痛かったら手を挙げろ

時々タイトルが変わります

コアが出てこない(予約を取らない歯医者 その9)

2018年10月27日 18時26分05秒 | 今日の天使

破折で抜歯で隣接歯の状態を確認してからのブリッジなんてよくある話なのだが、ある日、そんな感じで仮歯のブリッジを入れようと抜歯窩隣の補綴物を除去すると、中身が2次カリエスでグズグズなのよ。

 

仮歯としても使えない状態なので説明と違って申し訳ないと謝って、さらに隣の歯の除去をしたら、今度はポストクラウンで削ってもコアが出てこないのよ。

 

ほら、根治しないし、ポストクラウンだし、連結するし、タービンしか使わないし、カリエス取らないし、即日印象だし、稀な生活歯の補綴物の以外の中身はカリエスでグズグズか、パーフォレーションしてるか、ポストクラウンか、最低限再根治しないと怖くて使えないのよ。

 

でもさ、もう一度使えれば良い方でさ。

 

義歯を新製して補綴物にクラスプをかければそれがすぐに脱離、歯根がカリエスでグズグズで再セットも再補綴も不可なので仕方なく増歯で残根上の義歯にして新たに隣接歯にクラスプをかければ、それまたすぐに脱離。

 

あるいは、ブリッジとして使おうと思う歯がすでに連結されていて、連結部を切断するとポロッと脱離とね。

 

治療方針を説明するのに物凄く慎重になったし、その頃から前医の性格まで考えて再治療をするようになったね。

 

除去時は常にストレスにもなったけど、あらゆる可能性と最悪の状況を常に考慮に入れて治療計画を立てられて、それを事前に説明するよう鍛えられましたよ。

 

 

次回、残根上の義歯

 


直接法でメタルコア(予約を取らない歯医者 その8)

2018年10月17日 19時37分04秒 | 今日の天使

メタルコアってさ、印象取って模型上でワックスアップの間接法で作るじゃない。でもさ、インレーでもコアでも口腔内で直接ワックスアップって方法があるのよ。

 

授業では聞いたことがある気がするけど、現物や実習では見たことなかったけどね。

 

通常通りにインレー等を形成したら、軟化したワックスを歯に圧接してさ、それをアマルガムのように口腔内でカービング後にピンを立てて取り出してそっくりそのまま埋没鋳造するのよ。

 

模型を介さないので精度は良いらしいよ。

 

研修医時代は補綴物を自分で鋳造してたからさ、そんな直接法のワックアップを実験的にやった事があって、その時は補管中で脱離したブリッジのコアを口腔内で直接ワックスアップしたのよ。

 

脱離ブリッジでコアを失くした歯に根管形成してさ、根管内に燃焼するピンとワックスを圧接して抜けるのを確認したら脱離した冠の内面を滑らかに磨いてそっちにもワックスを流し込んでさ、固まる前にブリッジを戻して圧接してコアのワックスパターンを作ったのよ。

 

まさか、10年後にその時の経験が役立つとはね。

 

院内技工士がいたのでワックスパターンを渡して脱離した前装冠に合うメタルコアを作製しましたよ。

 

すぐに鋳造で翌日にはセットでしたね。

 

今だったら2次カリエスと根管内に残ったコアと前装冠内面のメタルコアを除去してさ、歯質とメタル内面を処理したらファイバーコアとデュアルキュア型セメントで合着して1日で終了だったろうね。

 

 

次回、コアが出こない

 


コアを除去せず根管形成(予約を取らない歯医者 その7)

2018年10月12日 19時28分19秒 | 今日の天使

まず何を言ってるのか意味不明だと思うけど、左上3番の前装冠がコアごと脱離で来院したんだけど、歯を確認するとコアが残ってるのよ?

 

って事はコア破折なんだけど、脱離した補綴物のコアの断面を見ても破折じゃないし?レントゲン撮ったらコアが残ってるし??

 

??? 

 

カルテの行間を読み解くと、前回の治療時に、他院で入れた破折脱離したコアを全部除去せずに新たな根管形成を頬側へオフセットして形成したらしいのよ。補綴はポストクラウンね。

 

太い犬歯だったからパーフォレーションはしてなかったけど、タービンで届く範囲の形成なので短くて早期に脱離とね。


スーパーボンドで再セットでも良いんだろうけど、脱離はまだ良い方で、このまま取れないとオフセットした根尖で破折するのよ。

 

残ったコアを削って超音波スケーラーも併用して除去しました。

 

根管形成で一件落着と思うじゃない?

 

でもさ、補管中なのよ。。

 

 

次回、直接法でメタルコア


タービンしか使わない(予約を取らない歯医者 その6)

2018年10月06日 18時30分40秒 | 今日の天使

院長、基本タービンしか使わないんだよね。

 

補綴物の除去頻度は高いので、除去バーは常に新品を下ろしていたよ。

 

1回のみ使用の除去バーがもったいないので、おこぼれを集めて使っていたよ。スタッフがとっておいた在庫も大量にあったので、それも貰ってつい最近まで使ってました。

 

一世代前のタービンなんだろうね。ヘッドが大きくて軽くて、少し甲高い音がする削ると軽い感触なんだけど、とにかくトルクが無いのよ。

 

でも、初めてではなくてさ、昔、1年間くらい月1か2回で日曜日の午前中だけバイトしていた院長に一度も会わずに辞めた歯医者で使った事はあったんだけどね。

 

回転数を維持しないと削れないのでフェザータッチは必須だったし、そのうち、FMCの形成時なんかは除去バーでエナメル象牙境を狙って削るテクニックを編み出したよ。

 

もちろん最後にはダイヤモンバーで形を整えるけどね。

 

でさ、院長、根管形成もタービンだけなのよ。

 

でも、ほら、トルクは何とかなるにしても、タービンだけだとバーの長さや、隣接歯やらで届かない場合もあるじゃない?長いバーもあるか?

 

そんな時は歯頚部の高さで真横にバーを入れてフラットに削ってから根管内を形成って、前の職場でもそんなの見たなーって帯冠効果無視のテクニックを使っていたね。

 

ポストクラウンブリッジだと、変に歯質を残したり複数根の形成をすると平行性が取れないのもあったろうね。

 

上顎第1小臼歯の2根の根管形成もそんな感じで、さらにバーを頬舌的に動かすのでやたらパーフォレーションしていたよ。

 

それでいて基本4番5番の治療はセットで連結HJCね。

 

もちろんコア付きポストクラウンなんだけど、瘻孔ありがデフォね。

 

脱離したら再セットね。

 

再脱離時は隣接歯を削ってさらに連結歯を増やすってね。

 

 

次回、コアを除去せず根管形成