乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』31 「罪(ツミ)もなき 人は鵜をかひハり  おほくの肴 くふといふなり」 十六丁表 十六丁裏

2020-06-23 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』31  十六丁表 十六丁裏

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

   『仁勢物語』31を読んで、謡曲『鵜飼』を思い浮かべた^^

31  十六丁表

◯をかし道のはたにて、ある子達の鶇(ツクミ)をすへて

通りけるに、何阿彌といひけん、「よしや、殺生よ、

南無釈迦彌陀」といふ、あこ

  罪(ツミ)もなき 人は鵜をかひハり

  おほくの肴 くふといふなり

といふをうらやむおほかり

 

31  十六丁表

◯おかし道の端にて、或る子達の鶇(ツグミ)を据えて

通りけるに、何阿彌と言いけん、「よしや、殺生よ、

南無釈迦彌陀」と言う、児(あこ)

  罪(ツミ)も無き 人は鵜を飼い張り

  多くの肴 食うと言う也

と言うを羨む、多かり

 

鶇(ツクミ  つぐみ))

(エッサイ 本文では「鳥居」に「鳥」)

 もっとも小型の鷹の一種。

 雄(オス)を「つみ」、雌(メス)を「エッサイ」と云った。

 季語:秋 小鷹採りに用いる。

南無釈迦彌陀  (天台宗 法話集http://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=11より)

 仏様に手を合わせる時、その仏様が阿弥陀(あみだ)様だとしたら、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」とお唱(となえ)えします。では、南無(なむ)とはどういう意味なのでしょうか。
 印度(インド)の国に行かれた方は、その国の人びとが合掌して、「ナマス・テー」と挨拶する光景を御覧になられたことがあるでしょう。
 これは「あなたに敬礼します」という親愛と尊敬を込めたことばで、出会った時も別れる時も「ナマス・テー」です。このナマスが「南無(なむ)」なのです。ナマスの語源はナモーで、漢訳して南無と表記しました。音(おん)を写したのです。南無とは、帰命(きみょう)、敬礼(けいれい)の意味で、心の底から全身全霊で仏様を信じることなのです。ですから、「南無仏(なむぶつ)」と唱えたならば、「真心を込めて仏様を信じます」と表明したことになるのです。
 さて、お寺参りをなさる機会がおありでしょうが、その時、まずはじめにお堂におまつりされている仏様のお名前をしっかり確かめてから、お唱えしましょう。


 阿弥陀様なら、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」
 お薬師様なら、「南無薬師瑠璃光如来(なむやくしるりこうにょらい)」
 観音様なら、 「南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)」
 お釈迦様なら、「南無釈迦牟尼如来(なむしゃかむににょらい)」 
などとなる訳です。

あこ 

 児 吾子 子供

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  罪(ツミ)もなき 人は鵜をかひハり

  おほくの肴 くふといふなり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  罪もなき ひとをうけへば忘草

  をのが上にぞ 生(お)うといふなる

  

  

 

 

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』30 「あふなきハ 目玉のうへのいももらひ  つふし損して かくかなるなん」 十六丁表

2020-06-23 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』30  十六丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

30  十六丁表

◯をかし男、はつれ也ける女のもとに

  あふなきハ 目玉のうへのいももらひ

  つふし損して かくかなるなん

 

29 十六丁表

◯おかし男、はずれ也ける女の元に

  危なきは 目玉の上の芋貰い

  潰し損じて かくか なるなん

 

 

はつれ也ける    岩波古典文学大系『仁勢物語』頭注

 目の淵に、引きつったもの(方言 和歌山・神戸に在残)

いももらひ     岩波古典文学大系『仁勢物語』頭注

 まぶたの上にできる、麦粒腫(伝染病)

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あふなきハ 目玉のうへのいももらひ

  つふし損して かくかなるなん

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  逢ふことは たまの許(ばかり)おもほへて

  つらき心の 長く見ゆらん

  

 

 

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』29  「腹にあきし なめしハいつもくらひしと けふの花みににる米もなし 」 十六丁表

2020-06-23 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』29  「腹にあきし なめしハいつもくらひしと けふの花みににる米もなし

」 十六丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

29 十六丁表

◯をかし山寺の児達の花見に飯酒なかりけれハ

  腹にあきし なめしハいつもくらひしと

  けふの花みににる米もなし

 

 

29 十六丁表

◯おかし山寺の児子(児)達の花見に、飯酒無かりければ

  腹に飽きし 菜飯はいつも食らいしと

  今日の花見に煮る米も無し

 

 

 児子(ちご と読ませている)

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  腹にあきし なめしハいつもくらひしと

  けふの花みににる米もなし

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  花にあかね 嘆きはいつもせしかども

  今日のこよひに 似る時はなし

  

 

 

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』28  「なとてかく はや年寄りに成りけん 水なすびそと むしり物を」 十六丁表

2020-06-23 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』28  「なとてかく はや年寄りに成りけん 水なすびそと むしり物を」 十六丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

右左

28 十六丁表

◯をかし男茄このみなる女、ゆててくふて

  なとてかく はや年寄りに成りけん

  水なすびそと むしり物を

 

 

28 十六丁表

◯おかし男、茄 好みなる女、茹でて食うて

  なとてかく 早年寄りに成りけん

  水茄子ぞと 毟(むし)り物を

 

 

茹(なす)

 当時、茄子(なすび)が一般的。茄(なす)は女房詞。

年寄りに成りけん

 茄子の皮の表面に、シワが寄っているのを、年寄りにたとえている。

 馬の飼料を入れた盥(たらい)

