夫の身内に対する態度は、明らかに尋常ではなかった。もちろん、妻である私への態度は今まで述べた通り怒りと不機嫌と無視等モラハラの嵐だったが、自分の親兄弟に対しても常に怒りの気配を漂わせていた。以前夫の実家に泊まったとき、夫は母親に対して優しい言葉をかけていたと思ったら、母親の些細な言動に腹を立て怒声を浴びせた。そして母親が楽しみにしているテレビ番組について「こんなくだらない番組みるんじゃないよ」とテレビを消した。そんな時、母親は黙っていた。あるときは陰で泣いていた。そんなとき、私も夫が怖くて黙っているしかなかった。夫の兄弟の家に遊びに行ったとき、夫は家に上がったとたん「汚い家だなあ。掃除してんのか?」と悪態をついた。そして自分の姪や甥に対して、「おまえはバカだからなあ」「アホだからそんなことしかできないんだ」と笑いながら話すが、冗談ともとれないたちの悪い内容に、皆引きつった笑いを浮かべるだけだった。
ある日、夫の父の何回忌かの法事があった。仏壇がある夫の実家で行うことになったが、そこでは夫がすべてを取り仕切った。仕出し料理なども夫が注文をした。法事が始まる前、親戚が実家に訪れ、夫は機嫌よく挨拶をしたが反面何か威圧的な態度を取っていた。お坊さんの読経が終わり、皆で料理を食べ始めたときも何か異様な雰囲気だった。周りは皆夫の機嫌を窺っている。夫は周囲に気前よくお酒を勧めながらも、ピリピリしたオーラを発散させていた。そんな中私は夫から「冷蔵庫からもっとビールだして」「ティッシュとって」と矢継ぎ早に命令され、席を温めるひまもなかったが、その中にとどまらずに済むことで返ってほっとしていた。夫はどうしてこんなに神経質になっているのか、私には理解できなかった。
反面、外面はとてもよかった。夫の友人が家に遊びにくれば、夫自らの手料理でもてなした。さっきまで仏頂面していたのにもかかわらず、私に笑顔を向けながら「僕はわがままだから、ウメは大変だと思うよ」と、友人に話す。その当時私は「ああ、夫も本当はそんなふうに思ってくれてるんだ」と勘違いしていた。
ある時、夫は不機嫌に夕食をとった後、大きな溜息をつき「近くのスナックに行ってくる」と出て行った。どうせ私の作った料理が気に入らなかったのだろう、と思いながら片づけをしていたら電話が鳴った。電話は夫の職場関係者で、どうしても早く確認したいことがあるので連絡欲しい、と言った。私は仕方なく夫を呼びに行くことにした。家から歩いて10分ほどのスナックに夫はよく入り浸っていた。店のドアを開けると甲高い笑い声が聞こえた。夫がこちらを見る。夫も笑っていた。「おう、どうしたんだ」「職場の人から電話があって、○○について確認したいっていうから早く伝えた方がいいと思って」夫は「ああ、まあ今すぐじゃなくてもいいや。(ママに向かって)これ、僕の奥さん。ウメちゃんも一緒に飲め」と言うので椅子に座った。ママが私に挨拶をしビールをついでくれた。夫はひたすら上機嫌だった。「ウメちゃん、ここのママはとっても歌がうまいんだよ~、ママ、歌ってよ~」そしてママが歌った。「ね、すごくうまいでしょ?ウメちゃんもそう思わない?」と満面の笑みで私の肩に手をおいた。ママは「そんなことないわよ~、○○さん(夫)の歌のほうが最高よ!」とはしゃいでいる。
私は目の前の光景を見て吐き気がした。このところ夫は私と1ヶ月以上も話さず、常に怒りのオーラを出していた。それがこの態度は何?この笑顔は何?こいつは二重人格か?夫への嫌悪感でじくじくとしながら「片づけが残ってるから帰るわ」と私は席を立った。夫は「僕はもう少しここにいるからね~」と私の背中越しに言った。帰る道すがら、私の心は夫への憎悪が湧き上がっていた。どうしてあんな態度がとれるのか?まったく信じられなかった。胸が腐りそうだった。
そしてある日、夫は「職場の若い子達を今度の土曜日呼ぶから」と言った。夫は職場では気に入った後輩達と一緒によく飲みに行き、奢ってあげているらしい。そこで夫の家に行ってみたい、という話しになったようだ。私は憂鬱だった。どうせまた虚構の夫像を見せつけられるのだと思うとやりきれなかった。が、どうしようもできない。
