3年目の夏、大学病院の夏期休暇を夏の間はバイトを休む先生達の代理として働き、夏休み期間だけで100万円稼いだことがあります。
その夏は大学病院で働くより開業医で一般診療している時間の方が長く、まるで開業医に就職して毎日違う分院に通っているかのようでした。
当時は大学病院で一般診療はほぼしていませんでしたので、毎日のように開業医で働くことで、前回のことを忘れる前に次の治療にすぐに役立てることが出来て、日々上達するのを感じていました。
この頃は仕事を覚えて慣れてきたこともあり、主訴を聴くのが楽しく、患者さんに出来るだけ希望を言ってもらい、それら全てを叶えてあげようと、何でも出来る気になっていました。
開業医では時間的にも道具的にも対応出来ない症例などは、大学病院まで来ていただいて治療したり、バイト先の昼休みに片道30分かけて大学病院に戻り、昼休みで人のいない外来で埋伏歯抜歯をしていたこともありました。(これは先輩に注意、忠告された。)
夏も終わる頃、土曜日に午前中の大学病院、午後の総合病院内の歯科診療室、夜の開業医で働いた後、カラオケをしていた医局員達に合流したのですが、そのときは非常に盛り上がって朝まで遊んでいました。
明るくなる頃に車が止めてある大学病院に戻り解散になったのですが、そのとき思い出したのです
「俺、当直だった。」
本当に忘れてました、みんな驚いていたのですが、帰って寝ようとしていた私が一番びっくりしました。
9時から24時間の日直、当直です、帰ったら寝てしまうのが怖いので、そのまま医局のソファーで仮眠をとりました。
日直は入院患者さんの処置だけで、急患等もそれほど無く、昼間から寝ていたのですが、翌朝月曜日は外来の日直としてそのまま9時から5時まで診療をした後、夜からのバイトに出かけました。
とどめに、翌日は朝5時に起きなければ間に合わない、車で遠方へのバイト、帰路の首都高は都内に入るといつも通り渋滞していました。
当時は、いろんな意味で無理。
今では、いろんな意味で無理。
つづく