 女性の、、、に見立てた。

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  なとてかく はや年寄りに成りけん

  水なすびそと むしり物を

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  などてかく あふごかたみになりにけん

  水もらさじと 結びしものを

  

 

 

 

 

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劇団四季『ジョン万次郎の夢』1992年 浅利 慶太作・演出 石丸幹二 山口祐一郎 

2020-06-23 | TVで舞台

梨園劇場 京劇 2019年12月4日

 

 

 

劇団四季『ジョン万次郎の夢』1992年 浅利 慶太作・演出 石丸幹二 山口祐一郎

 

 

 劇団四季『ジョン万次郎の夢』をみた。

 そして、なんと!石丸幹二&山口祐一郎が出ておられた。

 

 一幕目、石丸幹二に微笑み、山口祐一郎の歌声に心を打たれる^^

 異民(肌に色)差別問題や日本の鎖国にも触れ、ジョン万太郎は日本とアメリカをつなぐといった大きな翼を広げる。

 

 二幕めが始まってしばらくすると、『ジョン万次郎の夢』に即したバレエ『ボレロ』風の踊りが始まり、曲は変調し、日本風を超えて中国風の調べを覗かせ、又、『ボレロ』へと移行する。

 

 見終わって、何かしら喜びを感じ、微笑みがこぼれ落ちる、そんなお舞台であった。

 そして、何かしらんワクワクした気分で、山口祐一郎の『ダンス・オブ・ヴァンパイア』を歌っていた私。

「サァ!ディナーの時間だ♪」な気分なのである^^

 

 こういう舞台は、私は好きだな^^v

 

 

 

 

ニッセイ劇場 HP ▼

配役 出演者
万次郎  味方隆司  石丸幹二  栗原英雄
親方/藩主  井関 一  羽鳥三実広
重助/老中  内田典英  飯野おさみ  深水正博  吉谷昭雄
寅右衛門/幕臣  深水正博  松下武史  吉谷昭雄  立岡 晃
五右衛門/福沢諭吉  野上典之  中嶋 徹  鈴木 淳  下河原守忠
ホイットフィールド船長/
島津斉彬
 青山 明  山口祐一郎  村 俊英
アリー  後藤由里  荒川久美江  中澤孝子  花岡久子  秋本みな子
ポリー  花岡久子  秋本みな子  佐和由梨  後藤由里  井料瑠美  阪上枝美
キン  青山弥生  鈴木京子  高林久美  加藤ゆみ  阪上枝美
ギン  阪上枝美  坂本里咲  山田千春  堀内敬子  青山弥生  春原一恵  加藤ゆみ
男性
アンサンブル
役人/フランク  川原洋一郎  沢木 順  宮川政洋
役人/ブルック  下村尊則  浜畑賢吉  佐藤廣美  八巻 大
吉岡  遠藤敏彦  遊佐真一  中尾弘隆
勝 海舟  喜納兼徳  佐野正幸  村 俊英
その他  藤原麻由  荒巻 正
 栗原義美  菊地 正  重野幸夫  伊藤稔之  太田泰信  秋光伸次
女性
アンサンブル
シオ/教会委員  菅本烈子  丹 靖子  末次美紗緒  千綿一美
ウメ  柘 宏子  白木原忍  小木曽かおり  池田衣里  工藤伸子
教会委員  菊地美樹  千綿一美  石井陽子  漆原みどり  鈴木智絵  八重沢真美  服部良子  
ホイットフィールド夫人  横山幸江  西島美子  金井小夜子
ナミ  山田 園  坂井 恵  山崎裕子  工藤伸子
その他  松崎清美  林下友美  友谷真実  石井陽子  久安正子
 小木曽かおり  小谷麻理  久安正子  小原あや  布川史緒  工藤伸子  黒田祐枝 
 布川史緒  黒田祐枝  鳥居ひとみ  山崎裕子  澄 千鶴  木下マカイ
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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』27 「われハかり 物あらふ人ハ又もあらし  とおもへハ水の したにもありけり」十五丁裏

2020-06-22 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』27  十六丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

十六丁表

◯をかし男、女のもとに一夜いきて、又もいかすなる

けれは、女の物あらふ所に抜きうちやりて、

盥(タライ)に物の見えけるを自ら、

  われハかり 物あらふ人ハ又もあらし

  とおもへハ水の したにもありけり

とよむをかのこさりける男のそきて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば のそきてぞ鳴く

 

十六丁表

◯おかし男、女の元に一夜行きて、又も行かすなる

ければ、女の物洗う所に抜き、打ちやりて、

盥(タライ)に物の見えけるを自ら、

  我計り 物洗う人ハ又もあらじ

  と思えば水の 下にも有りけり

と詠むを鹿の子去りける 男覗きて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば 覗きてぞ鳴く

 

 

盥(タライ)に物の見え は ムニュムニュ (ま! ^^ 赤面)

又もあらじの又は、掛詞

、、、、と詠むを鹿の子去りける (盥の底を)男は覗きて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば 覗きてぞ鳴く

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  われハかり 物あらふ人ハ又もあらし

  とおもへハ水の したにもありけり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  我許(わればかり) 物思う物おも(ふ)人は又もあらじ 

  と思えば水の 下にも有りけり

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば のそきてぞ鳴く

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  水口に 我や見ゆらんかはづさへ

  水の下にて 諸声似なく

 

  

 

 