その日、家に来たのは若い女の子ばかりだった。仲良しグループらしい。「お邪魔しま~す」「はじめまして」と、彼女たちは家に上がった。私がお茶の準備をしている間、女の子達はテーブルに集まり、夫の人生訓みたいな話しを聞いている。夫はそんな話しが好きだ。自分の至らなさをもっともらしく吐露しながら、人生とは、生きるとは、みたいな理想論をぶつのだ。彼女たちは、神妙な顔で聞いている。夫が大好きな構図。私は心の中で大きな溜息をつきながら紅茶を入れ、皆に出した。そして用事があるから、と私は自分の部屋に引っ込んだ。夫は私が一緒にお茶を飲み、彼女たちと話すのを嫌がる。お客さんとの些細なおしゃべりについて後から「あんなことよく言うな…おまえは何様だ!」と夫から言われるのがおちだ。よく言われたことだ。
しばらくしたら、話しが盛り上がっているようではしゃぎ声や夫の笑い声が聞こえる。むかむかする気分をこらえた。そして夫が私を呼んだ。「お~い、こっちきて写真とってくれないか?」女の子の1人がデジカメをもってきていた。私は努めて笑顔を作り、デジカメを受け取った。夫の周りを女の子達が囲む。夫は、私には既にまったく見せることもなくなった、嬉しそうな笑顔を作っていた。私が「皆が入らないからもう少し寄ってみて」というと、夫は「もっと寄って!」と女の子達に声をかけ両脇にいる女の子の肩を抱いた。その瞬間私の中で怒りがこみ上げた。私は必死に笑おうとした。「はい、チーズ」夫が「もう一枚」と言った。私は夫の笑顔を見て、憎悪で目がくらみそうだった。やっとの思いで写真を撮り、デジカメを渡した。私は「ごゆっくり」とかろうじて皆に笑顔を向け、また部屋に引っ込んだ。
私はやり場のない憎悪に覆われ、何もかも破壊したい衝動にじっと耐えた。もうだめだ、もう耐えられない、こっちがおかしくなる。こんな嘘と憎悪にまみれた生活はもうたくさん…もうたくさん!!
ある日、夫の父の何回忌かの法事があった。仏壇がある夫の実家で行うことになったが、そこでは夫がすべてを取り仕切った。仕出し料理なども夫が注文をした。法事が始まる前、親戚が実家に訪れ、夫は機嫌よく挨拶をしたが反面何か威圧的な態度を取っていた。お坊さんの読経が終わり、皆で料理を食べ始めたときも何か異様な雰囲気だった。周りは皆夫の機嫌を窺っている。夫は周囲に気前よくお酒を勧めながらも、ピリピリしたオーラを発散させていた。そんな中私は夫から「冷蔵庫からもっとビールだして」「ティッシュとって」と矢継ぎ早に命令され、席を温めるひまもなかったが、その中にとどまらずに済むことで返ってほっとしていた。夫はどうしてこんなに神経質になっているのか、私には理解できなかった。
反面、外面はとてもよかった。夫の友人が家に遊びにくれば、夫自らの手料理でもてなした。さっきまで仏頂面していたのにもかかわらず、私に笑顔を向けながら「僕はわがままだから、ウメは大変だと思うよ」と、友人に話す。その当時私は「ああ、夫も本当はそんなふうに思ってくれてるんだ」と勘違いしていた。
ある時、夫は不機嫌に夕食をとった後、大きな溜息をつき「近くのスナックに行ってくる」と出て行った。どうせ私の作った料理が気に入らなかったのだろう、と思いながら片づけをしていたら電話が鳴った。電話は夫の職場関係者で、どうしても早く確認したいことがあるので連絡欲しい、と言った。私は仕方なく夫を呼びに行くことにした。家から歩いて10分ほどのスナックに夫はよく入り浸っていた。店のドアを開けると甲高い笑い声が聞こえた。夫がこちらを見る。夫も笑っていた。「おう、どうしたんだ」「職場の人から電話があって、○○について確認したいっていうから早く伝えた方がいいと思って」夫は「ああ、まあ今すぐじゃなくてもいいや。(ママに向かって)これ、僕の奥さん。ウメちゃんも一緒に飲め」と言うので椅子に座った。ママが私に挨拶をしビールをついでくれた。夫はひたすら上機嫌だった。「ウメちゃん、ここのママはとっても歌がうまいんだよ~、ママ、歌ってよ~」そしてママが歌った。「ね、すごくうまいでしょ?ウメちゃんもそう思わない?」と満面の笑みで私の肩に手をおいた。ママは「そんなことないわよ~、○○さん(夫)の歌のほうが最高よ!」とはしゃいでいる。
