
物語は、36歳のトキコが戦後の大阪下町の金物店で働いている時期から始まる。
店員と、文筆活動の二足のワラジが原因となり、過労で倒れる。往診してもらった開業医、通称“かもかのオッチャン”(「噛もか」という口癖がある)と出会い、恋に落ち、やがて結婚。ところが、あろうことか、この“かもかのオッチャン”はバツイチで、しかも4人の子持ち。なおかつ、両親や兄弟とも同居する11人の大家族だった。しかも、オッチャンは開業医で、毎日のように近所の患者たちが押し寄せる。トキコは、想像もつかなかった大家族と、ひとつ屋根の下で、七転八倒しながらも、持ち前のパワーとエネルギーで、日常の家事、育児をこなしていく。やがて、子供たちが成長するにつれて、いろいろな難問も噴出。その一方、懸命に文筆活動を続けていく。あるときは風呂で、台所で、はたまた、トイレで…。そんな中で、他人同士が、いつか本当の家族になっていく。
(引用ここまで)
と,ここまで読んだだけなら,「奄美」とどのように関係があるのか?と思われるだろう。
上記のヒロインの夫の「かもかのオッチャン」とは,田辺さんの夫(先年亡くなられた)で,エッセイにもよく登場する名キャラクター。
私は,20数年前に田辺さんの作品をいくつか読んではいるのだが,すっかり忘れ去っていた重要な事実がある。
それは,この「かもかのオッチャン」の郷里が,奄美大島の名瀬市(現・奄美市)だということ!
しかも,田辺さん自身が,創作の過程で,どうやら奄美の文化の影響を大きく受けているようでもあるのだ(その他,田辺さんは,ケンムンの存在を信じて疑わないという未確認情報もある
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_en.gif)
11人の大家族という物語の設定,戦後復興期から現代という時代設定,NHK朝ドラで大阪が舞台といえば濃いぃ「人情物」が定番,そして,ヒロインの夫のモデルが奄美大島出身と来れば,もうこれは,奄美人の熱いハートと深い情とがベースになった,現代人が忘れかけた人情味溢れるドラマに仕上がるんじゃないかと期待できます。
このドラマで,奄美の人情が,半年間,全国ネットでお茶の間に伝われば,それは素敵なことじゃないかな。
もちろん,奄美ロケなんかがあると,その効果も大きいと思うけれど,「奄美人気質」みたいな無形のものが伝わることも大切かな,と思う。
(「奄美人」というのは,雰囲気で書きましたが,気に障る方がいたらご容赦ください)
ところで,このエントリーを書くに当たって,久々に田辺作品を読み返してみた。
読んだのは,短編集『ジョゼと虎と魚たち』(角川文庫)
表題作は,妻夫木聡と池脇千鶴の共演で映画化もされ,評価が分かれるものの,比較的評判は良かった(私は未見)。
この短編集は,とても良かった。
山田詠美の解説も優れていて,解説自体が,田辺作品に対するオマージュを湛えた珠玉のエッセイになっている。
美しく無駄のない日本語,切ない気持ち,ちょっとドキドキするような男と女の愛の機微…何がどう良かったかをこれ以上十分に書き記す暇も能力もないので,若干の引用でご容赦頂きたい。
山田さんは,「私はいつも,苛立ったり,憂鬱な気分になったりした時に田辺さんの本を開く。そして,人生のいつくしみ方を教えてもらう。」と記している。
そしてもう一つ。田辺さんは,以前,敬愛するフランソワーズ・サガンの作品を「手に取らば消えそうな黄金色のスープのひと匙のような」味と評していたが(『楽天少女通ります』(ハルキ文庫)
やっぱり中学生では理解不能な世界だな
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大人のあなたにはお薦めできる短編集です。