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』26  「おもほえす 額に浪のわハくかな もろこし舟の よりしはかりに」 十五丁裏

2020-06-22 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』26  「おもほえす 額に浪のわハくかな もろこし舟の よりしはかりに

十五丁裏

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

十五丁裏

◯をかし男、五十あまり也ける女を、まうけゝる事

と、わひける人の返しに

  おもほえす 額に浪のわハくかな

  もろこし舟の よりしはかりに

 

 

十五丁裏

◯おかし男、五十余り也ける女を、もうけける事

と、詫びける人の返しに

  思おえず 額に浪(波)の騒ぐかな

  もろこし舟の 寄りしばかりに

 

 

額に浪(波) 

  額にシワがよるたとえ

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  おもほえす 額に浪のわハくかな

  もろこし舟の よりしはかりに

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  思ほえず 袖にみなとのさわぐ哉

  もろこし舟の 寄りし計(はかり)に

 

 

 

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地球ゴージャス二十五周年祝祭公演「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」 作・演出 岸谷五朗  岸谷五朗 寺脇康文 新田真剣佑 他

2020-06-21 | TVで舞台

写真は梨園劇場 京劇 2019年12月4日

 
 
 地球ゴージャス二十五周年祝祭公演「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」
 作・演出 岸谷五朗
 
 
 
 能楽の『石橋』の赤頭を十数名の集団構成美で幕を開けた「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」
 
 岸谷五朗と寺脇康文の掛け合い部分でも
「能の歩き方か(要約)」
の言葉で、すり足を試みたり、集団のダンスの中で、一部能面の様な面をマントからちらりと覗かせたり。
 花が無いはずの地に見つけたという、牡丹ではないが、白の花と、青の花を象徴的に使われたり(『石橋』では、白と赤の牡丹)と、岸谷五朗の舞台における思考の小粋さを感じた。
 
 
 話は、明治新政府軍と蝦夷共和国建設に止まらない。観客が勝手に勝手な判断で広義で考えると、人間や集団、社会、国家における本質的部分。古代の集合体が始まった頃から起こり始め現在における深刻な部分を、新撰組を絡み合わせることにより、若干和らげ、演劇という横幅と奥行きを以って現代社会問題さえも見事に使い暴いた秀作。
 
 
 また、以前から好きな役者の一人であるが、岸谷五朗が上手い。舞台の楽しませ方と、間を心得ておられ、若干このままの笑いで終わるのかと思いきや、影(絵)から入る彼の太刀捌きに見入ってしまった。
 渋い!
 
 こんな舞台なら観てみたい。
 劇場で見たかったと思える作品の一つであった。
 
 
 
 
 
以下はwowow  HP▼

岸谷五朗・寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」。舞台初主演の新田真剣佑を迎え、結成25周年を祝し、あの名作がよみがえる。

海の神とされるシャチに運ばれてひとりの青年(新田真剣佑)が小さな島の浜辺に打ち上げられた。その島には笑顔と踊りの民族であるタバラ族が暮らしており、記憶を失ったその青年は、タバラ族の女ステラ(笹本玲奈)に優しく介抱され、シャチと名づけられる。しかし、シャチと一緒に流れ着いたもうひとりの倭人トド(岸谷五朗)を、タバラ族の勇者であるカイジ(松本利夫)とザージャ(寺脇康文)はなかなか受け入れることができない。だが、言葉も慣習も違う倭人とタバラ族の間に、次第にかすかな信頼関係が生まれ始める。
しかし、明治新政府軍と蝦夷共和国建設を目指した旧幕府軍との争いが始まり、タバラ族は追われ、ひそかに大切な作物を育てていた「星の大地」は無残にも踏みにじられていく。そして、その争いの渦に飛び込んだシャチは、失っていた記憶を取り戻すのだが…。

出演

  • 新田真剣佑
  • 笹本玲奈
  • 松本利夫(EXILE)
  • 湖月わたる
  • 愛加あゆ
  • 島ゆいか
  • 猪塚健太
  • 松浦司
  • 大平峻也
  • 大嶺巧
  • 碓井菜央
  • 原田治
  • 神谷直樹
  • おごせいくこ
  • 田口恵那
  • 砂塚健斗
  • 加藤真央
  • 大音智海
  • 咲良
  • 鈴木百花
  • 織里織
  • 高木勇次朗
  • Sarry
  • 杉山真梨佳
  • 青山恵梨子
  • 神田朝香
  • 内木克洋
  • 田邉浩仁
  • 高城徹
  • 筑紫珠楽(和太鼓)
  • 佐藤史織(津軽三味線)
  • 森公美子
  • 岸谷五朗
  • 寺脇康文

スタッフ

  • 作・演出
    岸谷五朗

岸谷五朗・寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」。舞台初主演の新田真剣佑を迎え、結成25周年を祝し、あの名作がよみがえる。

岸谷五朗と寺脇康文によって旗揚げされた演劇ユニット「地球ゴージャス」の結成25周年を祝して上演された「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」。舞台初主演となる新田真剣佑に加え、笹本玲奈、松本利夫(EXILE)、湖月わたる、愛加あゆ、島ゆいか、森公美子という豪華キャストを迎えた注目舞台を、WOWOWにて放送する。
本作は、2009年に初演され、大好評を博したステージの新演出版。主題歌には、作品のために書き下ろされたEXILEの「愛すべき未来へ」が引き続き使用され、歌やダンスがふんだんに披露されるエンターテインメント性の高いステージとなっている。主演の新田の「地球ゴージャス」への参加は、前作の「ZEROTOPIA」に続いて2作目。その観る者を圧倒する演技力のみならず、殺陣、歌、ダンスと舞台を縦横無尽に駆け巡る姿に注目だ。
舞台は、3月から4月にかけての東京公演が一部公演中止、大阪公演は全公演中止となってしまった。公演を楽しみにしてくださっていたファンにこの作品を届けたいという想いから無観客による収録を行ない、舞台上からも撮影するなど臨場感あふれる特別版で放送。ぜひテレビの前で楽しんでいただきたい。