私は目の前の光景を見て吐き気がした。このところ夫は私と1ヶ月以上も話さず、常に怒りのオーラを出していた。それがこの態度は何?この笑顔は何?こいつは二重人格か?夫への嫌悪感でじくじくとしながら「片づけが残ってるから帰るわ」と私は席を立った。夫は「僕はもう少しここにいるからね~」と私の背中越しに言った。帰る道すがら、私の心は夫への憎悪が湧き上がっていた。どうしてあんな態度がとれるのか?まったく信じられなかった。胸が腐りそうだった。
そしてある日、夫は「職場の若い子達を今度の土曜日呼ぶから」と言った。夫は職場では気に入った後輩達と一緒によく飲みに行き、奢ってあげているらしい。そこで夫の家に行ってみたい、という話しになったようだ。私は憂鬱だった。どうせまた虚構の夫像を見せつけられるのだと思うとやりきれなかった。が、どうしようもできない。
その日、家に来たのは若い女の子ばかりだった。仲良しグループらしい。「お邪魔しま~す」「はじめまして」と、彼女たちは家に上がった。私がお茶の準備をしている間、女の子達はテーブルに集まり、夫の人生訓みたいな話しを聞いている。夫はそんな話しが好きだ。自分の至らなさをもっともらしく吐露しながら、人生とは、生きるとは、みたいな理想論をぶつのだ。彼女たちは、神妙な顔で聞いている。夫が大好きな構図。私は心の中で大きな溜息をつきながら紅茶を入れ、皆に出した。そして用事があるから、と私は自分の部屋に引っ込んだ。夫は私が一緒にお茶を飲み、彼女たちと話すのを嫌がる。お客さんとの些細なおしゃべりについて後から「あんなことよく言うな…おまえは何様だ!」と夫から言われるのがおちだ。よく言われたことだ。
しばらくしたら、話しが盛り上がっているようではしゃぎ声や夫の笑い声が聞こえる。むかむかする気分をこらえた。そして夫が私を呼んだ。「お~い、こっちきて写真とってくれないか?」女の子の1人がデジカメをもってきていた。私は努めて笑顔を作り、デジカメを受け取った。夫の周りを女の子達が囲む。夫は、私には既にまったく見せることもなくなった、嬉しそうな笑顔を作っていた。私が「皆が入らないからもう少し寄ってみて」というと、夫は「もっと寄って!」と女の子達に声をかけ両脇にいる女の子の肩を抱いた。その瞬間私の中で怒りがこみ上げた。私は必死に笑おうとした。「はい、チーズ」夫が「もう一枚」と言った。私は夫の笑顔を見て、憎悪で目がくらみそうだった。やっとの思いで写真を撮り、デジカメを渡した。私は「ごゆっくり」とかろうじて皆に笑顔を向け、また部屋に引っ込んだ。
私はやり場のない憎悪に覆われ、何もかも破壊したい衝動にじっと耐えた。もうだめだ、もう耐えられない、こっちがおかしくなる。こんな嘘と憎悪にまみれた生活はもうたくさん…もうたくさん!!
酷すぎる
「胸が腐る」
なんかその気持ちすっごくよく分かります
その場その場の違いはあれど、流れや夫の対応は驚くばかりに定年モラ夫に似ていました。
私は夫の親の七回忌の法事の時(もう殆ど親類も呼ばないで夫の兄弟でしています)私は「夫の嘘ばかりの話に耐えられないから、後からお仏壇にお参りさせてもらいます」と夫の兄弟に言って出席しませんでした。
夫が遊びに出かけ帰宅後、玄関先で「オーイ、かあさん、○○さんに車で送ってもらった。お礼を言って!」と呼ばれましたが、私は出て行きませんでした。後日そのご夫婦に、無礼をした事をお詫びし、夫はDⅤである事、いつも怒鳴られているのに笑顔で「主人がいつもお世話になりまして」とは言えなかった事を伝えました。幸いそのご夫婦は理解してくれました。というより「やっぱりね」と言ってくれました。
けれど夫の外面が良すぎて理解してもらえない人の方が多いですね。ちなみに夫の日記には「悪妻」と書かれていました。
私の場合はこんな形で済んでいますが、うめさんの場合は何も知らない会社の若い女の子を相手にはこうもいかない。
これ見よがしに妻を苦しめるために連れてくる酷さとその無神経さを誰にも分かってもらえない辛さは私以上だと思いました。
こちらがキレて当たり前の事なのに、ほんとうによく耐えられたと思います。
フラバ、乗り切って下さい。
長い文章のブログを読んでいただきありがとうございます。
モラ夫って、なぜかどこの家庭においても
どこかしら共通点があって驚かされます。
まるで遺伝子レベルでそうできているのか!?
