僕の感性

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文豪シラーの感受性

2008-05-04 00:17:28 | 文学
ドイツの文豪シラーは、1759年11月10日に、ドイツ西南部にあるヴュルテンベルク公国の小さな田舎町マールバッハに生まれました。
1775年からは、ロココ風の作品で知られるクロップシュトックの作品をよく読み1776年、初の詩集『夜』を出版します。心理学の例として学んだシェイクスピアの『オセロー』やゲーテの『若きウェルテルの悩み』、シュトゥルム・ウント・ドラング(ドイツ疾風怒濤)時代の諸作品に触発され、処女作『群盗』執筆を開始したのは1776年、シラー18歳のときでありました。

(シラーの生家)

このシラーが8歳の時、友人のカールと森に遊びに行ったことがありました。おりしも夕日が沈もうとしていて、その光線が木々の枝や葉の間から細かく漏れ、森の中は一時言葉にも尽くせぬ美しさを呈しました。
少年シラーは感動のあまり、友に向かって叫びました。
「おお、カールよ。なんという美しさだろう!僕が持っているものは何でも捨ててしまえるが、この美しさだけは捨てることができない。」
さすが幼くして、もはや天才詩人の一端を垣間見る事ができます。
感動しようがしまいが、世俗的な利益は何もありませんが、美しい風景に感じ入る人は心が豊かであるといえるでしょう。


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