僕の感性

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安南の王子

2018-08-04 15:49:35 | 文学
 山川方夫(まさお)の全集5巻を2500円で購入した。


早速、第一巻の『安南の王子』を読んだ。「安南の王子」と書いて「アンナンのプリンス」と読む。


若いバンドマンの仁は少女のように睫毛の深い茶色の瞳と、白粉を刷いたような鼻すじと、花びらのような唇を持ち合わせた美青年だった。

ある日客として仁とその仲間たちがブルジョアの邸に招かれ、趣向のため、仁を安南の王子に化けさせた。
そして見事ブルジョアジーに本物だと思わせることに成功し、趣向は万事うまくいった。

だが、帰る途中、仁が忽然と行方をくらました。果たして仁の身に何があったのか。


内容はここまで。


作者の山川方夫は34歳の時、トラックにはねられて亡くなった。

短い生涯の中に、煌めく星々がいたるところに鏤められていることを、見逃すことができない。

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