はたまた、やはり人間ではなかったのか?
みたいな驚きがありますね。
よーにゃんさんみたいに、私も周りの人に
はっきり言えればよかったのですが、言えませんでした。
私自身が、夫の言動が信じられず
あまりにも受け入れ難いものだったのです。
こうして、回想して記事にしている途中でも
動悸がしてきます。
結局耐えられずに逃げましたが
こうやって、同じ体験をした方々と
ネットで交流するだけでも癒されていることを感じます。
それができなかったら、モラハラについては
ほとんどの人と共有できず自分の中に閉じこめ
今でも後遺症あるいはフラバに苦しんでいるかもしれません。
話す(放す)ことの大切さ、そして
それを受け止め共感して下さる方がいることの
大切さを実感しています。
よーにゃんさん、ありがとうございます!
ウメより
私も脱出すべく少しづつ準備をしていますが、やはり怖いですね。
私は結婚26年になりますが、DⅤという概念を知ったのは7年程前でした。(モラハラという言葉を知ったのは2ヶ月前です。)
DⅤを知って、あるDⅤの支援グループが主催するDⅤ被害者の自助グループの場で、
結婚当初からの夫の異常な言動の数々を同じ被害者の皆さんに聞いてもらう事で、又みなさんの状態をお聞きしているうちに、夫の正体もだんだん分かってきました。
それから少しづつですが、私の行動を変えてきました。
けれども今も同居していますし、夫は自由にしているのに、私は軟禁状態。
今も夫からお金の事を言われたり、声を掛けられたりすると身構えてしまいます。
酷い時は過呼吸になったり、身体が震えたりします。
ほんとにフラバの克服の為には、人に話すことですねぇ。
同じ体験者の人達であれば共感もしてもらえるし「被害者は私一人じゃなかった。
私は正常だったんだ」と自分を責めなくなったし・・。
私も裁判が終わって離婚した時には、夫の家庭内の異常な言動を、世のみなさんに知ってもらうべく、ブログを書こうと思っています。
こんな異常な人間は世の中にゴマンと居るんだって・・。(いつの事になるか分からないけど・・)
うめさん、お辛いでしょうけどブログ頑張って下さいね。
長々ととりとめのない話しですみませんでした(顔文字が使えないので・・頭を下げた格好です・笑・)
私はDVや共依存という概念を結婚する前から知っていました。
でも知識として知っていても、
それを実生活に活用するという点において
私にはそれができませんでした。
夫からの直接的な暴力はわずかだったので
これはDVみたいだけど、違うようでもあるし…
と、自分でも夫の言動が何なのかよくわからなかったのです。
しかし、モラハラという言葉を知り
あまりにも夫がぴったりだったため、
ようやく自分が苦しんでいたものの正体がわかりました。
それから、自分の為すべきことについて考えるようになりました。
私もよーにゃんさんと同じです。
よーにゃんさんは、同居されてはいますが
夫さんに、ご自身の気持ちを
かなりお伝えできているようにも思います。
でも軟禁状態、というところがお辛いですね。
思えば私もそんな感じでした。
過呼吸になったり、体が震えたりするのは
苛酷な現実を前に、ごく正常な反応だと思います。
私もよく体や手が震えました。
汗が異常に出ました(まさに冷や汗?)。
夫との会話では緊張が走り、舌がもつれ、
ますます夫からバカにされました。
よーにゃんさんの希望が、近い将来叶いますように
心からお祈りしております。
そして、いつかよーにゃんさんのブログ開設を
楽しみにしております。
よーにゃんさんのお話に励まされました。
ありがとうございました。
ウメより
なんて酷いひとなんでしょうね、元夫さんは。
>もうたくさん…
苦しかったでしょう、悔しかったでしょう。
私は、その方を憎みますよ、本当に。
妻を何だと思ってんだ~!!
いい加減にしろ~!!
すみれさんの共感と、
夫の行為に対して一緒に怒ってくれること、
どんなに慰められるかしれません。
高見からではなく、同じ場所に立ち
同じ目線で見ていただけることが
どんなに力づけられることか。
いつもありがとうございます(涙)。
ウメより