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』25 「秋の夜に さハしら柿の味よりも あわせさるにも 味まさりけり」十五丁表 

2020-06-21 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』25  「秋の夜に さハしら柿の味よりも あわせさるにも 味まさりけり」十五丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

十五丁表

をかし男有りけり、熟(シュクシ)柿ともいはさりける柿の

さすかにうまけりけれハ、女の元にいひやりける、

  秋の夜に さハしら柿の味よりも 

  あわせさるにも 味まさりけり

柿このみなる女返し

  残もなき われをハすきとしらねハや

  こる/\柿の あちよくもくふ

 

 

十五丁表

◯おかし男有りけり、熟し柿とも云わざりける柿の

流石に美味けりければ、女の元に言いやりける、

  秋の夜に さ は 知ら柿の味よりも 

  合わせざるにも 味勝りけり

柿好みなる女返し

  残も無き 我をば好きと知らねばや

  コルコル(コリコリ)柿の 味良くも食う

 

熟柿(シュクシ あわじ →会わじ)  

『伊勢物語』では、「言わざりける女」おとこに会おうとも言わず、また、あわないとも言わなかった。思わせぶりなしぎさをする女で、しかもそう云いながら、情ありげで、いざとなると会おうとしない女。  岩波古典文学大系『伊勢物語』 頭注

こる/\

 こり/\(柿の食感)

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  秋の夜に さハしら柿の味よりも 

  あわせさるにも 味まさりけり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  秋の野に 笹わけし朝の袖よりも

  逢はでぬる夜ぞ ひぢおまさりける

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  残もなき われをハすきとしらねハや

  こる/\柿の あちよくもくふ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  見るめなき わが身をうちと知らねばや

  かれなで海人(あま)の 足たゆく来る

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』24 「粟・稗(ヒエ)のとし見事にで来たれハ  もちをつくとて 手の暇もなし」十四丁表 十四丁裏 十五丁表

2020-06-20 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』24「」十四丁表 十四丁裏 十五丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年

 

 

 

  

 

 

十四丁表

◯をかし男、片田舎に住けり、男、都へとて、草鞋(ワランチ)

緒をしめていきけるまゝに、三月こさりけれは

まちかねけるに、いと仕事する人に餅くハせんと

左右

十四丁裏 十五丁表

ちきりたりけるに、此男もとりける、此戸あけゐへと

ゝきけれとあけで歌よみて、出したりける

  粟・稗(ヒエ)のとし見事にで来たれハ

  もちをつくとて 手の暇もなし

といひ出したりければ、

  角豆もち 粉もち粟もちとしつくと

  吾残るゝハ 粳(ウル)も えつかし

といひていなんとしけるは、女、

  あつきもち つけとつねと外よりも

  (クロ)ハあとへ あきにしものを

といひけれと、男腹立てけり、いとかなしくて

尻からけ して馳走すれと、お湯ものまて 白水

十五丁表

のある所に滑(スベり)ける、そこなりける飯椀に大指の

爪ひたしにもりて、さしつけける、

  相思ハて しかれる人を すゝめるも

  わがくふ餅ハ ひへハへぬるめ

とよみて、それは花びらになりけり

 

十四丁表

◯おかし男、片田舎に住みけり、男、都へとて、草鞋(ワランヂ)

緒を締めて行きけるままに、三月来ざりければ

待ちかねけるに、いと仕事する人に餅くはせんと

十四丁裏 十五丁表

契りたりけるに、此男、戻りける、此戸開けいえと

叩きけれど、開けで歌詠みて、出したりける

  粟・稗(ヒエ)の 年見事に 出来たれば

  餅をつくとて 手の暇も無し

と云い出したりければ

  角豆餅 粉餅 粟餅と しつくと

  吾残る流は 粳(ウル)も 得つかし

と云いていなんとしけるは、女、

  熱き餅 つけとつねと外よりも

  枢(クロゝ→くるる)は後(あと)へ 飽きにしものを

と云いけれど、男腹立てけり、いと悲しくて

尻からげ して馳走すれど、お湯も 飲まで、 白水

十五丁表

の有る所に滑りける、そこなりける飯椀に大指の

爪浸しに盛りて、指(さし)浸けける、

  相(あい)思わで 叱れる人を 進める

  我が食う餅は 稗(ひえ →冷え)は 得 ぬるめ

と詠みて、それは花びらになりけり

 

粟・稗(ヒエ)→手の暇もなし

 実り、餅をつくいたが、手の暇がない^^

(クロ

 枢(くるる)戸のくいの一部

尻からけ

 尻からげ

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  粟・稗(ヒエ)のとし見事にで来たれハ

  もちをつくとて 手の暇もなし

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  あらたまの 年の三年を待ちわびて

  たゞ今宵こそ にゐまくらすれ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  角豆もち 粉もち粟もちとしつくと

  吾残るゝハ 粳(ウル)も えつかし

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  梓弓 真弓槻弓年をへて

  わがせしがごと うるはし見せよ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あつきもち つけとつねと外よりも

