ある学生がカンニングを見つかって、こう開き直った。
「他にもやっている人がある。要領よくやっているのが得をして、たまたま見つかったものが損をするのですか」。
これに教師は次のように答えた。
「他にやっているというが、見たことがあるかね。噂しているほど、実際はやっていないと思う。かりに、監督の眼をのがれてうまくやった者があるからといって、君自身の責任がまぬがれるわけではない」。
この教師の返答は正しいだろうか。
実は、最悪の答え方で、この場合、次のように言い返すべきなのだ。
「それは、君自身のことだ。カンニングをして、労せずに好成績を得るのを『要領よいのが得をしている』と言うんだ。君はそうやろうとして、たまたま失敗しただけだ。他人事のように言うんじゃない」
このケースには学生の詐術があらわになっている。
「要領よくやっているもの」と「たまたま見つかった者」が対比されているため、「たまたま見つかった者」は要領がよくないように錯覚されだちだが、実際はそうではない。
試験勉強をせずに、カンニングで好成績を得ようとする者はそもそも「要領よくやっている者」なのだ。
「得をする」「損をする」という対比もおかしく、カンニングを発見された者が、学則に従って処罰されるのは当然の報いなのであって、別に「損をする」わけではないのだ。
レトリックと詭弁(香西秀信)
「他にもやっている人がある。要領よくやっているのが得をして、たまたま見つかったものが損をするのですか」。
これに教師は次のように答えた。
「他にやっているというが、見たことがあるかね。噂しているほど、実際はやっていないと思う。かりに、監督の眼をのがれてうまくやった者があるからといって、君自身の責任がまぬがれるわけではない」。
この教師の返答は正しいだろうか。
実は、最悪の答え方で、この場合、次のように言い返すべきなのだ。
「それは、君自身のことだ。カンニングをして、労せずに好成績を得るのを『要領よいのが得をしている』と言うんだ。君はそうやろうとして、たまたま失敗しただけだ。他人事のように言うんじゃない」
このケースには学生の詐術があらわになっている。
「要領よくやっているもの」と「たまたま見つかった者」が対比されているため、「たまたま見つかった者」は要領がよくないように錯覚されだちだが、実際はそうではない。
試験勉強をせずに、カンニングで好成績を得ようとする者はそもそも「要領よくやっている者」なのだ。
「得をする」「損をする」という対比もおかしく、カンニングを発見された者が、学則に従って処罰されるのは当然の報いなのであって、別に「損をする」わけではないのだ。
レトリックと詭弁(香西秀信)
でもこの生徒さんなら
「先生、それは詭弁ですっ!」
とか先に言いだしちゃいそうですね^^
今日もお勉強になりました♪
この場合詭弁を弄しているのは誰ですか?
生徒ではなく先生?、それともこの物語を語っている人?
あれ?
自分の不正を正当化しようとしているからです。
カンニングはカンニングで
見つかろうがうまくすり抜けることができようが
絶対行ってはいけないのです。
よって詭弁を弄しているのは学生です。