僕の感性

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「余目」という地名の意味

2012-09-29 21:59:30 | 歴史
 山形県には庄内町に余目(あまるめ)という地名がある。また兵庫県の北西部には餘部(あまるべ)という場所があり、愛媛松山には余戸(ようご)という地区がある。

 この3つの地名には共通点があり、「あまった里・戸」という意味があるのだ。

 大化の改新(645年)で戸籍法がしかれると、しっかりした地方行政の区画が出来上がった。当時「戸(こ・へ)」というものがあって、戸主を中心に5親等以上の大家族制があり、十数人から数十人の世帯だった。
 次にこの戸を5つあわせて「保」といった。652年五保の制度ができて、同保内の人々は、連帯責任を負わされ、協力してことに当たる、さながら5人組の制度のようだった。ひとつの「保」の大きさは、大体今の「小字」程度。
 
 「保」が十集まると、これを「里(り・さと)」といった。つまり50戸である。(715年に「里」が廃止され「郷」に移行した。)しかし十ずつ区分しても端数が出るので、そのときに余りを余戸郷(よごごう・あまるべのさと)といったのである。

 「里」→「郷」の大きさは今の町村程度で、その上に郡(ぐん・こおり)があり、さらに「国」があった。


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