  枢(クロ)ハあとへ あきにしものを

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  梓弓 引けど引かねど昔より

  心は君に よりにし物を

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  相思ハて しかれる人を すゝめるも

  わがくふ餅ハ ひへハへぬるめ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  あひ思はで 離(か)れぬる人をとゞめかね

  わが身は今ぞ 消え果てぬめる

 

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舞台『caligula  カリギュラ』  アルベール・カミュ作 蜷川幸雄演出 小栗旬 若村麻由美 横田 栄司 他

2020-06-20 | 舞台・芝居

2011.12 御まつり 後宴能『殺生石』 (春日大社)

 

 

 蜷川幸雄演出 小栗旬主演の舞台『caligula  カリギュラ』を見る。

 今から10年前、うまい役者たちの中で、花沢類のイメージを全て捨て舞台に挑んでおられた小栗旬に、改めて好感を感じた。

 また、若村麻由美の舞台後半の感情移入は見事で、小栗旬主演の舞台『カリギュラ』の相手は若村麻由美を置いて他になかったのでは無いかとも思わせる渋い美しいなりきりであった。

 また、小栗旬に顔を近づけた勝地涼の表情は、もう一人の小栗の人格をも感じさせ、この場面も感心した。

 感心したといえば、横田 栄司。この方はうまい。声良し間良し表情良し。おまけに重厚で、舞台が上等に感じられる。横田 栄司の作品を注意して見てみたい。

 

 それにしても、小栗旬は頑張っておられた。

 好きな役者の作品を見ると、ついつい見ている側も力がこもり、見終わった後には程よい緊張の疲労感と満足感が残る。

 こんな舞台なら、見に行きたい。

 

 歌舞伎、能楽、芝居、祭り伝統芸能を見に行きたい。

 舞台が見たい。

  芝居が見たい。

    劇場に行きたい。

      見たいんだヨォ〜〜〜

 と、内心、叫ぶ。

 

 

 

 

 舞台『カリギュラ』 蜷川幸雄演出
 残虐非道なローマ帝国の若き皇帝・カリギュラと、それを取り巻く人物の悲しい模様を描いた本作。蜷川とは『ハムレット』(2003年上演)以来の付き合いという小栗は「蜷川さんは、普段携わることのない文化や、演劇の良さを届けてもらえる偉大な方です。劇中の見所? (4種類の)女装をします。悪役ですが、楽しみにしてください!」とアピール。蜷川も「この話は彼のために演出した。今、人気が出てブレイクしているのは当たり前。悪そうで利口、芝居も上手いんですよ」と褒めると、小栗も「本当は純粋でピュアです!」と、ジョークを飛ばす間柄で、仲の良さを表していた。

 

  • 演出 蜷川幸雄
  • アルベール・カミュ
  • その他
    岩切正一郎
  • 小栗旬
  • 勝地涼
  • 長谷川博己
  • 横田栄司
  • 月川悠貴
  • 廣田高志
  • 新川將人
  • 冨岡弘
  • 塾一久
  • 青山達三
  • 磯部勉
  • 若村麻由美

 


 舞台『カリギュラ』

 2010年11月7日から30日まで

 Bunkamuraシアターコクーンで上演される。

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』23「つといつか ゐのしゝくひし まる額(ビタイ) わりにけらしな 飯汁の椀 」十二丁裏 十三表 十三裏 十四表

2020-06-19 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』23「つといつか ゐのしゝくひし まる額(ビタイ) わりにけらしな 飯汁の椀

」十二丁裏 十三表 十三裏 十四表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

 

 

 

  『伊勢物語』23は、筒井筒^^

   能楽の『井筒』が見たい〜〜!

 

 

 

左右

十二丁裏

◯をかし、ゐ中下りしけり、人の子とも、猪をゆでて

十三丁表

齧(クライ)けるを、おとなに成にけれハ、男も女もはち

たたきの子也けれと、男ハこの業(シワサ) いやとおもふ、女

も是をいやとおもひつゝ、親のをしふれとも

ならハてなん、有ける、さて、此隣(トナリ)の男の許(モト)よりからなん

  つといつか ゐのしゝくひし まる額(ビタイ)

  わりにけらしな 飯汁の椀

返し

  くらひにし ふるかけ御器も かいわりぬ

  君ならすし 誰かくるへき

なといひて、つひにほいのことくよびにけり、

さて年頃経るほとに、女、親なく、たよりなく

なるまゝに、もろとも飯米なくてあらんやハとて

左右

十三裏 

交跡(カウチ)國・たかさ國へわたりて、いきかよふたより

出来にけりたるけれハ、この里(モト)姓(テ)、お脚(アシ)なとおほく

程もなくて、たのしかりけれは、男こと女ありて、か

づらふに思ひくたひれて、千年の中もかれ/″\

にて、ちなみぬるかほにてみれは、此女、いと仕事

なとして、うちなかめて、

  風吹かハ おきて白波 焼亡の

  用心きびし ひとりなれとも

とよみけるを聞て、限なくかはゆく思ひひて、手かけ

へもいかすなりにけり、まれ/\かの手かけにいきてみれハ

始こそ心にくく繕(ツクロイ)けれ、今ハうちとけて手つら

飯釜たきて、肴有のかうの物をきりけるを見て

十四表

心うるさくていかすなりにけれハ、かの女男の

かたを見やりて

  君かあたに みす/\ならん いかつちの

  雲まに落て あたまとるへく

といひておとすに、こハかりて、男こんといへり、よろこひ

て、まつにたび/\うそなりけれハ

  君こんと 鳴て夜ことに きつねとも

  狸とも身を なしつゝや ねん

といひけれと、男すまぬかほなりけり

 

 

十二丁裏

◯おかし、意中下りしけり、人の子とも、猪を茹でて

十三丁表

齧(クライ)けるを、大人に成りにければ、男も女も鉢叩き

の子也けれど、男はこの業(仕業) 嫌と思う、女

も是を嫌と思いつつ、親のをしふれども

ならば手なん、有ける、扨(さて)、此(この)隣(となり)の男の許(モト)よりから なん

  つとい(未詳 集いか?)つか 猪食いし 丸額(まるびたい)

  わりにけらしな 飯汁(いいじる)の椀

返し

  食(くらい)いにし 古かけ御器(ごき)も かい割りぬ

  君ならずし 誰かくるべき

なと言いて、つい匂の如く呼びにけり、

さて年頃経る程に、女、親無く、たよりなく

なるままに、もろとも飯米無くてあらんやは、とて

十三裏 

交跡(カウチ)國・高砂國へ渡りて、行き通う便り

出来にけりたるければ、この里(モト)姓(テ)、お脚(アシ)など多く

程も無くて、楽しかりければ、男こと女 有りて、かか

づらうに思いくたびれて、千歳の中もかれがれ

にて、ちなみぬる顔にて見れば、此女、いと仕事

等して、うち眺めて、

  風吹かば 起きて白波 焼亡(じょうまぶ)の

  用心厳し 一人なれども

と詠みけるを聞て、限なく可愛ゆく思いいて、手掛け

へもいかす也にけり、まれまれ かの手掛けに行きて見れば

始こそ心憎く 繕(ツクロイ)けれ、今は打ち解けて手づら

飯釜 炊きて、肴有の香の物を切りけるを見て

十四表

心五月蝿(うるさ)くて 行かすなりにければ、かの女男の

方(かた)を見やりて

  君があだに みすみすならん 雷(いかつち)の

  雲間に落ちて 頭とるべく

と言いて落とすに、怖がりて、男こんと言えり、喜び

て、待つに度々 嘘なりければ

  君こんと 鳴りて夜毎に 狐ども

  狸とも身を 成しつつや 寝ん

と言いけれと、男すまぬ顔也けり

 

 

 

 

齧ける(クライ)ける

 噛(かむ) の異体字  (部首 歯)

 ケツ、ゲツ、か-ける、かじ-る、か-む、

 意味 かむ、かじる、噛み付く、歯で噛む、かける、かく、かけている、

交跡國(カウチ-こく)(こうし、こうち)

 交趾郡 - 前漢から唐にかけて置かれた中国の郡、県の名称。

 交趾国 - ベトナム北部の黎朝時代の呼び名

 しな-フランス-統治時代のベトナム南部に対する呼称。

 交趾跡の通称

千年

 千歳

焼亡(じょうまふ)

 火事

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  つといつか ゐのしゝくひし まる額(ビタイ)

  わりにけらしな 飯汁の椀

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  筒井つの 井筒にかけしまろがたけ

  過ぎにけらしな 妹見るざまに

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  くらひにし ふるかけ御器も かいわりぬ

  君ならすし 誰かくるへき

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  くらべこし 振分髪も肩すぎぬ

  君ならずして 誰かあつべき

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  風吹かハ おきて白波 焼亡の

  用心きびし ひとりなれとも

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  風吹けば 沖つ白波たつた山

  夜半(は)にや君が ひとりこゆらん

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  君かあたに みす/\ならん いかつちの

  雲まに落て あたまとるへく

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  君があたり 見つゝを居らん生駒山

  雲なかくしそ 雨は降るとも

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  君こんと 鳴て夜ことに きつねとも

  狸とも身を なしつゝや ねん

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  君来るむと いひし夜ごとの過ぎ塗れば

  頼まぬ物の 恋ひつゝぞふる

 

 

 

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映画『MONSTERZ モンスターズ』藤原竜也 山田孝之 中田秀夫監督 2014年

2020-06-18 | 映画

 

 

  映画『MONSTERZ モンスターズ』

 

藤原竜也

山田孝之

2014年

中田秀夫監督

 

 以前にも見た映画『MONSTERZ モンスターズ』をもう一度見て見た。

 全体の筋書きや、藤原竜也、山田孝之ご両人の演技が印象深く、隅々まで覚えていた。

 説明を見ていると、サンペンス・アクションなどと書かれているが、話の展開が深いののか出演者の演技が皆素晴らしいのか、ノン言愛を感じる。

 宿命と言う言葉が、頭をよぎる。

 

 藤原竜也、山田孝之の二人の役者を観て、前者は素晴らしい演技力を感じ、後者は天才という言葉が当てはまると感じた。

 それにしても此の年代、素晴らしい役者が多いと感心すること、仕切りなし。

 

 ネットを観ていると評価は低いものが多かったが、私は此の映画は好きだな^^

 

 

以下はexciteニュース

中田秀夫監督、藤原竜也、山田孝之という日本映画界のトップクリエイターが集結した、サスペンス大作の正式タイトルが「MONSTERZ モンスターズ」に決まり、第1弾ビジュアルが解禁された。

「生まれた時から、眼差しひとつで人間を自由に操れる“男”」を演じるのは、「デスノート」「カイジ」「藁の楯 わらのたて」とヒット作が続く藤原。「唯一、操れない男=終一」を演じるのは、幅広い役で圧倒的な数の映画に出演し、最近作「凶悪」でも高い評価を受けた山田。日本映画界を盛り上げる2人だが、意外にも共演は本作が初めてだ。

今回解禁されたビジュアルは、藤原と山田の2人を大きく捉えたもの。こちらを見つめる凛とした表情と力強い眼差しから、2人それぞれの強い信念を感じさせる。また、いずれも黒い衣装に身を包み、背景も黒一色。2人以外の一切の情報を省いたシンプルさから、彼らに立ちはだかる宿命の大きさ、その闘いのスケール感を想像できる斬新なデザインとなっている。

また、正式タイトル「MONSTERZ モンスターズ」の決定にあたり、本作の佐藤貴博プロデューサーは、「仮タイトルの『MONSTER(仮)』からのバージョンアップとしては、読み仮名にあるとおり『モンスターズ』と複数形になったこと。人間を操ることができるという忌まわしき能力を持った藤原竜也演じる“男”が<MONSTER=怪物>であることは間違いないのですが、その怪物に対峙する山田孝之演じる田中終一も含めて、2人ともが怪物であるということを複数形のタイトルが意味しています。なぜ普通の人間である田中終一も<モンスター>なのか? これは映画本編を観てのお楽しみ!」と“MONSTER”に込めた意味を説明。

そして複数形のSではなく、“Z”としている点については「この2人の闘いと存在が、Z=究極であることも意味しています。また、“Z”の文字は並行する2本の直線と、それに交差する斜線で形成されています。つまり交わるべきではなかった2人の男が出会ってしまう宿命を“Z”が表しています。どちらが勝利するかわからない究極の2人の男の激突、そして何故2人ともが怪物であるのか? という謎が込められたタイトル『MONSTERZ モンスターズ』。映画本編を観た後に、このタイトルの意味がより深く響くはずです。お楽しみに!!!」と決定に至った意図を明かした。

本作の原案は2010年韓国で大ヒットしたオリジナル映画「超能力者」。世界12か国の映画祭に出品された話題作を、強力な日本の布陣で映画化する作品だ。ヒロインには石原さとみを起用。さらに木村多江、松重豊ら演技派がスクリーンを引き締める。

映画「MONSTERZ モンスターズ」は2014年全国ロードショー。


☆「MONSTERZ モンスターズ」ストーリー

ひと目見るだけで、すべての人間を思いどおりに操れる男がいる。その能力をもってすれば、世界を手に入れることも可能なのに、男はたった一人で静かに生きてきた。必要な時だけ力を発揮し、相手は操られたことはおろか、男の存在にさえ気づかない。男はそんな絶望の闇に包まれた孤独な人生が、死ぬまで続くと思っていた。ある男に会うまでは――。

彼の名は田中終一。いつものように男が周りの人間を静止させた時、彼だけが自由に動いていた。見た目は全く普通なのに、いったい何者なのかと愕然とする男。やがて男は「思い通りにならない奴はいらない」と怒りを燃やし、終一を消し去ることを決意する。

一方、終一は男に大切な人を殺され復讐を誓ううちに、男を止められるのは自分だけだと気づき始める。実は終一も、他人とは違う特別な能力を秘めていた。二人の出会いは宿命なのか――今、周囲の人々を容赦なく巻き込む、壮絶な激闘が始まる!

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 22 「姥(ウバ)ながら 味をかえしもわすれねは かくうまき物 猶そ食ひたき」十二丁表 十二丁裏

2020-06-18 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 22 十二丁表 十二丁裏

 

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

十二丁表

◯をかし男歯いたくてたべにける物、猶やわすれ

さりけん、老婆(ウバ)のもとより

  姥(ウバ)ながら 味をかえしもわすれねは

  かくうまき物 猶そ食ひたき

十二丁裏 

といへりけれハ、されハよといひて、男

  あいともに 心ひとしきかのしらの

  味噌のなかれす くハしともおもふ

とハ人、その夜、恋(こ)にけり、いにしへ食ひける事

ともなといひて

  あかりこの 椀を織部になすらへて

  八たびくはゞ あく時のあらん

返し

  あかり子の 椀を織部になせるとも

  汁ハ残りて みやはのこらん

いにしへよりあはれて「なん、くらひける

 

十二丁表

◯おかし男、歯痛くて食べにける物、猶や忘れ

去りけん、老婆(ウバ)の元より

  姥(ウバ)ながら 味を変えしも忘れねば

  かく旨き物 猶そ食いたき

十二丁裏 

と言えりければ、「さればよ」と言いて、男

  相共に 心ひとしき かの しらの

  味噌のなかれす 食わしとも 思う

とは、人、その夜、恋(こ)にけり、古(いにしえ)食いける事

ともなと言いて

  あかりこの 椀を織部に準(なずら)えて

  八度食わば 飽く時のあらん

返し

  あかり子の 椀を織部になせるとも

  汁は残りて 實(み)やは残らん

古(いにしえ)より哀れてなん、食いける

 

 

 

織部

 底が浅く、上が広く開いている塗椀。茶人古田織部正重然の創制。

みや實(み)や

 汁に入っている肉

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  姥(ウバ)ながら 味をかえしもわすれねは

  かくうまき物 猶そ食ひたき

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  憂きながら 人をばえしも忘れねば

  かつ恨みつゝ 猶ぞ恋しき

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あいともに 心ひとしきかのしらの

  味噌のなかれす くハしともおもふ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  あひ見ては 心ひとつをかわしまの

  水の流れて 絶え時とぞ思ふ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あかりこの 椀を織部になすらへて

  八たびくはゞ あく時のあらん

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  秋の夜の 千代を一夜になずらへて

  八千代し寝ばや あく時のあらん

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あかり子の 椀を織部になせるとも

  汁ハ残りて みやはのこらん

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  秋の夜の 千代を一夜になりせとも

  ことば残りて とりや鳴きやん

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 21 「いてゝ遊(ゆ)かハ 心かるしとわらハれん 世の方西(ほうさい)を 人ハしらねは」十一丁表 十一丁裏 十二丁表 

2020-06-17 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 21 十一丁表 十一丁裏 十二丁表 

 

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

十一丁表 

◯をかし男いと かしけおとろへて、米銭もなかりけり、

さるをいな事をならひて、いさなふ物につきん

よの事をへんと思て、出ておとらんと思て、

鉦(カネ)なとをかふて、顎(あご)にかけける、

  いてゝ遊(ゆ)かハ 心かるしとわらハれん

  世の方西(ほうさい)を 人ハしらねは

とよみをきて、出て申ける、此男、かねをたゝき

おとれど、けしう米をくるへきともおほへねハ

何によりてか、かゝらんと、いといたう申て、いづかたに、もと

めらハんと、門/\に行て、とんつはねつおとれ

と、いつくも ほなしこと、くれさりけれハ、帰入て

左右

十一丁裏 

  おもふ米 くれぬなりけり 銭かねを

  あだにつかひて われやすりきる

といひてながめをり

  ひとはいさ わらひやすらむ われがつら

  水ハかりのみ いとゞやせつゝ

此女、いとひたるくありて、念しわひてにや有

けん、飯をたきけり、

  ひたるさを わするゝ米の めしをたに

  一腹くひて へらせすもがな

返し 

  米のめし めしくふとたに 聞ものならハ

  あまりのなくは 汁もすはまし

十二丁表

/″\ありしとて、飯くひて、男

  おとらんと おもふ心の うた念仏

  あるき/\も、申しぬるかな

返し

  なかき日に 立はる脛(スネ)のくたひれハ 

  かふかひなきも なりにける鉦(カネ)

とハいひけれと、をのか欲にて有りけれハ、有徳に

成にけり

 

十一丁表 

◯おかし男いと傾げ衰えて、米銭も無かりけり、

去る追いな事を習いて、いざ のう物につきん、

世の事を変と思て、出出て劣らんと思て、

鉦(カネ)なとを買うて、顎(あご)に掛けける、

  出でて行(遊 ゆ)かば 心軽しと笑われん

  世の方西(ほうさい)を 人は知らねば

と詠みを聞きて、出でて申しける、此男、鉦を叩き

踊れど、異しう(けしう)米を来るべきとも思えねば

何によりてか、かからんと、いといたう申して、何方に、もと

めらはんと、門門に行きて、飛びつ(とんつ)はねつ 踊れ

と、何處もほなし事、くれざりければ、帰入て

十一丁裏 

  思う米 くれぬなりけり 銭かねを

  あだに使いて 我や すりきる

と言いて眺めおり

  人はいざ 笑い安らむ 我が面(つら)

  水は かりのみ いとどやせつつ

此女、いとひたるく有りて、念しわひてにや有

けん、飯を炊きけり、

  饑さ(ひだるさ)を 忘れるる米の 飯をだに

  一腹食いて 減らすもがな

返し 

  米の飯 飯食うとだに 聞くものならば

  あまりのなくは 汁も吸はまし

十二丁表

まだまだ有りしとて、飯食いて、男

  おとらんと 思う心の歌念仏

  歩き歩きも、申しぬるかな

返し

  長き日に 立わる脛(スネ)のくたびれば 

  買うかい無きも 鳴りにける鉦(カネ)

とは言いけれど、おのか欲にて有りければ、有徳に

成にけり

 

かしけ

 痩せて生気なく

いな事

 風変わりな事、奇妙な事

けしう(異しう)

 どうしても、とても

念しわひて

 念じ詫びて

有徳

 金持ち

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  いてゝ遊(ゆ)かハ 心かるしとわらハれん

  世の方西(ほうさい)を 人ハしらねは

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  出でて去(い)なば 心軽しといひやせん

  世のありさまを 人は知らねば

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  おもふ米 くれぬなりけり 銭かねを

  あだにつかひて われやすりきる

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  思ふかいなき 世なりけり

  年月を あだにちぎりて 我や住まいし

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  ひとはいさ わらひやすらむ われがつら

  水ハかりのみ いとゞやせつゝ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  人はいさ 思ひやすらん 玉かづら

  面影にのみ いとゞみえつゝ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  ひたるさを わするゝ米の めしをたに

  一腹くひて へらせすもがな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  今はとて 忘るゝ草のたねをだに

  人の心に まかせずも哉

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  米のめし めしくふとたに 聞ものならハ

  あまりのなくは 汁もすはまし

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  忘草 植ふるとだに 聞く物ならば

  思ひけりとは 知りもしなまし

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  おとらんと おもふ心の うた念仏

  あるき/\も、申しぬるかな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  わする覧(らん)と 思ふ心の歌がひに

  ありしよりけに 物ぞ悲しき  

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  なかき日に 立はる脛(スネ)のくたひれハ 

  かふかひなきも なりにける鉦(カネ)

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  中空に 立ちゐる雲のあともなく

  身のはかなくも なりにける哉

 

 

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